ミステリ_本

さよならサム先生「サム・ホーソーンの事件簿」

ホックのシリーズもの「サム・ホーソンの事件簿」が終わりました。
最初の頃は、サム先生が「昔を語る」形式だったなぁ、いつ頃からその形式じゃなくなったのかな?って思い返しながら読んでいました。
なんか昔を舞台にしているシリーズ(もちろんそうなんですが)と思いこんでいたら、それこそこの巻では、第二次世界大戦が始まり・・・戦争が終わっていないままに、シリーズが終わってしまいました。
でも、あまり「戦争」を感じませんでした(そういえば、映画「風と共にさりぬ」は戦争中に上映されたなぁ。。。。)

サム先生の暮らしている郡では、それこそしょっちゅう犯罪が起きるわけですが、職業探偵でもないサム先生が謎を解く→立て続けに読んでいくと、ややムリがあるなぁ感はあります。
ホックの他のシリーズキャラクター レオポルド警部や、ランド(スパイ)ものも出して欲しいなと思っています。

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謎解きは困らないんだけど・・・

その昔、私が読みたいミステリは入手困難で、読むことを重視したあまり、読みやすさとかはあきらめていました。

カーを読んだ時に 早川、創元であるもの、ポケミス→文庫になったもの(訳者違い)
で、読んだ印象(トリック部分ではなく)が異なるものがあることに気がついたんです。

たとえば、「夜歩く」は、創元の方が、陰惨さが出るラストでした。
(たった一文なんですが、もっとも両者の訳文がかなり違うので原文はどうだったのかと気になります)

「眠れるスフィンクス」は、文庫の方が全般的に分かりやすかったんですが、犯罪を語る探偵:フェル博士の大団円の語りの部分。
登場人物の女性が恋人への思いを語るシーンは、ポケミス版の方がそれこそ胸にしみいりました。

恋愛としてはまったく違う話になった気がします。
トリックは違うわけもないんですが、印象が全く違う話のようでした。

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「夜歩く」の思い出

カーの「夜歩く」にはとても思いでがあります。
(年がばれるので、詳細を書くのをためらってしまいますが・・・)

まえふりとして
「パタリロ」にバンコランという登場人物がいまして、たまたま「バンコラン」という名前の探偵がいる本があるらしいという話を聞いたわけです。(学校で話題に)

私の母は歌舞伎が好きで、ある公演に行きたいということになり、私は軽い気持ちで「チケットをとりに行く」と歌舞伎座に向かいました。
が、しかし、そこは大混み→整理券をもらい1時間したら来て下さいねと言われる。
で、何か本を読みながら待とうと書店に→そこで、ミステリを買うなら、「バンコラン」が出る本を・・・そこで買ったのが「夜歩く」でした。
パタリロから入った「バンコラン」で、イメージとしてかなり違うのでした。
で、待ち時間の間本を読んでいたのですが、時間がきたと歌舞伎座に向かうと、まだなのでまた来て下さい→その繰り返しになり、結局、歌舞伎座の前に臨時で儲けられたベンチで「夜歩く」を読んでいました。
良く晴れた日で、日差しの中で読む「夜歩く」→今考えるととても不思議な感じです。

かなり待たされたので、本は他にも読んだはずなんですが、「夜歩く」のインパクトが強くて他の本のことは覚えていません。

待ち続けた甲斐があって、券は無事に購入できて、母を喜ばせることができました。
今も「夜歩く」は、あの日に読んだ本として記憶しています。本を買ったお店も、途中で食事をした喫茶店ももう変わってしまって(歌舞伎座ももうすぐ建て替え)、同じものは本だけになります。

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あとがきに感銘「割れたひづめ」マクロイ

えーと「殺すもの・・・」をきちんと書く前に、再度いろいろとマクロイの再読をしようとしています。「割れたひづめ」を再読しました。
ベイジルとギゼラ夫妻が登場します。マクロイが久しぶりに本格ものを書いた作品だそうです。「殺すものと殺されるもの」の恐怖のあとだと、この本格ものは「いかにも普通のミステリ」かもしれません。(ちょっとだけオカルト?風味もあります)
登場人物たちの描写がなかなか良いと思っています。

でもこの本で、個人的に良いと思ったのは、後ろの解説。
マクロイの作品(未訳のものは特に)の解説がとても詳細です。
「幽霊の2/3」「殺すものと殺されるもの」の後に私生活で離婚しているので、執筆にブランクがある。未訳の作品に夫から突然離婚を言い出された妻の描写がものすごく真に迫っているといった解説があり、作品よりも「マクロイ」を感じさせるものになっていました。

解説込みでぜひ読んで頂きたい本です。

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新訳で読む「殺すものと殺されるもの」

やっと新訳「殺すものと殺されるもの」を購入。読み終わりました。
旧訳で読んでいるので、筋は分かった上で、記憶の中での旧版との違いを考えながら読みました。詳しくはまた書きたいと思いますが。

感想としては、「読みやすい」です。

・最初にエマソンの「ブラフマン」の詩があるのですが、旧版では気持ちとして「お経」だったです。分かりくい(格調がある?)けれど、本のテーマをよく現していたと思います。
新版→詩の内容が分かるのでOK。
・旧版:最初の方のある伏線が思いっきり目立っていまして、絶対これは・・・といきなり思ったんです。
が、新版では、そこはうまくちりばめられていた気がします。
ただ、再読だったためか、新版のせいか、「恐怖」が薄れてた感じがあります。
とりあえずの印象です。

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絶版ミステリ紹介「血まみれの鋏」(補足しました)

メモが見つかったので、内容を補足してあります。

ブルーノ・フィッシャー(Bruno Fischer) 「血まみれの鋏」:The Bleeding Scissors 
ブルーノ・フィッシャーは、「宝石」(ブレイク「ビール工場殺人事件」の乗っている号)でも読んだことがあります。基本的にはハードボイルド系の作家だと思います。
この話では、失踪した妻を夫が必死に探す展開がとてもよく描かれいました。また、脇役がいい味をだしてます。

主人公:レオ・エイキンが(ポーカーで負けて、社長:バーナード・ターヒュンに借金を申し込み。ターヒュンから、妻の浪費癖を何とかしろと言われ、ふてくされて家に帰る。
妻:ジュディスと同居している姉:ポーラ二人は「美人のラニヨン姉妹」と呼ばれたもと女優がいなくなっていた。
隣のクロー夫人が「イート」と呼ばれた男が二人を迎えに来ていたと証言。周囲は彼女たちが、男と駆け落ちしたとレオを慰める。しかし、レオは妻との間はうまくいっていたし、彼女が書き置きもなしにいなくなるわけがないと信じ、事件に巻き込まれたと確信する。

ジュディスは女優時代のことを言いたがらなかった。レオは女優時代にカギがあると思う。、姉妹を育てたエドナ伯母から、ジュディスが女優をやめたあと病気になってうなされていた「血まみれの鋏」とうわごとで言っていたと聞き、手がかりを求めニューヨークに行く。

レオとジュディスの結婚の経緯:レオは退役後、軍隊時代の上官:ターヒュンの会社に入る。ターヒュンはジュディスの姉;ポーラに夢中だった。パーティにジュディスにであったレオはすぐに結婚した。町ではレオは新参者。二人の女優時代の事は知らないし、知っているはずの周囲の人間も教えてくれなかった。

レオはニューヨークに行って二人を知っている人間を探し、ダシアという女性を見つけるが、彼女は警戒して何も話さない。また途中で探偵:フロリアン・シングルトンが自分をやとわないかと売り込んでくる。
そんな時、ポーラの死体で見つかる(事故のようにもみえる)が、ジュディスの行方は分からない。ダシアはレオに話があると連絡してくるが、ダシアも殺されてしまう。
「血まみれの鋏」事件が分かる。姉妹はバーレスクに出演していた。演出家レイ・ファーニーがジュディスにつきまとい、家に忍び込んできたためジュディスはファーニーを鋏で殺してしまった。証人もいたためジュディスは正当防衛で無罪。姉妹は女優をやめた。

で、ここからがジェットコースター 種明かし★
探偵のシングルトンが「イート」と分かる→レオはずっと見張られていた。
シングルトンは昔、ジュディスと一時つきあっていた。ポーラに片思いしているターヒュンとも顔なじみになった。パーティの時に、ファーニーが家に忍び込み、ターヒュンと喧嘩になり、ターヒュンがファーにを殺してしまった。
ターヒュンは金をばらまいて、事件をもみけし「女性の正当防衛」にした。姉妹もスキャンダルにあれば故郷のエドナ伯母が悲しむと思ってその条件をのんだ(口止め料はもらっていない)
ジュディスははレオと結婚してやっと人生をやりなおそうとしてた。しかしエドナ伯母の入院費などで金に困り、ポーラはターヒュンに金の無心をする。ターヒュンはポーラが自分になびかないのを怒ってシングルトンに二人を脅かす(一時的に連れ出すだけ)ように命令する。

シングルトンは命令通り二人を連れ出したが、ポーラは車から逃げようとして転落死。ジュディスはターヒュンの命令で監禁されている(ターヒュンはジュディスを殺せと言うが、そこまで悪人ではないシングルトンは彼女を殺す気はない。ターヒュンは真相に気づいたダシアも殺している)

シングルトンは(自分の手先に撃たれ)、それでも二人を逃がそうとする。「フロリアン・シングルトンは間抜けだ。大事な自分を助けるために、女の子一人片づけられないんだ」 と言います。
ターヒュンがレオとジュディスを殺そうと監禁場所にやってきますが、夫婦は武器を手にして 「ずっと一緒だ」と反撃をしようとするシーンで終わります。

・そのシングルトンのラストの改心 印象がとても強いです。

・妻が逃げたのに夫が全然疑われないのは???と思いますが、妻が行方不明になったと必死になるレオの心情がとても良く描かれています。
「宝石」にのっていた
「狂った手」という話も謎解きより話のラストのつけかたが印象的でした。

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絶版ミステリ紹介「吸い殻とパナマ帽」ジョン・ロード

おそらく復刊されないであろうミステリを紹介したいと思います。ネタバレ部分は★にしてあります。

「吸い殻とパナマ帽」OPEN VERDICT(評決の手前でまだ謎がのこされている状態のこと) 1956 この作品の探偵役はジミー・ワグホーン警部(最後の方にプリーストリ博士が警部の友人として出てきます)

事件はダンスタブルという工場の運転手が道で死体(殴られた形跡あり)となって発見されます。彼がすっていない煙草の吸い殻が落ちている&彼のかぶっていたパナマ帽が見あたらないという事件が。
ダンスタブルには娘(ジェニファー)がいた。彼女は、おさななじみの青年(マックス)としたしくしていたが、金持ちの青年:ケネスにいいよられ(工場主ロジャーの養子)秘かに婚約して。が、ケネスが養父の身内の娘と婚約したため婚約解消していた。
パナマ帽がケネスの家の近所でみつかったこともあり、ケネスに容疑がかかる。
殺されたダンスタブルはゆすりをしていたことがわかる。

ケネスは、工場主ロジャーの養子(ロジャーは子供の頃、弟妹にバカにされていたため身内に恨みがあり、孤児を養子した)で、養父母の前では「よい子」を演じていたが、実は金遣いが荒く、女性問題も起こしていた。
養父の身内の女性と婚約することで、すべては丸く収まるはずだったが、どうも、ダンスタブルに婚約解消のことでゆすられていたらしい。
周囲は、ケネスが犯人ではないかと思う。
ここで、びっくりな事件。ロジャーの家でケネスの婚約発表パーティがあり、一族が和解のために集まる→爆発がおこり、ケネスが死んでしまう。
容疑者&相続人のケネスの死。二つは別々の事件なのか?

さて、ネタバレ
★ ダンスタブルの事件の犯人は、もと娘の恋人:マックス。(事故)。娘が金持ちに振られたので、マックスに娘と結婚しないかと持ちかける→マックスに別の恋人ができているとしると、マックスが喧嘩で人をケガさせたことがあると相手の家にいいつける。イヤなら金を払えといい、マックスは怒ってなぐる→ダンスタブルの心臓が悪いので死んでしまった。
パナマ帽は、マックスが容疑をそらすため帽子を捨てた。

爆破事件の方は、犯人は工場主のロジャー:養子ケネスが殺人犯であると思ったロジャーは、妻を悲しませたくないと、ケネスを殺した。(ケネスはそれ以外にも、家に伝わる指輪を質入れするなど期待を裏切っていた)
ケネスが犯人でないと知ったロジャーは気が狂ってしまう。自分がやったことも忘れて、ケネスはいま出かけていると思っている。事件を立証することはできない。ロジャーの妻はケネスが死んだあともケネスはよい子だと信じていた。(夫の犯行だとも知らない様子)

最後のエピソードとして、ダンスタブルの娘:ジェニファーは、自分の父がゆすりであり、マックスは怒ってなぐっただけ。彼の罪ではないと、(ケネスのような男とはちがうと)マックスが刑務所からでてきたら、結婚を申し込むという話になっています。

ケネスはどうしようもない男だけど、殺人は犯していなかった。
妻にケネスの正体を知らせるくらいなら(殺人犯だとも思っていた)、と、ケネスを殺したロジャー。犯人が二人いるパターンのミステリではあるんですが、その動機が「家族愛」。
ロジャーは子供の時に家庭の愛に恵まれなくて、学校の親友ができて自信がもてるようになった(その親友の妹と結婚)。で、養子が夢のすべてでした。
もろかったロジャーと、父を殺されても、ゆすりの結果のお金でカフェを運営して、マックスの出所を待つジェニファーの強さが対象的でした。 
 ★
唐突感は否めないですが、それなりに楽しめました。

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クリスティーをしのぶ「クリスティーに捧げる殺人物語」

ミステリアスプレスのアンソロジーです。クリスティーへのオマージュ(?)アンソロジー。
クリスティーの雰囲気満載の短編。パーカー・パインもののようなしつらえのポワロ作品。
オリバー夫人の「フィンランド人探偵」
私が気にいっているのは「こぞって楽しいひととき」
御屋敷で不審な死が、「外国人紳士」(灰色の脳細胞とか言っている)が、調査をはじめる。
その一方、使用人達が、自分たちで推理をする。

粒ぞろいの作品がそろっています。
クリスマスにはクリスティーをのキャッチフレーズがありましたら、「クリスティーに捧げる殺人」ひととき心がなごむ本です。

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マクロイは「ひとりで歩く女」も必ず読んでね

「幽霊の2/3」(このクイズってたぶん、いやきっとあるんだろうなぁ→アシモフ(黒後家もの?)に「半分ゴースト」ってのがありませんでしたっけ?このクイズ(言い回しが一般的なら、半分ゴーストもあるよなと思っていますが)

に続き、もうすぐ「殺すものと殺されるもの」が出ます。この歴史的作品が出るのが楽しみです。(くどいようですが「水平線の男」を復刊して。訳が古くていいから、誤訳がある云々という話をきいたような気もしますが、そんなの本筋とは関係ないんですから・・・)

過去に、「冷徹な目 ヘレン・マクロイ」という記事を書いておりますが、この「殺すものと・・」セットで読んでいただきたい本です。
理由は、読んだ方には分かります。

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ちょっとクリスマス気分で「聖なる夜の犯罪」

オレンジの背表紙ミステリアスプレスのアンソロジー「聖なる夜の犯罪」シャーロット・マクラウド編というところがちょっと懐かしくて涙。
マクラウドの「クリスマスに保温カバー」を読んで、「プレゼント」探しの大変さを知りました。
ラブゼイ、スレッサー、ホックの作品は他にも収録されているような気がしますが、エリック・ライト、エルキンズをはじめとしてあまり短編が翻訳されていない(気がするだけ?)作家のクリスマスストーリーも収録されています。

この時期に読むとより楽しい1冊だと思います。

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