絶版ミステリ

ほとんどバカミス「殺人者なき六つの殺人」

論創海外ミステリ「震える石」(ボアロー)を読んで、その時にやっと、ボアロー&ナルスジャックじゃなくて、ボアロー単独の作品だと言う事に気がつく。
思えば「三つの消失」
あれは、(ここからネタバレします)ものすごーーーく後味が悪い作品でした。
ダ・ヴィンチの名画が密室から消える それって→
 名画を燃やしてしまう!!!! って ひどすぎる  ★

 

なので、読んだ時にものすごいショックでした。(「悪魔のような女」と作風が違うが、ひどいと(単独作品と気がつかず))

 

で、「震える石」で、「じゃ単独作品確認しよう」(バカミスの呼び声高いらしいので)と、トライしました。

 

これが、復刊される事は無いと思いますし、図書館にも殆どないので、例によってネタバレします。

 

最初にアパートの窓から、女性(その部屋に住む妻)が助けを求めて(しかし、撃たれた模様)で始まる→みんなが駆けつけるが(確か密室)犯人は居ない。夫が殺され、妻は重態。

 

次に夫人付きの女中が、使用人部屋で殺されているのが発見されるんですが→警官が部屋を確認した時には誰もいなかったはずなのに、死体が出現&犯人はいない。

 

というように、事件は続くんです。

 

犯人(名前忘れましたが)これが、バカミスらしいという先入観があったせいか、犯人はすぐに分かりました。正直、登場した瞬間に、この「濃い登場」(しかも被害者夫婦の親戚&友人)→絶対犯人と思いました。

 

殺人事件のパターンとしてはヴァリエーションに富んでいます。(ああ、どっかで読んだ事のあるの嵐)

 

いくつか・・
事件1。★ 犯人は被害者の妻の情人。夫が、二人の逢い引き現場を押さえようと、銃を持って乗り込んで来て→妻を撃つ→情人が反撃して、とりあえず部屋を逃げる。妻は彼を逃がして・・・  被害者と加害者の逆転と 被害者が加害者を守ろうとして密室が構成された  ★

 

事件2 密室に女中の死体が出現→ ★ なんか描写がと思い&警官が部屋を探した時に、ちゃんとベッドの下とか見ているだろうなと思ったら、死体をベッドの下に・・・というベタな展開でした。  ★ 当たった。

 

この他、★被害者が逃げて、カギをかけて密室をつくった ★ & ★ 犯人の職業は弁護士で、探偵の友人なので、 犯人も探偵と協力して・・・ ★

 

次から次へと繰り出してくる。

 

感想→この人がナルスジャックと出会わなかったら、あの「悪魔のような女」は出来なかったんだ。一体、どうすれば(ナルスジャックの作品を覚えていないのですが)あーなるんだ。

 

でした。

 

 

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ポプラ社で読むフレッチャー「ダイヤモンドの謎」

フレッチャー「亡者の金」が結構良かったので、過去に「ミドルテンプルの殺人」も読んでいるので、他の絶版に挑戦しようとしたのですが、ものすごくハードルが高く。

ポプラ社で読むことにしました。自分としてのくくりとして、翻訳は1950年以降と考えています。
おそらく、貸出禁止だろう約100年前の本→さすがに断念しました。論創社が出してくれるといいな。。。
ポプラ社なので、かなりカットされているはず。人物の性格にあれれ?という部分あり。
最初のあらすじで、内容をほぼ把握できてしまいました。
バルケ子爵はインドに赴任して、立派な人だったので、マハラジャからダイヤの首飾りをもらう。イギリスに帰る船が嵐にまきこまれて、その首飾りを失う→水夫の三人組が盗んだ
というのが、後で分かることになっている。
ネックレスを入れた箱には仕掛けがあって「古い箱」として骨董屋(盗品も買う)にあって、それを見つけた元水夫(盗んだ)が、店主を殺して箱を手に入れて、で、そいつは、仲間に殺されて→偶然再会した仲間→脱獄囚を追っ手きた看守(首飾りを見つけて同僚を殺して逃げる)→人を殺して、自分も誤って死んだ男がいて、それが、テレサ婦人という女性に恋をしていて、遺言で自分の財産は彼女に→ダイヤモンドが彼女のものになる。
ここではじめて、犯罪者でない人間にダイヤモンドが渡る→でも、悪人は(遺言を扱った弁護士事務所の人間だったと思う)彼女からダイヤを奪い・・・・の連鎖。
最後に、ダイヤモンドを手にしてそれを半分売り払って、「紳士」として暮らして、周囲からも立派な人と思われるのが出てきて、でも、偶然、彼の過去を知っている刑事が・・・最後には罪を告白して死ぬ。(最初の人物紹介に、最後は清い心で死んでいくと書いてありましたが、子供向きだから)
テレサ婦人→送られた遺産で故郷に戻る。借金を返して、周囲から立派と思われる。
で、立派な男性と知り合う。
そこへネックレスが見つかったという連絡が、喜ぶ彼女、でも警察がこれは本当の持ち主が居るんですと言うと、短気な彼女が怒り出す(あれ、立派な人じゃないの?そんな棚ぼたのネックレスでも自分が持ち主なのか?)
で、最初の持ち主のバルケ子爵が(持ち主の証拠が留め金のメダルにある)→テレサ婦人の知り合い→テレサ婦人にプレゼントする(結婚を申し込む)
でした。
いや、次から次へでした。

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「疑惑の場」パトリック・クェンティン

Suspicion Circumstances

クェンティンにしては、とっても「明るい?」雰囲気がただようコメディのような殺人事件。

主人公:ニッキー19才。母は往年の名女優アニー・ルード
アニーとハンス叔父。運転手のジノ、母の昔の仲間パムと暮らしている。
アニーは昔、曲芸の一座にいて、ニッキーの父はチェコ人で彼が生まれる前に、事故で死んだ。
今、一緒に暮らしているのは一座の仲間。
ニッキーは小説家志望→パリに行く→恋人:モニクができる。
新聞で、母の友人だった女優ノーマが自宅の階段から落ちて死んだという記事を読む→母:アニーから帰ってくるように言われ、アメリカに戻る。
そうすると、そこに赤毛の美人秘書:デライトが居る。生意気そうな赤毛の・・・といった描写から、パリの恋人から彼女に乗り換えちゃうんだなと思ったりしました。
事故死したノーマの夫ロニーは、昔からアニーが好き
→ノーマが主演すると主張していた映画→アニーが出演したい映画。
ノーマの死は、アニーにとって公私ともにメリットがある?
ニッキーは、ノーマが事故死した日にアニーと仲間がノーマの家(ロニーも居る)にいた事をしり、疑惑・・・・・
また、ロニーにまとわりつくシルヴィアが、アニーがやるはずだった役を奪おうとしている。
シルヴィアはロニーにロニーとアニーがノーマを殺した→自分と結婚して自分を主役にすれば黙っていると脅しているらしい。
何かマズイ手紙を持っている。
実はアニーはお金がなくて、「家族」とチームを組んでラスヴェガスで「ショー」を演じる。
ニッキーもデライトと組んで踊ったりする。
デライトは女優志願でとにかく目立とうとする。
彼女はニッキーに、自分につめたくすると「ママに不利」とばかりにつきまとう。
アニーは、パリからモニクを呼び寄せてニッキーと再会させるが、デライトが邪魔をする。
そんな中で、シルヴィアが風呂で事故死。アニーは地元の実力者に依頼して、病死としてスキャンダルにならないようにし、また、問題の手紙を取り戻す。
ニッキーは母:アニーが当日はデライトと一緒だと聞いて安心するが、その後、デライトからそれは嘘だと聞かされ、母が犯人だと確信する。
シルヴィアは母の昔の事件を知っている。
アニーが世に出るきっかけになった映画がある。
その映画で、アニーの起用に反対していた関係者が「階段からおちて事故死」した事でアニーが主役になり、それで大女優になった。
アニーを邪魔する者が「事故死」する・・・・
ロニーはアニーに結婚を申し込むが、アニーは夫がいると(昔、戦争中に逃げるために便宜上の結婚をした)だからロニーを愛しているが結婚できないという。
ニッキーは秘密結婚した夫は運転手のジノではないかと思っている。
アニーは仕事でイギリスに行く。女王陛下に会うというので大喜び。
アニーの誕生日をイギリスで迎えることになり一家でイギリスに渡る。ハンス叔父が具合が悪くなり、あとからイギリスに来ることに。
母が殺人犯と思うニッキーは自暴自棄になって、母が反対するデライトと結婚すると言いだす。母はデライトにニッキーは未成年だから、駆け落ちはしないで、ちゃんとした豪勢な式を挙げると言い出すと、デライトはドレス選びに乗り気になって、アニーと仲直りする。
デライトの行動が母をかばっていると思ったニッキー→デライトがロンドンの地下鉄で事故死→あわてて母のところに戻る。母にはアリバイが、じゃあれは事故?
そこに、母へ「誕生日祝 夫より」という手紙が届き、真相が・・・
夫はハンス叔父。
アニーの夫(ニッキーの父)はチェコ人で戦争中に死亡。アニーはパリで困って、曲芸団にいたハンスが彼女を助けるために結婚。ハンスは彼女がとても好きで、アニーの邪魔になる存在を殺して来た。アニーのためだった。奇妙な献身的な一生。
アニーもハンス叔父が犯人と気がついていたが、愛ではなく、とても感謝していたし、とても好きだった。
デライトは、スターになるためにニッキーを利用した。(ニッキーを愛していないスターになるために結婚したいという念書をとってある)
ニッキーは、母を守ろうと思うし、自分は母を守る存在になり、母を操縦できる(もちろん愛している)存在になった事に気がつく。
で、モニカとやり直そうと思っている自分に気がつく
って筋でした。
パズルシリーズにも通じるところがあると思いましたが、殺人が何件も起こっているわりには、母を疑っている割には、ニッキーは不用心で、「一家」の結束は固くて、もっとシリアスになっても不思議はない話なのに、明るかったです。

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ヒュー・ペンティコースト ポケミス 795「ささやく街」 688「死亡告示」クラブ

こんな折りではありますが、ミステリの紹介を・・・

絶版ポケミス紹介

「ささやく街」(本名の:ジャドスン・フィリップス名義)
本の紹介では、車の事故で高校生が死亡して、原因が学校の性教育だと女性教師が責められて・・・・という事だったので、学園ものかと思っていましたが、違いました。
って書いて、肝心の街の名前をメモしていないことに気がつきました。
名家出身の元判事ウッドリングの酒酔い運転で、高校生の車が事故、元判事は逃げてしまい。学生3人が死んでしまう。
判事は名家の出身だし、元フットボールの花形で、地元のチームや警察にも寄付を惜しまなくて、誰も彼を疑おうとしない。
学校の教師アナベル・ウィンターズが「生物学」の授業を教えていて、それが「性教育」だと反対する勢力と、狂信的な説教師コナーズ(彼は街が洪水の被害にあった時に現れ、教会が再建されると居残った。判事はコナーズを信用していなかったが、自分の容疑をそらすためにコナーズを応援する)が手を組んで、街は二分される。
新聞記者が、ウィンターズ先生を救おうと「事故の犯人」を探そうと乗り出す。
事故で生き残った女子高生は「ふしだら」だとののしられたり。。。
判事の過去が、この話に影響しています。
学生時代に、女優に夢中になり、一緒にいるところを父親の知り合いに目撃される→実家で母親が危篤だからと呼び戻され→名門の娘:フランシスと結婚させられた。実は、彼女の家が破産して、借金のカタに「結婚」を承知した。
判事はそれを、フランシスの恋人だったアルトンから聞かされる。判事が巡業に来た女優に会いに行こうとしてフランシスは自分の体面だけは守ってくれと止めるが、判事が出て行って、フランシスは自殺。(判事は再開した女優に失望)
判事の恋人のことを父親に知らせたのはアルトンの父→アルトンにとっては、ものすごい悲劇。

それからは、酒を飲んで、独身を通して来た。過去に横領の疑いをかけられたこともあるが、名家の出だから街でそれなりの尊敬を受けていた。
それは街の縮図。ここでは、「良家の子供」は、将来に傷をつけないように、逮捕しない。ようにしてきた。それが今の判事を生んでしまった。
事件の真相についたアルトン:フランシスが自殺した後、希望を失って、財産も失い今は踏切番になっていた。自分に優しく接してくれるウィンターズ先生を守るため、判事を殺そうとして、誤ってコナーズを殺してしまう。
アルトンは自分は何一つ成功しなかった。「毒草のごとき悪しき行いは牢獄の風にあたって花を開く・・・」とつぶやく。
記者は、事件の真相が明らかになれば、街はショックを受け、この街が毒草の記憶をぬぐいさるには、時間が必要になる・・・で終わります。
全然、イメージが違う内容でした。
「死亡公示クラブ」
新聞記者グラントとパスカル警部もの
人気俳優:ラリー・ボールドウィンの車が爆破されるところから始まる。
どうやら死んだコメディアン:チャーリーが7人の仲間(「死亡公示クラブ」)の誰かに10万ドルを遺した遺言が原因らしい。
仲間7人に番号を引かせる。弁護士に何番が死んだら、何番に金を譲るということを書いた封筒を預けてある。誰が金を受け取るかは誰も知らない。
ラリーが狙われるからには、封筒の中身を知っている人間がいる?他の仲間が殺され・・・→犯人はチャーリーの遺産管理人:ゲイリー(金を使い込んでいた)、病気で死にそうなメンバーがいるので、使い込みの発覚をおそれ、昔の仕事でラリーを恨んでいる映画関係者(ラリーはそれを知らない)をそそのかして、ラリーを狙わせた。
メンバーが殺されたので「金は払えない」とするつもりだった。
この事件がきっかけで、ラリーは昔の恋人とやり直すつもりになる。
落ちとしては、チャーリーの遺言自体が「無かった」ということに。
おまけでペンティコースと
「ひきさかれた過去」(子供向け:海外SFミステリー傑作選)
グラントとパスカル警部もの。
新聞社内で、人が殺される。
犯人は新聞社の同僚。被害者は、第二次大戦中にポーランドで、アメリカ人を(その時は、参戦していないので、逃げることはできた)逃がすために、ポーランド人が逃げるために乗り込んだ列車を「金」で買い取った過去があった。
被害者は後にそれを後悔し、財産を戦争被害者のために寄付をして、償いの日々を送っていたが、たまたま、その列車に乗るはずで、収容所で生き残ったポーランド系の青年が、怒りのあまり殺してしまった。
被害者は「やっと来たのか」と覚悟していた。
戦争がなければ・・・ということでした。
 
  

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ポケミス「女子高校生への鎮魂曲」「虹の果てには」

絶版ポケミス二冊ご紹介

これ、読んだ後で、作者が同一人物と知りました。
ポケミス746「女子高校生への鎮魂曲」イヴァン・T・ロス
熱血教師もの(?)・・・本が手元に無いので、人名間違っているかも。
教師(ゴードンとしておきます)のクラスの女子生徒ローリー、最近ちょっと素行が・・・と心配していた→どうやら、立ち直って来たと安心→自殺してしまった。
ゴードンは、その原因を探って地元のクラブをめぐる事件に・・・(Bという顔役が仕切っている)
金持ちの女生徒→家で構ってもらえなくて、クラブに入り浸る。(麻薬など売っていたりする)そこで、バーテンダーが同級生を連れてくればお小遣いをあげると→何人かつれて行き、そこから薬とか・・・・
クラブのバーテンが撃たれ、ローリーの死に衝撃を受けて、事件のことを話そうとしていた女の子が巻き添えになり、重体。
実は、ローリーの自殺の原因は、尊敬する父親が、女性とベッドにいる写真を見て、絶望したから。父親は昔、Bの仕事(会計)をしたことがあり、口封じのため「罠にかかって写真を撮られた」その写真を娘が見て、自殺した事を知って、バーテンダーを撃ったのは父親。
父親は(黒幕を撃ったかは忘れました)復讐して自分も死に、重体の生徒は意識を取り戻す。
でも、彼女達はまともな道をとるんだろうか・・・・という独白で終わる。めでたしめでたしというラストではありません。
何となく読ませるなと思っていたところ、別に読んだ作品が実は同じ作者でした。
ポケミス1302「虹の果てには」ロバート・ロスナー
実は5年前、迷跡さんのブログでご紹介本でした。
筋に関しては、迷跡さんのご紹介が素晴らしいので省きます。早い話が、銀行強盗ワイリーが約20年後に金を掘り出しに来ると、そこら中が開発されていた。
金を取り戻して出世(離婚した妻に自慢したいようだ)したい警察官が彼を待ち受けていた。
ジャビット警部補が、出所したワイリーにつきまとって、周囲に(といっても三人?)彼はもと強盗だと触れ回るから、周囲がよそ者のジャビットに反発して、結果として、司書フランシーヌはワイリーに同情して親切にして、そして、金が埋まっているのが図書館の地下(の横?)と知ると、彼女は絵描きになりたいという自分の夢の実現のため、分け前を要求して手伝う。
でも、フランシーヌは「誰かの力になってあげたい」というのが正直な気持ちだったんじゃないのだろうか、最初は。
で、二人は金を手に入れるわけだけど。
ワイリーは自分のものを取り戻したいだけ。その次の生活とか考えていない。
一方、フランシーヌは、これでニューメキシコに行って、絵描きになる。
ワイリーにも一緒に行こうと言う。(フランシーヌだけ失踪したら、ばれるよね)
犯罪小説だったら、とにかく「しばらく落ち着いてろ」なんだけど。
ワイリーは彼女を信じたことがうまくいったから、ジャビットにも金は上に家が建っちまったんだと言って、信じてもらったと思うことにする。→そこにジャビットは疑問を持つんだけど。
ジャビットは二人が夜中に逃げようとしているのを見て、やっぱり金があったなと追いかけようとして自動車が穴にはまる(もしかして、金を掘ったトンネルが影響?)
でも、その前に離婚した妻と電話していた彼は、執念の男じゃなくて、すこし(元)妻と娘との仲を復旧させようとしている男になっていて、これは、二人への言い語りぐさになると、自分の失敗を笑い飛ばせる(?)ようになっている。
→これからどうなるかだけど。
ワイリーはフランシーヌに、最初は私を疑っていたでしょと言われ、それを認め。
でも、慣れなくちゃねと言われ、信じることにする。
フランシーヌは毎日とっても退屈だったんだろうけど、
ワイリーに仕事をくれていたおじいさんも良い人だし、彼が前科者だと分かっても、いやな顔しないレストランの主人も良い人だし。
その町にいても結構幸せになれたろうにね。ワイリーは。
フランシーヌももしかしたら、とも思いました。
おじいさんとレストランの主人に少しお礼してあげてほしいなぁ~と思いました。

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「バビロン行き一番列車」

「バビロン行き一番列車」リーダーズ・ダイジェスト社 三つのサスペンス

1 「バビロン行き一番列車」 (First Train to Babylon)(1955)(マックス・アーリック)
プロローグ
子供の治療費がほしくて郵便列車勤務男が郵便袋を盗む。→でも、その袋は彼の手に入らず彼は、悲観して自殺。子供も病死。

10年後、その袋が見つかり、ラドクリフ家に手紙が届けられる。
夫:ジョージ、妻:マーサ ひともうらやむ仲良し夫婦。娘の結婚を控えている。
マーサはバーモント出身で「道徳感」の強い育ちと、夫にちゃかされている(この道徳感が、これから起きるドラマの元に)

10年前、ラドクリフの会社で会計士が殺され金が奪われ、ナイフの持ち主のレーデが、ジョージの証言で捕まり、無期懲役。レーデは今も無実を訴えている。

当時の会社に勤めていたクレーから、ジョージあてに「犯人はおまえだ。黙ってほしかったら金をよこせ」という手紙が来ていた。
マーサは当時自分たちがお金に困っていて、ジョージが株でもうけたので持ち直したのを思い出し。もしかしてたら夫がと疑心暗鬼になる。
夫は自分を信じられないのかと、夫婦仲は悪化。
マーサはクレーやレーデに会いに行き(→ここが思い切り墓穴って感じ)良心の呵責にさいなまれ。
事実は、殺人犯はクレー。被害者自身も犯人がレーデだと思いこんでいた。
クレーは金を無くしてしまい。たまたま会社にいたジョージを強請ろうとしたが、その手紙が届かなかった→マーサがやって来たことで(マーサから金をゆすりとる)
クレーは内縁の妻に殺される。

ジョージは、自分は犯人はレーデと思いこんでいた。でも、この10年、不安を感じていた。
レーデ一家にはこれから金銭的な援助をするが、自分の良心を買い戻すことはできない。
マーサは二人ならやっていけると言う。

マーサが夫を疑ったことで二人は終わるかとも思わせましたが、ジョージの苦しみをマーサが救うのだろうと思いました。

2 「ねらわれた男」 (May You Die in Ireland)(1965)(マイケル・ケニアン)

主人公はウィリアム・フォーリー40才になろうとする学者でぱっとしない独身男。
アイルランドの遠縁から城をゆずられた事を契機に運命が変わります。
アイルランドに渡るために旅行の手配→スパイの陰謀に巻き込まれ・・・・・

さえはい男から脱却。アイルランドで助けてくれた家の娘さんとも恋におちてめでたしめでたし。

3 「裏切り」 (Tether's End)(1958)(マージャリー・アリンガム)
 「殺人者の街角」のタイトルで出てます。
 「裏切り」の方は抄訳なので、完訳をよんでからだと、あれ?話の展開が?と思ったりもしますが、これは抄訳が結構好きな作品です。

主人公(?)が恋する女の子が「伯母さん」に呼ばれて田舎からロンドンにやって来て、そこで、事件が・・・なんですが。
以前は分からなかったけど、伯母さんは可愛がっている青年が「素敵な女性(自分の姪)」と一緒になってくれればと、呼び寄せたんだなと思いました。

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「世界推理小説名作選」 日本リーダーズダイジェスト社 ペガサス叢書

日本リーダーズダイジェスト社/ペガサス叢書のラインナップはバラエティに富んでます。
1  「赤い風」    レイモンド・チャンドラー
2  「バスカビル家の犬」    コナン・ドイル
3  「支払い延期」     C・S・フォレスター
4  「腰抜け連盟」     レックス・スタウト
5  「猟人の夜」    デイビス・グラブ

3,4が分からなかったのですが、調べた結果

3 「終わりなき負債」というタイトルで出ています。

主人公:ウィリアムは、金に困っていた。たまたまオーストラリアからやって裕福な甥がやって来た。甥を殺して(その描写はない)金を手に入れる。
金の苦労がなくなったはずだけど、(血のついた服をみられちゃいけないと)妻に通いの洗濯女はクビにして自分で洗えとか、生活が荒んでいき、破滅する。
最後に妻が自殺するんだけれど、それが彼のせいにされてしまい死刑となる。
(甥殺しは発覚していない)

4 「狩人の夜」→映画にもなっています。
幼い兄妹が(父親が銀行強盗で死刑)大金の行方をしっている。
二人をつけねらう・・・

です。
このセレクトはかなり○だったんですね。
でも、ちょっとバラエティありすぎ。

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「年刊推理小説・ベスト16〈1964年版〉」アンソニー・バウチャー編

荒地出版の年刊ミステリの最後(だと思います)
63年の方が好みかな。

1   「ドン・ジュアンの死 」     エラリー・クイーン ・・・パス

2    「最後の環」     アンドリュー・ガーヴ
ガーヴの短編がこんなに良いとは思いませんでした。
普通ならこれで長編かいちゃいそうだが。

マンローは船に密航している。
そうするとアマンダという女性と知り合う。マンローは自分は軍の情報部のテストで「密航」していると打ち明け、アマンダに携帯用のボートをあずかってもらう。
→実はマンローは警官で、金持ちの婦人が船で殺された事件を調査。容疑者は甥のラルフ。アマンダはその共犯(船のスタッフ)アマンダを罠にかけるため、密航者のふりをしていると近づいた。
マンローには(手に目立つキズがある)アマンダが、ボートを傷づけるだろうと賭けにでた。

3    「速達便」     エドマンド・クリスピン・・・・最近でた本で読めるのでパス

4    「早い者勝ち」     ロク・フィリップス
ジョージは妻を殺した。アリバイはカードをしていた。
って同じ時にカードをしていたはずの仲間が「妻を殺していた」
どうして同じ時なんだ・・・どうやって警察に言えばいいんだ。

5     「 マダム・フロイの罪 」     L・J・ブラウン ・・・子猫を殺された母ネコの復讐

6  「共同電話     13     マレイ・レンスター
村で殺人事件が。
保安官の妻が姪の婚約パーティのごちそうをつくっている。
容疑が姪の婚約者に?→共同電話をつかって、真犯人をわなにかけて、めでたしめでたし。

7 「臣民の自由」     アヴラム・デヴィッドソン
舞台はロンドン。
外国人亡命者社会で、スパイ(?)をして情報をあつめている男:コーマー。
監視相手をあやまって殺してしまい→ついでに財布を奪う→逃げて財布を捨てようとおもったら、国王のお葬式で大混雑→財布を人のポケットに入れる→プロのスリからあいつは泥棒だ。ちゃんとしたスリは陛下のお葬式に仕事はしないと、警官に言う。
外国人であるコーマーは住所登録をしわすれていて・・・・(おそらくばれる)

※沢山 翻訳短編がありそうです(雑誌が多いかな)

8    「消えた脅迫者」     リチャード・デミング
妻を殺すために、自分たちの会社が狙われているというウソをついた男を捕まえる探偵もの。
マット・ギャノンのシリーズだそうです。(デミングはよく見るなまえだけど、探偵を意識していませんでした)

9     「ダブルおばけの秘密 」    ロバート・L・フィッシュ ・・・ホームズもの パス

10  「ヒューマニスト」     ジェームズ・マッキンメイ
隣人のヘンリーの妻がいなくなり、彼が夜中に穴をほっていたという噂が町中を→ジョージは警察にいる知人に電話して、自分が行くまで手を出さないようにと言う。
で、警官が穴を掘ると、でてきたのはヘンリーの妻の服だけ。
妻が出て行ってしまったので、服をすてようとしただけといい、ヘンリーを悪くいっていた人々はあやまる。
夜中ジョージはヘンリーが車ででかけようとするのに気づく。
ヘンリーは妻を殺していた。で、わざと穴を掘って服を埋めて・・・
ジョージはヘンリーを手伝う。うまくいくのを見届けるよと。

11    「 ぼくの姉さんアナベル」     デ・フォーブス
グレンとアナベルは、公園にいた男を崖から海につきおとした。
グレンは家に帰る。お客が来ている「アナベルと一緒に動物園に行ったんだ」という言ってみる。お客のコーンウェル夫人はアナベルってだれ?といって、その場の空気を凍らせる。
アナベルは彼の姉。昔、異常者に襲われて溺れて死んだ。
彼はアナベルに話しかけている。
最初に「彼ら」とはっきり書いてあるので、アナベルが死んでいるという観点はありませんでした。まあ、グレンの中に存在しているのでしょうけど。
しかし、コーンウェル夫人が自分の失敗を認めず「アナベル」という名前の子を探し出そうとしているのが、次の犯罪に結びつきそうでこわいですね。

12    「最後の答」     ハル・エルスン
おそろしいリドル・ストーリー
ストリックランドは異常者に正しい答えをださないと殺すと言われる。
彼はそれまでにテストに正解(?)「愛と憎しみとどっちがいい?→愛」など。回答して、助かっているけど、周囲には死体が。(彼のテストの回答自体は一応「まとも」設問です)
最後に「俺はまともかどうか」10秒以内に答えろといわれ・・・
で、ここで訳者のことば(というか作者だろうね)
ストリックランドは殺されたのは結果ですが、回答は分からない。

13     「適材適所」     J・C・トムプスン
ガイは出世した。そうすると極秘の適性検査をうけるように指示があった。
→実は、若い社員が働きすぎなので、ブレーキをかけるため、年一人「自殺」させることにして、その適性をえらぶのだった。

14     「エドガー・アラン・ポーの帰還」       ロバート・ロウリー・・・よく分からず パス

15     「英雄と裏切者の主題」     ジョルジュ・ルイズ・ボルジェ
16         二つの王と二つの迷宮     2     ジョルジュ・ルイズ・ボルジェ・・・これもパス

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佳作「かりそめの死」 三つのミステリー

絶版ミステリ系です。かなり抄訳なんだとは思います。

「かりそめの死」日本リーダーズダイジェスト社 ペガサスノベルズ
1     「メリーの手型」     ポール・ギャリコ
イギリス心霊現象研究会調査員アレクザンダー・ヒーローもの(「幽霊が多すぎる」読んでません)舞台はアメリカ
国防省の研究に参加しているカンスタブル博士。娘:メリーが病死してしまった。
娘を失って嘆く博士のもとに「降霊術士」が近づいて(実は、ここにスパイがからんできている)メリーの「手型」(ロウの中に手をつっこんで)を残して、博士を信用させた。
彼らのからくりを暴いてほしいという依頼があって、ヒーローがやってきた。
ヒーローがそのからくりを暴くのですが、彼は、今回の件は偽物だけど、霊魂の存在については今後の研究による。(彼は信じている)と言うのです。
カンスタブル博士は、ヒーローが「博士の手型」をつくってみせた時に、それを自分のものとはみとめた。(メリーの手型については、偽物だということを言わなかった→娘を二度うしないたくなかったからだろう。というところが、佳いと思いました)

ギャリコは基本的に苦手なので、拾い読みでした。「技術的」には何でもありだろうなと思ってしまうので、謎解き?という興味はあまりありませんでした。

2   「かりそめの死 」     ルシル・フレッチャー
これが佳作でした。「メリーの手型」の後にあるのが、「深い」感じ。
主人公:ジュリー。
何年もたった後もアルペンシュタットの夢を見て恐ろしくて目を覚ます。あれは夢だと夫が言う・・・で始まります。

1951年アメリカ人:ジュリー・グレー・ソープは、パリ経由でスイスのアルペンシュタットに行く。列車でフランス人男性:ポールと知り合い。ポールはジュリーに好意を持つが、ジュリーは相手にしない。
だんだんと明らかになるのですが、ジュリーは普通の娘だったが、パーティで知り合った医学生のラッセル(ラス)と恋に落ち。彼の母ソープ夫人(貧乏な家に生まれて美貌をかてに金持ちの医者と結婚して、女王の用に振るまい息子を溺愛)に反対されたが、駆け落ち結婚。
夫はすぐに出征。飛行中に行方不明になる。
ソープ夫人は、息子は生きている。自分には分かると言っていた。→ジュリーは再婚もせず。数年。
ソープ夫人のもとに、ニュース映像で息子さんそっくりな人を見たという手紙や、行商人がたまたまラスの写真をみて「この人にベルリンであった」と言いだしたらり、ラスのカレッジリングがベルリンから郵送されるといった事件が。
で、ソープ夫人がいきなり旅行に出た→ジュリーは行き先を調べてアルペンシュタットまで追いかけてきた。
ソープ夫人はジュリーが来てこまっている様子。
ジュリーの推理は、ラスは戦争で行方不明→スイスに留まって結婚したにちがいない。ソープ夫人は息子(孫:ちょっとラスに似た子供をみかける)に会うためにスイスに来たのだろう。

ラスが自分と別れるなら仕方ないあきらめるが、せめてそれはラスから伝えてほしいとソープ夫人に言う。夫人はそれはまったくの勘違いだと主張する。
ジュリーは帰国するつもりになるが、ソープ夫人が急死する。
ポールは同じホテルに滞在。ジュリーが人妻でも愛していると言う。(未亡人ということは知らない)
そんなうちにジュリーに「助けてくれ」という電話がかかってきて、ホテルの支配人:ネスラーに相談する→ある店に行くように言われる。で、そこに行くと、ラスの学生時代の友人(戦争でも一緒)だったレッドがいて、自分たちは飛行機が不時着して助けられた。自分はスイスの娘と結婚して子供もいる。脱走兵になるのでアメリカに帰れない。ラスは記憶喪失で今「東」にいる。彼を救いだすために金が必要で・・・・

ジュリーは最初はそれを信じるが真相は、戦争で行方不明になった息子は実は生きているということで老人をだまし、金を持ってこさせ、「幸せな再会」を演出して、事故で死ぬようにし向ける(場合により殺す)グループがホテルを経営している。
ジュリーが来たことで計画が狂った→ジュリーも殺されそうになるが、ポールが助ける。
(ポールはユダヤ系の家系。家にあったモジリアニの絵が彼らにだまし取られてらしい)

ジュリーとポールは結婚して子供も生まれて幸せ。
でも、ジュリーはラスについての作り話があまりにリアルだったので、あれは現実で、今もラスは苦しんでいるのではという悪夢にうなされて、ポールは彼は死んだんだよ。もうずっと昔にといつもなだめる。

この話は、すごく映像的で迫力がありました。彼らの犯罪。どこかでホテルを開業して、調べた相手にメッセージを送って、彼らを来させる。
ジュリーがいなかったら、今回の犯罪も成功していたはずで。
ソープ夫人の急死後に、ジュリーをターゲットにしなければ、犯罪はまた別な国で続いていたんだろうと思うと、この話はとても現代的でした。
翻訳はここだけのようです。

3    「呪われた手綱         ディック・フランシス

原題:Nerveで「度胸」の抄訳のはずなので、パス

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いろんなもののエッセンス「伯母の死」ポケミス270

「伯母の死」 C.H.B.キッチン ポケミス270
既読だけどなんか印象が薄い→再読。

 

表紙が毒薬の壜に伸ばす手→やはり3桁台は表紙が具象で○だ。
登場人物が多いんだけど、人物表に絵がついているのが笑える。他にはないんじゃないか?

 

1929年の作品
今読むと、いろんな作品のエッセンスがちりばめられている感あり。

 

主人公マルコムの伯母キャサリン:美貌で、富豪と結婚。子供は無く。未亡人になって全財産を受け継ぐ。病気でその美貌を失い,、年下の夫:ハンニバルを再婚。自分の身内を牛耳っている。先夫の親族にはお金が残らなくて、恨まれているし、自分の身内からもお金を無心されている。
その伯母が、薬を飲んだ直後に急死する。

 

って、これでいきなりある名作が思い浮かんでしまう。
キャサリンと夫ハンニバルの仲は冷え切っていたが、キャサリンは離婚せずに夫を苦しめていたなどなど。

 

結局、犯人は★ 主人公の別な伯母(正確には殺された伯母の弟の妻) ★ 動機は、★
娘夫婦のスキャンダルを救うためにお金が必要だったことと、ハンニバルに片思いをしていて(が自分を愛していいないのは承知) ★ で、薬をすり替えた。
いろんな小説のエッセンスがつまった作品のようでした。

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