ミステリ_本

宝石(ジュエリー)じゃなくて貴重な「宝石」(雑誌)

実家にある本を整理していたりするのですが、古書店で買ったミステリ雑誌「別冊 宝石」(自分が生まれるより前の本だったりする・・)も、何冊か。。。。。

残念なことに(?)そこまで貴重な号ではない(ような気がする)&状態はかなり悪い。(十分に読めますが)
まだ、読みかけだったりしますが、さて困るのが、最終的な落ち着き先。
・自分で所持したいというものは少ない(と思う)
・古書店では、引き取ってくれないと思う。
・図書館に寄付しても良いのですが、状態が悪いので、場合によると廃棄?

好きな人はもしかすると読みたいよなぁ・・・と思うと、悩む「宝石」です。

 

| | コメント (0)

ゴシックロマンス、オースティン~クリスティファン必読「19世紀のロンドンはどんな匂いがしたのだろう」

ヴィクトリア朝の説明の本はいろいろありますが、この「19世紀のロンドンはどんな匂いがしたのだろう」は、一種の「有職故実」

日本にいたら(いや、きっとイギリスにすんでも)一生使わない言葉、王侯貴族に対しての呼びかけ方(王または女王:Your Majesty→これはきいたことあるぞ、国王の配偶者、子女、兄弟姉妹:You Royal Highness)、自分が貴族であるときの公爵への呼び方・・・・
社交界へのお目見えの方法とか。

身内以外が女性をファーストネームで呼んではいけない(婚約者はOK)とか、小説(もとがほとんどわかんないですが)を引用して説明しています。

ディケンズ、オースティンの時代から、クリスティの作品もその「御前様」とかあったような気がしますので、その何となくしか分からなかったことを、ちゃんとしるための本として有用です。

無くても別に困らないけど、あるととっても楽しい本です。

| | コメント (0)

楽しいリッチー「クライム・マシン」

「クライム・マシン」ボーナス・トラック付きですが、基本は再読。しかし、何度読んでも面白いと、あらためてリッチーファンになりました。

その一方、文庫を待つという気持ちを強くしてしまいました。

| | コメント (0)

一応読み切った「都筑道夫の読ホリデイ」・・・

分厚い上下巻。本来はゆっくり、あれこれとおもいをはせながら読むタイプの本ですが、なにせ図書館の本なので、駆け足で読みました。
例によって図書館の待合い室で・・・とか。
十三年の長きにわたる連載を、こちらとしては短期間で読むわけで、あ、これは前に書いているのに今は作者忘れて居るんだとか、年月を感じてしまいました。
それだけの長い年月の連載を本として読むことができるというのは、筆者にとっても、読者にとっても贅沢なことだと思いました。

言葉に対する姿勢の厳しさには、職業として当然なのかもしれまえせんが、驚きました。

ラストに近くなって、どんどんと、体力の衰えが伝わってきて、そして、奥様の急死。
連載も、終わりという形でもなく。。。
本当に最後の仕事だったんだなと少し切なくなりました。

| | コメント (0)

「幽霊の2/3」新訳

マクロイの「幽霊の2/3」を購入して、(すじは覚えているので)ざっと読みしました。

しかし表紙は「家蝿とカナリア」路線なのでしょうか、ちょっと味気ない気がします。「殺すものと・・」がおもいやられます。

すじを知っているせいなのか、再読のせいなのか、関係者の「奥さん達」の描写が昔より目立つような気がしました。
あと、最初に送るべき手紙を間違えてしまうシーンは、旧版の方がもっと切迫した感じがあったような(あくまで感じ)がします。

しかし、ベイジルがある人物の過去を探しあてるあたりには、唐突感があるなぁと思います。わたしとしては、これは「読後焼却のこと」のように、一種の「業界もの」と思っています。

今回のあとがきにもこの「幽霊の2/3」のゲームって本当にあるのか、とか一般的なのか?とか解説がなくて、残念でした。
「出たこと」に感謝の1冊です。

| | コメント (2)

懐かしの「都筑道夫の読ホリディ」

ミステリマガジンに長年連載されていたエッセー上下巻です。
とても分厚いので、通勤時にはちょっと・・・です。
今回も装丁はポケミス風→書店ではポケミスと一緒においてあるのではないでしょうか?

まだ、読み始めたばかりなのですが、内容については、あ、このエッセー(?)に記憶があるものや、あ、この本読んだなぁとか、こんな話も書いていたんだとか、さまざまです。

映画の話も出ていて、私の大好きな「生きていた男」の紹介で間違いがあると思っていたら、あとの記事でそれがきちんと訂正されていたりして、まさに「連載を読んでいる」実感があります。

ミステリの評価に同意したり、、自分がはっきりとは分かっていなかったんだけど・・・という事に対してきちんと解説があって、ああ、私が思っていたのことはこれだったのか。と思うものがあったりと、まだまだ途中ですが、楽しみながら読んでいます。

膨大な量のミステリをホントに読んでいたんだと感服しています。

| | コメント (2)

懐かしき「書斎の旅人」(読む時注意)

ハヤカワミステリマガジンのイギリスミステリに関する連載を単行本にまとめた本です。
まさに自宅で、イギリスミステリへの旅に出ることができる本です。

ヴィクトリア朝から第2次世界大戦後までのミステリの研究ですが、1930年代に転機があったそうです。つまり、「古き佳き時代」を知っていた作家と、それを「知らない」世代に別れるというような記述がありました(はず)→ああ、私が好きな作家はその昔を知っている世代なんだなぁと思いました。

この本は、91年に出版されています。
で、この本を読むと、(当時は、その後、本格派の出版ブームがあるとは思っていない=当然といえば当然)、微妙にブレイクの作品「死の殻」に言及していたり、「編集室の床に落ちた顔」のかなりの部分にふれていたり(はい、私は、「編集室」を読んでから、この本を読んだのですが・・・)
評論(?)なので、「ネタバレ注意」などの記載はないので、読む時は注意しながら読んでください。

| | コメント (0)

教養文庫のディヴァインシリーズ

もうすぐ創元から、ディヴァインの新作がでるようで、当然楽しみにしています。

教養文庫のミステリボックス(このシリーズは、結果としてカドフェルシリーズしか、他で生き残らなかったようなきがします)→結構良い作品がそろっていたと思いますが。

ディヴァインは、4冊出ました。
作品がそれこそ一作毎に変化するとても才能がある作家だと思いました。
(刊行順と執筆順は一致していないことを、後にしりましたが)

教養文庫のシリーズで、ちょっと「後味が悪い?」系のものもあったのですが、全体としては、好きでした。
創元から出版されている作品は、ウォリス家の殺人は、没後に出版(1981)の作品だということで、ずいぶんと最近(?)なんですが、「すごいけどなぁ・・・・」という部分が強くて、もちろん、次も読もうと思うのですが、じゃ、好きか?といわれると・・・?
な部分もあります。

次の作品を読んでみないとわかりませんが。
その意味で、ミステリボックスのディヴァインはすごく良かったと思います。

| | コメント (0)

「トレント最後の事件」から「鑢」(ゲスリン最初の事件)と「ゲスリン最後の事件」

「トレント最後の事件」といえば、「探偵の恋愛」(なお、このとき、ミステリに恋愛をもちこんじゃダメの決まりはまだなかったそうです)ですが、「探偵の恋愛」といえば、「ゲスリン大佐」じゃないでしょうか。
トレントは長編は「最初で最後の登場」ですが、ゲスリン大佐は数冊に登場してます。
登場が「鑢」→これ、徹底的にミステリのパロディ満載!最初が「誰が殺したクックロビン」(→というと、パタリロを連想しちゃいますが)から始まってます。

で、謎の殺人事件が起こる。主人公が、イギリス人とスペイン人の混血→うーん。このラテンの血が、情熱にむすびつくんじゃと思っちゃいます。
殺人事件を調査するために、赴くゲスリン→隣家の美女にあっさり一目惚れ。
トレントの場合は、一応「必死に恋心を隠す」わけですが、もうゲスリン全開。

トレントの後に読むと、ちょっとここらへんは、「笑い」とれると思います。
ミステリとしては、もう古典でした。

もう1冊ある(創元)「ゲスリン大佐最後の事件」(「エイドリアン・メッセンジャーのリスト」に改題)
ある謎のリストがあって、それに名前が載っている人物がかなりの確率で事故死している→さて・・・・探偵の登場ということになるんですが、ここでも「恋愛」がからんできているんです。はっきり言って、この恋愛は不要なんじゃ?とすら思うような熱愛。

「謎の事件の動機」は、プロローグにあたる部分で、これもあるいみかなりはっきりとした伏線(?)がはってあるんので、ああ、これは○○にも似たような話があったなと思ったりして読み進めます。

両方とも創元推理文庫で、新しい表紙になっているのですが、私としては、人物がカバー絵になっている方が、古めかしくて(内容にも一致していて)お薦めです。
今だからこそ、昔を楽しみながら読めるとも言えます。

| | コメント (0)

本格と考えると良い!「家蝿とカナリア」

ヘレン・マクロイ再読という事で、以前はあまり評価していなかった「家蝿とカナリア」を読んだところ→意外に良かったことが判明。
「ひとりで歩く女」に驚愕し、「暗い鏡の中に」「幽霊の2/3」「殺すものと殺されるもの」の雰囲気にひたった私は「マクロイ」はかくあるものと思いこんでいたのですが、
今回「家蝿とカナリア」を、純粋に本格ミステリとして読んだところ、謎解きをきちんとしていて、びっくり(失礼!)しました。

書き出しが「一匹の家蝿と一羽のカナリアとを仲だちとして-中略-殺人は解決を見たのだった。」→ちょっと、やりすぎ感あるのですが、それはそれとして・・・(この「カナリア」には無理矢理感ありましたが)
ベイジル・ウィリングが、舞台の初日に招待される。そして、その舞台上で本当の殺人事件が→この設定のびっくり(やや無理矢理感)を乗り越えると、きちんとしたミステリ世界が展開されてきます。

マクロイは、何かしら驚かせる作家です。
「死の舞踏」では、トリックは全然覚えていないのですが、その★ 動機の先進性に ★ 驚かされました。今回はその設定に。
設定が驚きですが、推理は本格。
マクロイには驚かされっぱなしかも。

「歌うダイヤモンド」の中に、「人生はいつも残酷」という短編があります。
この「人生はいつも残酷」というセリフは、マクロイの登場人物達につきまとっているような気がします。

| | コメント (0)

マクロイ「歌うダイヤモンド」から「鏡もて見るごとく」

マクロイの短編「鏡もて見るごとく」は、長編「暗い鏡の中に」の元になった短編です。
短編は今は「歌うダイヤモンド」収録されているので、読むことが可能です。

主題が同じなので、長編の復刊が難しいかもしれないと思います。
ミステリとしては、短編の方が、すっきりとしていると思います。

長編については、以前書いたのですが、短編にはない雰囲気があります。
その雰囲気を出すために長いとも言えるのではと思っています。

「彼女」の生涯を明らかにすることによって、暗い雰囲気が醸し出されて今指す。
しかし何よりも、長編は最後が違うわけで、★ 犯人を裁くことはできないだろう  ★ なのではと思いました。

| | コメント (0)

「水平線の男」の復刊希望・・・

創元の今回の記念的な復刊(新訳だけど)フェアですが、
やはり、このタイミングで「水平線の男」の復刊が必要なんじゃないかと思います。
できれば訳はそのままで。

何故かというと、(マクロイの2作もどんな風に訳されるのかがちょっと不安なんですけど)あの、古めかしい雰囲気こそが良いような気がしているので・・・(たしかに誤訳があるとはいわれてますが、手がかりについての誤訳ではないはずなので)

新しく訳されると、「気が付いてしまうこと」がでてくるような気がするんです。
あとで、「あれは伏線だったんだな」と思う事が、「今の視点」で読むと気が付いてしまいそうで・・・・
あと今のうちに復刊しないと(もうとっくに古い作品ではありますが)、「古い」ものになってしまうので、ぜひこのタイミングと思います。

ちょっと、あやういので反転させて書きます

★  当時としては、かなり、ものすごい作品ですけれど、「現代」において、そこまで「すごくはない」のかも   ★ と、思うからです。

| | コメント (0)

「メリリーの痕跡」の感がある「夜の闇のように」

ハーバート・ブリーンの「ワイルダー一家の失踪」は、その雰囲気がすごく好きなんですが(ミステリとしてはどうか?という指摘はいろいろあるのですが→そこらへんは「メリリーの痕跡」の後書きにすごく詳しいと思います)

探偵役(?)レイノルド・フレームの2作目の「夜の闇のように」は、読心術はでてくるは、社交界(といってもあるグループ)はでてくるはと、「ワイルダー」とは違う系譜の作品です。

「メリリー」が良かった人にはお勧め、「ワイルダー」が良かった人は、その次の「もう生きてはいまい」がお薦めです。(最後の「時計は十三をうつ」は全然ちがった記憶しかありません)

「ワイルダー」の方は、ちょっといろいろと書きたい事があるので、今度また書きます。

| | コメント (0)

心待ち「マクロイ復刊」

8月にはマクロイの「幽霊の2/3」が新訳で復刊されます(「殺すもの・・・」は秋でしたか?)
個人的には、旧訳のあの趣満載の訳で十分楽しめる気もしますが、何分にも古すぎか?というきらいはありますので、新訳でどのように訳されるのかというのも興味があります。

マクロイの翻訳ものは、一応絶版を含めてかなりクリアしているはずなのですが、今、予習をかねて再読モードに入っています。
「幽霊の2/3」では作家というものに言及していますが、「読後焼却のこと」でも、作家業についていろいろと描写があるので、読むのも面白いと思います。

マクロイについては、私は基本「冷徹な目」と思っています(その代表が「一人で歩く女」)あと、とても目の付け所が新しい作家だったと思います。
その意味で、個人的には評価が低かったのですが「家蝿とカナリア」も再読してみるつもりです。

名作の復刊で心しておかなくてはいけないのは、いつ頃に書かれたかという事だと思います。
今の視点ではなく、当時の雰囲気ごと楽しむことが一番必要だと思います。

| | コメント (0)

嶋中書店のシリーズは水準が高かったんだなぁ

嶋中書店版「トレント最後の事件」を読みました。
「トレント・・」自体は昔に読んでいて、筋は分かっていますし、ポケミスでもってもいます。
嶋中書店版は、「持っているけど、読んでみよう」という気持ちで読み始めました。

字も読みやすいし、訳が古いかと思っていましたが、読みやすい。(表紙の趣向もgood)
買っておいて良かったと思いました(涙)

このグレート・ミステリシリーズは、もう新刊では入手できないので、みつけたら買いだと思います。お薦めします。

| | コメント (0)

しゃれた会話の「メリリーの痕跡」

「ワイルダー家の失踪」(これすごく好きなんです)で有名なハーバート・ブリーンのミステリです。

絶世の美女:映画スターのメリリーが、豪華客船でフランスにお忍びで渡航しようとしているのですが、自分に予知能力があると信じているメリリーは「海の上に行ってはいけない」という母の予言を信じている。また、自分が、「いつか首をつった男をみつける」という事をおそれている。
主人公:雑誌記者のディーコンは、メリリーを見守るべく同じ船に乗り込んでいる。
そして・・・

最初の登場人物達の会話に、マーロン・ブランドとかグレゴリー・ペックとか、「知っている映画スター」が出てくるので、あれ?これって、そんなに最近の時代を描いているの?とおもってしまいました。
ワイルダー一家が、古い街での閉じた世界という感じだったので、つい、時代設定も、第二次大戦前だと思いこんでしまっていたんです。禁酒法の時代の華やかさを感じさせます。

ブリーンについて、「ワイルダー」は、最初はいいけど・・・という話もあるのですが、私は、あの雰囲気が好きでした。今回の作品も、ちょっと、つっこみどころはあるんですが、
船の他の客がわかりにくいとか、ある重要な (ここから★ ★で反転) こと
★ ある重要なセリフがあるんですが、それに傍点がうってあるんで、原書のせいかもしれないんですが、えー、これはないと思いました    ★ あって、うーんと思っちゃいました。
でも、楽しいミステリです。
  

| | コメント (0)

どっちがモートン 「本物のモートン」と「鏡の顔」 イネス

マイケル・イネスのアップルビイものに「本物のモートン」Was He Morton?  作品があります(事件簿所収) この作品を最近再読した時、絶対にミステリマガジンで読んだ記憶がありまして、いろいろ検索したのですが、この短編がミステリマガジンに収録していたという情報がない・・・・

でも、私には絶対読んだという核心が・・・
で、イネスのミステリマガジンに掲載された短編のタイトルを調べてみたんです。
そうしたら「鏡の顔」  A Test of Identity という短編がありまして(86年9月)
タイトルが「本物のモートン」の内容と結構合っている。別タイトルであっても不思議はないと思い現物(雑誌)をチェックしたところ、当たり!

今文庫の方がすぐに出てこないので、詳細なチェックはできませんが、登場人物もモートンだし、基本ラインも同じ。
記憶違いじゃなかったと、ぷち発見した気持ちです。

| | コメント (0)

できそうに思えちゃう「二役は大変!」ウェストレイク

ぷちウェストレイク追悼特集(?)
「二役は大変!」(ハヤカワミステリアスプレス→ノンシリーズものなので、再刊は難しいだろうなぁ・・・・)
主人公(アート)が、双子のふりをして、双子の美女と・・・・(コリアも同じ主題で書いてますが、あちらのロマンチック(?)な雰囲気はかけらもない!ウェストレイク主人公は凄腕)

俺(アート)は、パーティで知り合った美女:リズが双子だって言うので、つい「俺にも双子の弟:バート」がいるとウソをつく。
で、リズの妹:ベティー(うり二つ)の前に弟:バートとして現れたら、ベティーから結婚を申し込まれる!実は姉妹は大金持ちで、お互いに遺産を巡って訴訟をしていた!

30年以上前に書かれた作品です。
現代の携帯メールがないから成り立つ部分はありますが、そこを除くと、成立しちゃいそうな感じがするのが、ウェストレイクのスゴイとこだと思います。
「アートとバートが一緒にいる状況」が偶然つくりだされちゃったりして、ものすごい綱渡り状態です。
アートは、よく考えると悪人なんですが、姉妹・悪役弁護士の強烈さで、アートが悪人に思えないで読み進んでいきました。

ジェットコースター小説でした。

| | コメント (0)

一種のゴシックロマン?「死がかよう小道」ドロシイ・キャネル

現代教養文庫「ミステリボックス」(ああ、このシリーズって水準すごく高かったのに、行きのこったのはカドフェルだけ?)の1冊です。

主人公のテッサは捨て子で、優しい牧師さん夫妻に育てられて幸せに(捨て子だって、村のおかみさん達に陰口をたたかれたけど)育ちました。
偶然、自分の出生の手がかりに通じるかもしれない館の存在を知ります。

その御屋敷には老婦人の姉妹が住んでいて(ハイヤシンンスとプリムローズ)、テッサはその姉妹に近づくために、「暴漢に襲われそうになり、記憶喪失に陥った乙女」のふり(暴漢はもちろん協力者)をして、うまく御屋敷に入り込みます。
この部分のテッサの思考は、ほとんどクリスティの初期の「お嬢様が探偵ごっこ」をするパターンのようではあるのですが、文中に「ダイアナ妃が」とかでてきますので、まったくの現代ものです。
自分の出生の秘密を知ろうとするテッサ。御屋敷での生活はそれなりに快適。村に破片人が多いけど。。。そんな中で、殺人事件が!
事件の謎解きと、出生の秘密と、あと、喧嘩ばかりしている初恋の相手ハリーとの恋の行方は?
といった感じで、現代のイギリスを舞台にしていながから、「時間がとまったような村」での事件を楽しく描いている。ある意味ゴシックロマンスミステリです。
老姉妹がとっても良い味だしてます。
ミステリボックスは当然ながら絶版ですが、入手自体はそんなにむずかしくないと思いますので、探してみてください。

| | コメント (0)

子供向き?「アップルビイ警部の事件簿」

マイクル・イネス 「アップルビイの事件簿」は創元推理文庫からでていましたが、こちらは、勉誠社から出た「アップルビイ警部の事件簿」です。

「アップルビイ最初の事件」少年だった彼が、後に警官を志すに至った事件からはじまっています。この事件は「ミニ・ミステリ傑作選」にも収録されています。
文字も大きくて、ちょっと子供向き?とう装丁ではありますが、内容はきちんとしたミステリです。(今は残念ながら絶版ですが)
最近いろいろイネスの翻訳(長編)がでていますが、短編も読んでみたいかたは、探して見て下さい。

| | コメント (0)

イギリス・ミステリ傑作選 あれこれ

全部揃いでもっていますが、再読。
アメリカ探偵作家クラブ傑作選との大きな違いは、アメリカの方は「主題」があること、イギリスは「年」での傑作選だということで、そのせいで、「アメリカ」の方は趣向があって、楽しめるが、イギリスの方は、私にとっては「当たり」(「探偵をやってみたら」とか「伯父さんの女」とか)の時と「はずれ=暗いなぁ」というのがあるってことです。

概して、アメリカの方が娯楽というか「さあ、楽しんで」って感じがあって、イギリスは「質の高い作品を提供してますよ」って感じです。
ポケミスにも「現代イギリス・ミステリ傑作集」1-3があります。これも質は高いけれど、やや暗めかなって思う部分があります。傑作集に関しては、またご紹介します。

| | コメント (0)

リレーミステリ「漂う提督」

「リレー」つながりですが、もう今は廃れた(?)ミステリに「リレーミステリ」があります。
複数のミステリ作家が、「リレー童話」(?)形式で、ミステリを書いていく。
「共著」ではないので、相談なし。
→それって「まとめ」の作業が大変ですよね。きっと。
漂う提督は、クリスティー、セイヤーズ、チェスタトン、クロフツ、バークリーなどなどそうそうたるメンバーで書かれています。 

一応「背表紙の作者:クリスティー他」になっているはずなんですが、クリスティー文庫にこれ入ってないような気がします。

| | コメント (0)

恋のロンド ポーラ・ゴズリング「ブラックウォーター湾シリーズ」

ポーラ・ゴズリング(この前ポケミスチェックしたら結構絶版だったん)は、基本的には明るい作風で基本的にはハッピーエンド(?)(殺人事件にハッピーエンド?とつっこまれると困りますが)なので、結構、お気楽に読める作品が多いです。

で、シリーズキャラクターにジャック・ストライカー警部補、マット・ガブリエル保安官がいるのですが、このシリーズを個人的に恋のロンド形式と名付けています。

ストライカー:「モンキー・パズル」で登場(ある人物と知り合う)→「殺意のバックラッシュ」(ストライカー+ある人物)→「ブラックウォータ湾の殺人」(ストライカー警部補がブラックウォーター湾に遊びに来て事件に遭遇&その土地の保安官がマット)→「ハロウィーンの死体」(マットもの)→「すべての石の下に」(マットものただし、窮地のマットを前作の登場人物が助ける)→「死の連鎖」(ストライカーもの)

作品の特徴として、前作の登場人物が次の作品で重要な役割を果たす。毎回新しい恋人たちが登場する。基本的に恋愛はハッピーエンドになる。
恋のバトンが次々と渡されていく感じがあります。

映画「輪舞(ロンド)」は、恋の悲喜劇(?)ですが、こちらは(殺人事件は別として)恋愛に関しては、ロンドというより、リレー形式といった方がよいかもしれません。

筋もしっかりしているので、安心して読んでいられる作品です。

| | コメント (2)

アメリカ人の考える古き佳きイギリス「ペニーフットホテルの受難の日」

ケイト・キングズバリーの新シリーズです。
第一次世界大戦前の古き佳きイギリスの海辺の田舎町にひっそりたたずむ高級ホテルペニーフットを舞台にしたミステリです。
実際にかかれたのは1990年代ですけど。

読み始めた時に、なんとなくアメリカ人が書いたんだと思ったんです。
イギリスの描き方とか、上流階級の夫人の描き方とかが、実際の作者はロンドン生まれ、結婚してアメリカに渡って、ずっと後に(もうアメリカの生活が長いはず)本を書き始めたとのことなので、アメリカ人と行ってもよいかなと思っています。

話としては、きっちりとして安心できるミステリです。(犯人はもうすぐ分かります)
シリーズの続きが楽しみなミステリでした。

| | コメント (0)

ミステリ雑感「古典」を読むと言うこと

ミステリマガジンの記事の話を友人として、昔は「創元推理文庫」のクイーン、クリスティ、クロフツとかから入ったよねぇ~と、なりました。
昔は、「名作一覧」のような「これを読むべしリスト」があって、それをクリアすることになっていたような・・・・自分に合う傾向の作品、作家を見つけていったという話になりました。

そして、一昔に前に結構話題になった日本のある作品に関して二人の一致した意見が、「○○かな?と思ったけど、それってある名作でつかっているトリック(?)なので、まさかそんなことをやるわけないとおもったら、○○だった=その名作は今はもう有名では(流行では)ないので、みんな知らない? つまり、私たちが古いらしい」という事でした。

かなり、昔的には、「使い古された感」がある○○だったので、すごく意外でした。
似たようなことが、サラ・パレツキー(だったと思いますが)の最初の作品で・・・
主人公の女性探偵自体は画期的ではあったのですが、ストーリーとしては、某有名な作品の男女を反転させた感が否めなく、途中で筋自体は分かってしまいました。

時代的な要請もあったのただと思いますが・・・・

自分は、「昔の作品」が好きなので、「すたれた古典」はかなり読んでいるつもりです。
なので、つい、当然ミステリファンは古典を読んでいると思いこんでしまっているふしはあります。時代にとりのこされてしまっている感はあります。

| | コメント (2)

やっぱフィルポッツとんでも説「探偵小説の世紀

実家においてあったアンソロジー数冊を持って帰り、一気読み。
分厚い「探偵小説の世紀」上下・・・やはり、ちょっと古めかしい。
印象に残ったのが「鉄のパイナップル」フィルポッツ。
「何かにとりつかれやすい(妄想しちゃう)男」の話ですが、これをよんで、石上三登志「名探偵のユートピア」にもあった、フィルポッツとんでも説を実感。

「赤毛のレドメイン家」ってしごくまっとうですが、その他の「溺死人」「灰色の部屋」「テンプラー家の惨劇」「医者よ自分を癒せ」「怪物」(って読んだのがこれ全部なんです「駒鳥」はさぐがに入手できず)は、「おいおいおいおい」とつっこみどころ満載です。

ぜひ読んで頂きたい気持ちでいっぱいです。

「赤毛のレドメイン家」では、であえないフィルポッツにあえます。

| | コメント (0)

ホントに多才「ウェストレイクを忘れない」

ミステリマガジン6月号がウェストレイクの追悼特集でした。
ホントにウェストレイクって多才だなぁと思う主人公ラインナップ。
私はハードボイルド系は苦手なので、どちらかというとユーモア系 ミステリアス・プレスのシリーズとか、「弱気な死人」とかが結構気にいって読みました。

ポケミスで「やとわれた男」とかも読みましたが・・・・

今回は「ドートマンダーのワークアウト」が一番楽しかったです。
しかし、今回の追悼特集すごく力がはいっていたような気がします。
ホックの時も(そりゃ作品数がものすごい多いけど)、これくらい力をいれてほしかったなぁ。。。って、例によってグチっちゃいます。

| | コメント (0)

補足「非実体主義殺人事件」

えーと、「後書き」は結構面白かったんです。
黄金期のミステリ作家にもヴィクトリア朝に親しんだ世代とそうでない世代で違いがある。
「旧世代へのノスタルジアのあるなし」だそうです。
あとがきによると、階級制度の崩壊により、「大学という狭い世界の作品をかいていたエドマンド・クリスピンの作家生命が短かった」とか・・・

クリスピン好きなんで、それを知ると残念です。

しかし、この「非実体主義」、芸術運動の部分をごっそり抜かして(?)普通のミステリと考えたら、○○だったら、きっときっちり安心できる作品にしあげてくれたろうなぁなどとおもっていまいました。

| | コメント (0)

本人が絶版にした気持ちが分かる・・・「非実体主義殺人事件」

論創海外ミステリも85冊目になってました(海外ものは基本全部読んでるはず・・・とちょっと感動してます)
さて、ジュリアン・シモンズ「非実体主義殺人事件」「そこに存在しないものの価値を見出す芸術集団の展示会での殺人事件」・・・紹介で、かなり「引いた」のでした。
もともとジュリアン・シモンズの作品は苦手です。
はい、「二月三十一日」すごいと思いました。(好きか?といわれると?ですが、「一読の価値はあるような気がする・・・」ではあります。
「狙った椅子」は、謎解きよりもラストの心情の方が良かったです。
人間の心を描くってのは巧いんだろうなと思いました。

でもジュリアン・シモンズ(サイモンズ名義になっていますが)「知られざる探偵物語」が一番良いと思います。あのクイーンの分析は白眉とおもっています。
シモンズは作家よりも、やはり「ミステリ史」という気持ちです。

で、この作品ですが、最初の作品で、どうも目指していたのは「ユーモアミステリ」だったそうです。が、しかし・・・・読みにくかったです。
語り手が章ごとに代わり(罪のないアメリカ人語る・・・とか)ってゆうか、「非実体主義の遊び心」が理解不能なのが原因かもしれません。
とにかく、とばし読みしてしまいました→それでかえってわかりにくいという悪循環

後書きを読んでいろんな事が(ユーモア云々とか)なっとくできました。
しかし、その後作者の意向でながく絶版になっていたのは、分かる気がします・・・という結果でした。

| | コメント (0)

ニッキーあってのドラマ「死せる案山子の冒険」

エラリー・クイーンのラジオドラマ集です。
ミステリとしてより、雰囲気を楽しむのが主眼。

トリックに検討がつくものもあったりしますが、ご愛敬という感じ。
やはりラジオドラマは、「ニッキー」がいないと・・・です。

| | コメント (0)

読み物として面白かったけど・・・ぐちゃぐちゃすぎ「死者に祈りを」ケラーマン

フェイ・ケラーマンの最新作「死者に祈りを」を読みました。
天才外科医が殺されてる。

非の打ち所のない家族、素晴らしい仕事、一体何が?
で、お決まりのように「実際は・・・・」なんですけど、

読み物としては、リナとピーターシリーズとして、いつもより波乱があったような気がするんですが、登場人物もすごく多い。
各人の「ドラマ」がてんこ盛りすぎて、話としては「面白い?」けど、ちょっとご都合主義すぎないか?とは思いました。
前回の「正義の裁き」よりは良かったですが。

昔から知っているシリーズなので、とりあえずチェックという感じです。
今回の本に関しては、「昔」に言及しているので、過去の本を読んでいる方が分かりやすいと思います。

| | コメント (0)

「ツグミの巣ごもり」=「安楽椅子の男」だったのね「犯罪文学傑作選」

実家から運んできた本を読み返してます。

創元のアンソロジー「犯罪文学傑作選」:文学と銘打っていますので、ミステリ作家より、やや文学より(?)の執筆陣。
かなり忘れて居るなぁ~って読んでいたところ。

あ、サーバー「安楽椅子の男」がある。
と思って読み始めたところ、すぐに「ツグミの巣ごもり」だと判明。
これ、素晴らしい「完全犯罪」だと思って居るんですが。

「ツグミの巣ごもり」=ぬくぬくとしている(たぶん)=「安楽椅子の男」って事なのねと・・・
昔から「ツグミの巣ごもり」って何なんだろうと思いつつも調べることなく今にいたってました・・・

この言葉は、文中では「野球用語?」(南部?)云々って扱われていまして、すごく意味が分かりやすかったんです。「空中ブランコにのる中年男」では「最高にゴキゲンなこと」と訳されていたので、主人公の性格と???なところがあったわけですが。
ずっと持っていたはずの本ですが、読み返して、ちょっと得した気持ちです。

| | コメント (0)

クリスティーまとめて1冊「アガサ・クリスティー読本」

早川ミステリマガジンの増刊号?(ちょっと雑誌のような体裁なので)と思ったのですが、古書店で購入。
(今はハードカバーで新版がでているようです)
クリスティ作品への、作家の批評(?)、作品解説などあって、ある意味これ1冊あると、文庫シリーズに匹敵か?というコストパフォーマンスが良い?本でした。

| | コメント (0)

ただただ驚嘆「地獄の読書録」

「横溝正史読本」から、小林信彦チェックで、「地獄の読書録」を数年ぶりに再読。
その読書量にただただ驚きでした。
こんな本が昔に出ていたんだとか、別なタイトルで出されていたんだとか、
今の私たちは知っている本が(絶版がかなりありますが)、新刊で翻訳されている過程を知る事ができるわけです。

なにより、え、そんな出版社からミステリでてたの!って思わせる情報に、読んでみたいなと思ったりというのがごちそうかもしれません。

この本もあまりに情報量が多いので、まだ読み終えていないぞ状態ですが、たぶん図書館にはあるとおもいますので、昔のがお好きな方は、読まれるのをお薦めします。

| | コメント (0)

ディープ「横溝正史読本」

ふと思い立ってずっと前に買った(最近復刊されましたが)「横溝正史読本」(文庫)を再読。
なにげに・・・だったんですが、読み始めると面白い面白い。
横溝正史が語る昔の原書で読んだ海外の原書の話とか、昔の日本の推理作家達のタイムリーな話(そうか「殺人鬼」書いた浜尾四郎って、やっぱり浜尾侍従長の身内(お父さん)だったのかなどなど。

本陣殺人事件のトリックは、いろいろ実験したとか、ある作品から、獄門島を考えついたとかなどなど。
昔読んだ「横溝本」の数々→かなり忘れました。
ああ、こんなのあったわねぇ&海外のミステリとかとても懐かしく楽しかったです。

| | コメント (0)

リー・スローカム閣下再び!「検死審問ふたたび」

リー・スローカム閣下 最高!と読んだ「検死審問」から、一年。
閣下再びの登場となります。(でも、この続きは、残念ながらないんですよねぇ~)

今度は、村に引っ越してきたばかりの作家ティンズリーガ火事で焼け死んでしまった事件。
3ドルの日当は大切な収入源とばかりにみんなで頑張る陪審員たち。
こんかいは新にインテリを自認するイングリス氏も加わっての混戦模様・・・・

ミステリとしては、慣れた人だと早い段階で、あることに気が付くとは思います。

が、これは謎解きミステリではない!
楽しむミステリ。証人の証言、イングリス氏のこっそりつけた(?)コメントを含めて、楽しむながら読むべきミステリです。

久々に心底楽しいミステリでした。

| | コメント (0)

よくぞここまで、好きこそものの・・「私のペイパーバック」

「新パパイラスの舟」でお世話になりっぱなしの小鷹信光御大の、秘蔵のペイパーバック紹介本です。

「この方、日本在住なんですよね?」と言いたくなるほどのコレクション。
そりゃ、今はネットで色々買えますが、そんなものがないほど大昔からのコレクション。

ただただ脱帽!心底好きなんだなぁと感服する一冊です。

| | コメント (0)

読みかけ本(積ん読?)

なかなか読めない本。
「新パパイラスの舟」はあの重さがネックとなり通勤で読めない(&内容的にはじっくり読みたい)ので、病院の待ち時間で読む事にしています。
そのため、まだまだ読み終わっていません。
この本は読み終わったら、たぶん紹介されている短編をチェックする事になり、ある意味「読み終わらない本」になるでしょう。

「天外消失」
「37の短編」の抜粋→でも買っちゃった。しかし、全部既読かと思うと今ひとつ。でも、よまなくちゃ・・・です。

「都筑道夫 ポケミス全解説」
これ書店ではポケミスの棚にあり(出版社違います)笑いました。
しかしなかなかのお値段でもあり、あと、「解説だけ読んで面白いのか?」という気持ちもあり、図書館にあったのを幸い借りてきて、今、読んでます。

あ、これはポケミスとで持っている(読んだ)とか、これは読んだけどポケミスでは読んでない(出てたんだ)などと、認識を新たにした本も沢山あります。
そして何より、これってもう絶版。。。という本が沢山ありました。
ポケミスで絶版でも、他で読むことができればいいんですけどね。

うーーん。ちょっと寂しくなるような「全解説」であったりもします。

| | コメント (0)

祝 復刊!(予定)マクロイ

東京創元社の50周年記念復刊リクエストで、(えーとリクエストをするまでもないとは思いますが)マクロイがぶっちぎりトップだったそうで(冊子にかいてありました)

秋には、新訳で復刊されるそうです。(あの古めかしい訳は結構好みなんですけどね、「殺すもの・・」なんて、最初が「お経」→正直、驚きました)
マクロイ絶版三部作のうち2作が復刊。こうなれば、きっと、早川のもでるわよね(と、淡い期待)

しかし、その他にもヘキストの「駒鳥は・・・」(これ、図書館にも無く)とか、どう考えても、リクエストが多かった作品があるはずなんですが、冊子で言及されていない本はどうなんだろう。

期待がいっぱいの秋の復刊です。

| | コメント (4)

ダルジール警視(ドラマ)がはじまった・・わくわく

ミステリチャンネルで、ダルジール警視シリーズがはじまりました。

感想、ダルジール(本当の発音は違うそうですが、もう私は「ダルジール」でおぼえちゃってますんで)は、もっと太っていると思っていた。
パスコーはもっと「エリート」ぽいのかと、エリーはもっと、「活動家タイプ」なのかと思った。

TVドラマにするときは、ある程度フィルターをかけないとね・・ですから。
見たかったシリーズなのでうれしいです。で、このシリーズ(ポケミスがどんどん厚くなっているよな・・・)大部前に読んだわけですが、ダルジールのキャラが印象的すぎて、ストーリーがあまり残らない。「薔薇は死を夢みる」は、登場人物のキャラが強かったので、ちゃんとおぼえているんですが、ミステリとしてより、「シリーズ」として楽しんでいるってことろです。

で、TV化の恩恵として、ストーリーが分かりやすくなっている。おぼろげにおぼえている話が、分かったような気になるというところです。(しかし、記憶が曖昧なので、TVドラマと原作が一致しているかが分からない:モース警部シリーズとか、わざと変えていたようですし)のが、今ひとつ気になるところでした。

| | コメント (0)

演劇と言えば 忘れられた俳優 チャールズ・パリス:サイモン・ブレット

前にも書きましたが、「売れない俳優探偵:チャールズ・パリス」のシリーズがあります。

彼は、売れない俳優(だって俳優なのに、職業あてクイズに出たりするんですよ)で、たまたま事件に巻き込まれて、何となく(?)解決してしまいます。

彼は離婚した妻に未練たらたらなのに、生活を改めようとはせず(生活改められるくらいなら、こんなことにはならない?)
あいもかわらず事件にまきこまれていきます。

「演劇的」ではなく、演劇界そのものが舞台の作品です。
TVの裏側とか描いてあって、面白く読めます。「事件」そのものより、周囲の話が楽しめるという作品です。

作者はこのシリーズではない作品を書いていて、(もちろん未訳作品はありますが)翻訳ももう出そうにないのが、残念です。

角川文庫とポケミスとという風にシリーズなのに別々の出版社で出たのも、アンラッキーだったのではないかとも思います。

| | コメント (0)

演劇的 スレッサーの長編「殺人鬼登場」

スレッサーといえば、短編の名手。
長編は2冊「グレイフラノの屍衣」とこの「殺人鬼登場」

「グレイフラノ」は、今の感覚だと「サラリーマン小説」(というか、現代社会の方が厳しいはですよねきっと) 社会人になってからの方がきっと分かる小説だと思います。

「殺人鬼登場」の方は、私は昔読んだ時は、ふーーん スレッサーぽくないなぁ という感想しかなかったのですが、再読したら、すごく面白く感じました。

「殺人鬼登場」というタイトルからだと、連続殺人もの?という感じですが、(原題は Enter Murder なので、)「殺人事件に巻き込まれる? とか 殺人者「登場」とかが近いのではないでしょうか?
実はよみ進んでいくと、この「殺人鬼登場」というタイトルにも深い意味があると思い至りました。「役者たち」が深く関わっているので、とても演劇的でした。

個々の部分はスレッサーの短編に出てきそうなものがありますが、全体の雰囲気はスレッサーぽくないんです。別人のようです。こんな作品も書けたんだなぁと思いました。

後味はあまりよくないのと、ちょっとだけ主人公(?)に都合が良すぎないか?とも思いましたが、こんなスレッサーもありという作品です。
つかみはばっちりですし、トリックもすごいです。

| | コメント (4)

長年のつきあいが凝縮「サイモン・アークの事件簿」

ホックの短編集「サイモン・アークの事件簿」1
個人的には、レオポルド警部を先に出してほしかったんですけど。

表紙のイメージが私が思っているサイモンと違うなぁ・・・と思いました。
内容は、サム先生とはちがって、ながーーい 連作から適当に年月をおいてピックアップしていってました。
既読の作品がちらほらと・・・

面白かったのは、語り手の「妻」のシェリーが、(サイモン・アークがある意味 縁結びだったりするのに) 年をとって引退年齢になったら、「まったく、すぐサイモンとでかけちゃうんだから」と、フツーの奥様になっていたことです。

ミステリとしては謎解きは例によってホック安定してます。
他のシリーズ探偵も出してほしいです。

ホック全集 希望します

| | コメント (2)

クリスティ風味が加わったカー?ポール・アルテ「虎の首」

「フランスのカー」という謳い文句のポール・アルテですが、はい、今回の密室は、カーがとってもよろこびそうな犯罪でありました。

二つの事件(?)が交互に書かれていくという形式と、そのトリックなどなど。

個人的には、トリックじゃない部分に、クリスティの雰囲気を感じました。
カーだと、あまり書かなかったんじゃないか?というような人間模様があったんです。

カーが書いてないと断言はできませんが、どちらかというと、クリスティが書きそうな事が・・・ これ以上はナイショ

| | コメント (0)

後で心に残ったけどタイトルが分からない短編

カテゴリに「ミステリ_短編」を追加してみました。

過去の記事に関してはそのままにさせていただきます。
ミステリマガジンのバックナンバーを読んで、面白かった短編があるのですが、ちゃんとメモをとらずにいたので、タイトルとか分からないで後悔しているものがあります。

印象的だった短編を時々紹介したいと思います。
もし、タイトルご存知の方がいらっしゃれば(ヒントでもかまいません)

教えて下さいね。
------------

うろ覚えなのですが・・

主人公(男性)は、学生で、個人美術館(博物館?)の係員をしている。
(その美術館(もとお屋敷)には、かつて指輪が紛失したという事件があった。)
主人公は、美術が好きなので、こっそり(職権を乱用して?)夜に居残りをして、美術品を一人でみてたのしんでいる→それが、ばれてクビになりそうになる。(クビになったら学費が払えなくなる)
どういう経緯があったのか忘れましたが、彼が、失われた指輪を推理して見つけ出して、ハッピーエンド(指輪には懸賞金がかかっていたので、彼の学費はそれでまかなえる)

読んだ時はふーんとだけ思ったのですが、あとになって、意外に雰囲気があって良かったなぁと思いだしたりします。
あら筋だけなので、雰囲気が伝わりませんが・・・・

詳細は覚えていないのですが、たしかお屋敷にこもっている令夫人がいたような気も・・・
雰囲気があった記憶のみです。

| | コメント (0)

待合室で読む「新パパイラスの舟」

「新パパイラスの舟」は、読むのが楽しく かつ 読み終わるのがもったいないと思わせる本ですが、「重い」
じっくり読みたいこともあるのですが、その重さで、通勤では読めないんです。

結果として(?)、病院で待っている時に読んでます。
病院って、待たされますよね。
この本のおかげで待つのも苦にならなかったです。
でもあたりまえですが、読み切らないので、続きはまた別・・・

| | コメント (0)

デュ・モーリアにトライしようと・・・

デュ・モーリアは「レベッカ」と「鳥」が有名ですが、私にとっては「レイチェル」(というより「愛と死の記録」&映画「謎の佳人レイチェル」)の方が印象深かったんです。

ずっと前に、夫が古本市で数冊デュ・モーリアを購入してくれて、ざっと読んだのですが、最近になって、再読しようとしています。

ある意味ゴシックロマンでもあり、大河ロマンでもあります。
しかし、ある意味で代表作なんじゃ?と思う「情炎の海」がAmazonにタイトルもない(世界大ロマン全集 東京創元社)のはとっても残念です。
(図書館でよみましたが)

レベッカの続編の「Mrs De Winter」 なんとスーザン・ヒルが 依頼されて書いたとか・・・・にトライするべきかなどとも考えていますが、どうなりますか・・・

色々トライしたらまたお知らせしたいと思います。

(ゴシック・ロマンと言えば、ビクトリア・ホルトの「流砂」の紹介が「下書き」状態のままになっているので深く反省)

| | コメント (0)

もりだくさん「神の家の災い」ドハティー

アセルスタンシリーズ3冊目。
私的には、今までで一番面白かったです。
つかみはOK。謎が3つも並行して出てきて(しかも「期限つき」)

クランストンが解かなきゃいけない謎は 某有名作(?)のオマージュだろうかと思ったりしました。クランストンの家庭は幸せ満載!

しかし、少年王リチャード2世と叔父ジョン・オブ・ゴーント(最近知りましたが、ジョンの出身は、ゲント(ゴーント):あー、泊まったわ。ボロホテルに・・・と思いました)
リチャード2世の父:黒太子 のお墓はカンタベリー寺院でみてます・・・遠い目。

なんて事を考えちゃいました。
ミステリとしては楽しめます。

が、しかし、アセルスタンが少年王の将来について心配を口にするシーンがあります。
このシリーズは、このあと、王様の生涯と深くかかわっていくのだろうかと、ちょっと登場人物が心配になりました。

| | コメント (0)

ちょっと遅まきながら・・・多芸な二人の追悼 クライトン & ウエストレイク

ウエストレイクの訃報で思い出したのですが、昨年の11月にはマイケル・クライトンが亡くなりましたよね。

二人に共通するのは多芸多才だと思っています(ものすごーく多芸なために、私はあまり守備範囲ではなかったりするのですが)

クライトン・・・個人的には「ER」の原案者という認識。(たしか昔には何冊が読んだ気がしますが)「ER」がグリーン先生もカーター君もいなくなって、なんかぐちゃぐちゃの恋愛ドラマと化してしまってちゃんとみていない・・・・

ウエストレイク・・・ドートマンダーシリーズは読んでいないんですね。でも、角川文庫、早川ポケミス(文庫)、今はなきミステリアス・プレスと多岐に渡った作品は、あるモノは読みあるものは趣味じゃないのでよんでませんが、すごーーく才能があるんだなぁと思っています。「新パパイラスの舟」でも結構言及されてましたし。

最近の作品の「斧」(職を失った男が就職のために人を殺していく・・)は、ものすごくインパクトがあって会社で友人に勧めたら、人格を疑われてしまいました(汗)

「弱気な死人」は、あのユーモア&純愛がとても好きでした。
ウエストレイクは、はまる時ははまるって作家でした。

| | コメント (2)

宿題 アンソロジー再読

今年(もう残りわずかなので)来年にわってしまう事確実ですが。

自分への宿題として手持ちのアンソロジーの再読を心がけました。

創元文庫系を読み始め、読んだものについてここで感想をかきましたが、

アメリカ探偵作家協会のテーマ別アンソロジー(年末にやっと読み終わりました)と
イギリスの年間傑作選(まだまだ途中)については、紹介できずに年越ししてしまいます。

つい、他の本もよんでしまったりしているので。
この2つのシリーズはまさに「これを読んでなかったら」系の本ですので、ご紹介したいです。

実家にもまだミステリがあるので、それもピックアップしてこようと思っています。
アンソロジーブームが来ることを祈ります。

| | コメント (0)

あ、「女か虎か」入ってました

「天外消失」補足です。
「女か虎か」は収録されていました。
それと、先日かいた「夢探偵」の石橋喬司・・・・「37の短編」に携わっていたと言うことを、今更ながら知りました。

ちなみに友人に、「やっぱり「天外消失」買っちゃった」と言ったら大笑いされました。

| | コメント (0)

ミステリとしてではなく「ルルージュ事件」

世界初の長編ミステリといわれる「ルルージュ事件」完訳。
トライしてみましたが、挫折・・・・超とばし読みで、とりあえずラストまでは。

ミステリというよりもドラマの部分に重点が置かれていて、先日友人と話したんですが、どうもフランス系の昔のミステリは「ルパンの系譜」というか、ドラマ、ロマンスありきだという話になりました。

2段組、挿絵もあり、かなりヘビー。
やや、まだるっこしい部分がありました。
それは、今のミステリに慣れてしまっているからであって、昔のドラマの作法からは当然なんだと思います。
部分部分は面白いんです。
特に、ラストの犯人の行動、その後のエピローグは良かったです。

過去に数回抄訳されているそうですが(半分以下の量)、適当な抄訳であれば、それでも良かったかもと、罰当たりなことを考えてしまいました。

時間がある時に、ゆったりと読める準備をして読むのがよいかと。
あ、フランス小説が好きな方の方が向いていると思いました。

| | コメント (2)

読むのが楽しみ&もったいない「新パパイラスの舟」

やっと読み始めたところです。
用事があって「待つ」時に持っていったのですが、時間を感じさせないほど楽しいです。
重いので、「今日は読む」と決めて持ちました。

紹介されている本のリストをみながら、あ、これは「異色作家・・」だからあるな。とか、そんな古いミステリマガジンなんてムリ・・・など一喜一憂状態です。

まだ全然途中ですが、読むのがもったいないような気持ちです。

| | コメント (0)

やっぱり買った「天外消失」

師走で忙しく、気が付いたらクリスマス・・・で愕然としています。
ブログも全然更新できてませんでした。

「37の短編」の縮小版?とはわかっていますが、やっぱり買っちゃいました。「天外消失」
地元の書店にはなく、駅ビルのチェーン店に行きました。
あーやっぱり大きな書店は、この本沢山入荷してました。

楽しみに読もうと思っています。

| | コメント (0)

これもご紹介したい「夢探偵」

「女か虎か」の記事に少しかきましたが、「夢探偵」(石川喬司)というミステリ・SFのエッセー(?)といかガイドブックがあります。
この本は、昔、池袋の古書店でものすごい値段で断念。(たんに面白そうと思ったんです。背サブタイトルが SF&ミステリー百科でした)

後にワゴンでゲット、「リドル・ストーリー」「密室の楽しさ」などといった章で、いろんな本を紹介しています。場合によるとネタバレしているかもしれませんが、だからといって、読みたいという気持ちが削がれることはありません。

あげられている本は古いかもしれませんが、それでもなおかつ、素敵なガイドです。

| | コメント (0)

みんなで復刊を・・・「東京創元社 文庫創刊50周年記念 リクエスト復刊

みなさんとっくにご存知とはおもいますが、早川 「37の短編」復刊(?)もあったことですから、創元推理文庫のリクエスト復刊にがんがんリクエストをしましょう「

http://www.tsogen.co.jp/fukkan50th/

マクロイの(絶版三部作は1つは早川なので) 2つ「幽霊の2/3」「殺す者と殺される者」とこれは名作 色もの「水平線の男」とか これらの本の古書価格 たしかおそろしいほどの値段だったような・・・

ここらへんの本 アンケートとらなくても出せば売れると思うんですが
でもみんなでリクエストしましょう!!!
もちろん読みたい本を

| | コメント (2)

「女か虎か」は入っているよのね?きっと「37の短編」

kazuouさんから、「37の短編」はとりあえず14編が収録と伺いました・・・

そこそこ読めるようになったものはあるので、それを削っていくと・・・・
とも思いますが、さてさてどうなる事か。(「天外消失」は入っているでしょうけど)

で、「女か虎か」は、ある意味、もう広くしれわたっている話ではあると思いますが、収録してほしいですね。
この話は、実際に読むまでに、色んなところで紹介・引用されて(続編についても読んだきになったいたのですが、筋はしっているけど所収の雑誌を読んでいないことを知り愕然)
書き手によって微妙に違っていたんで、実際に読んだ時は、ああ、こういう話だったんだなと思いました。

今回、ちょっといろいろ検索してみたところジャック・モフェット(「謎のカード」という有名なリドル・ストーリー書いてます)が、「解決編」をつくっていました(どっかできいたことがあるような気もしてきました→「夢探偵」に書いてありました)

この作品は今ではもう筋は知れまくっているかもしれませんが、それでも、掲載してほしい作品です。(「天外消失」もトリック自体はかなり有名ですもんね)

しかし、この「女か虎か」に対して個人的に思うことが(未読の方はよまないでくださいね)

★ 王様が、娘の恋人を「虎」によって処刑しようとするのは理解できますが、「女」によって助かる可能性があるのは、解せないです。 と、ここまで書いて、「娘への罰」なら分かると思いました。 娘の恋人が 「他の美人」と結婚して幸せになる=(その恋人は、将来、その妻に、「王女よりおまえの方が好き」と言ったりしたら)娘の立場 ズタボロと思っていたんです。だから、一般的な刑罰としてはあっても、これって「男への罰」じゃなくて、「娘への罰」と今納得してしまいました。
この作品に言及している話で、「女と結婚させて、そのあと、取り戻す」 「他の女にとられるくらいなら、虎に殺させる」とか「そこまでして助ける価値のある男か?」などいろんな意見がありました  

ぜひ、続編、その他もきちんと読みたいものです。

| | コメント (4)

クリスティは「働く女性」(有能な秘書)に冷たいような・・・

以前、ミステリのエッセーでクリスティ作品は女優に冷たい描き方をする・・・・というのがありました。(その中で元夫のアーチーの恋人が女優だったのか?というような指摘もあった気がします)
わたしはそれよりも、「有能な女性」にきびしいような気がします。
ミス・レモンタイプの「有能タイプ」の女性は他にも出てきて、当然、ちゃんとした「有能な女性」(ただしロマンスなし)として登場します。

でも、有能な女性で、それこそ雇い主との結婚を秘かに夢見ているような女性には、何となくきびしいんです(ネタバレになりそうなので、詳細はさけますが)
元夫のアーチーの恋人(再婚相手)の彼女は、とても活発で、ゴルフもやって・・・だったと記憶していますので、ちょっとそんなタイプだったのかもしれません。
(クリスティ協会では、読んじゃダメとされるジャレッド・ケイドの本では、二度目の夫も彼女の死後すぐに秘書だった女性と再婚している・・・・・とあった気がします)

そして、自分の才覚で身を立てている有能な女性にロマンスがあると、さっさと仕事をやめさせて「結婚」させてしまう。
ある作品で、ラストのハッピーエンドに、思わず「結婚しても、その仕事は続けられるだろう」(あ、彼女が仕事に重きを置いてないのか)って思ったのがあります。

クリスティ作品好きなんですが、「働く女性」にもっと優しくしてほしいなとだけ思います。

| | コメント (2)

ミス・マープルシリーズ 再読(何度目?)

ミステリチャンネルでミス・マープルものを時々やります。
実家の母も見て楽しんでいます(あ、昔のシリーズですが)

ジョーン・ヒクソン版は原作にとても忠実で、多少こみいった脇役のドラマがちょっとちがったりもしますが(「カリブ海の秘密」など)、基本、もうあの通りといった感じです。

最近のジェラルディン・マクイーワン(マキュアンじゃないのかっておもっているですけどね)
版は大胆な改編をしています。
今、新ミス・マープルシリーズへの対応として、ストーリー再確認の意味もこめて、ミス・マープル再読しています(といっても、何度も読んでいるので、流しているという感じです。あ、私の場合、当然のように「昔のカバー絵:真鍋博」のシリーズです。字が大きくて読みやすいらしいけど、クリスティー文庫より、慣れ親しんだものがよくて。

最初におどろいたのは、ミス・マープルに戦死した恋人(ここは許そう)がいた。しかも既婚者(→これには、心底驚きました)
当然、拒絶反応がおこってしまいましたが、ちゃんとみました。

犯人が微妙に違う、トリック以外は全部違う(動機も犯人も)のもあったりしました。

ミス・マープルではないミステリをミス・マープルが解決するというのもありました(さすがにポワロものには出ないでしょうけど→他のシリーズも再読が必要だわ)

何本か見ているうちに分かってきたのは、この新シリーズのテーマは「愛のための犯罪」という事です。
ミス・マープルが既婚男性と恋をしたのも、生涯にわたっての哀しみと罪の意識を持つ続けるという設定にするためだったのだと思います。
ある犯罪者が「あなたの恋人は死んだから、あなたは罪を犯さないですんだのよ」とミス・マープルに告げるシーンがありました。

新シリーズにおいては、愛のために人は罪を犯すというのが全面に打ち出されています。
(けっこう死刑のシーンが多いのは政治的な意図なんだろうか?)
原作では、この世の罪からは無縁の存在のようでありながら、すべてを知っている(セント・メアリー・ミードの村と他の世界は基本は同じ)という見る・マープルでしたが、新シリーズでは、自分も辛い思いをして来たから、犯人が分かるのか?って思わせる感じもあります。

最近は新シリーズを新たな視点で「今度はどこをどう変えてくるんだ?」と思いながらみることにしています。そのためにも、クリスティを再読です。

| | コメント (0)

ちょっとやりきれない(とってもうまいけど)「ウォリス家の殺人」

ディヴァインは教養文庫のシリーズがとてもすきでした。

全体的には登場人物の人間関係がいろいろからみあって暗いイメージがありましたが。
教養文庫のシリーズでも、このラストは(ミステリとしてのはなしではなく)後味が悪いな・・・と思う作品がありましたが、全体的に○だったんです。(書かれた順と翻訳順が違って、もしかすると、とっつきやすいものから翻訳されたような・・と思っています)

「五番目のコード」に関しては主人公の ★  ロマンス   ★ から、犯人が分かりました。

「悪魔はすぐそこに」を読んだ時、ものすごくうまいと思いました。犯人を知った時には衝撃。後書きにも「犯人を知ってから読み直すと、いろんな事が思い当たったりして二度楽しめる云々」とありました。
もっとも、良いミステリというのは、犯人をしった上で再読に耐えるものと私は思っています。

「悪魔・・・」は、その観点でちょっとだけチェックして改めてうまいなぁと思いました。
後味は悪かったですが。

そして「ウォリス家の殺人」これは、あの後味の悪さに二の足を踏んで「借りる」事にしたので、出てから入手までにかなり時間がたってしまいました。
やっぱり、読み始めるととまりませんでした。
お決まりの人間関係がてんこ盛り。

しかし、弱いと思うのは被害者のジョフリーのキャラが薄い気がするんです。
彼が「天才だけどイヤなヤツ」というのはそこら中にでてくるのですが、この事件をひきおこした事になる人間性について、ヒントがないような気がする。

あと、彼の出世作の本についても内容が全然触れられていないので、探偵役である主人公が被害者の空白の過去を探しだす時に「あの本はこれこれで・・・」と唐突に話すので、どっかに伏線があったのかしら?と思いました。

ミステリというより「錯綜する人間関係がどうけりがつくのか」の興味で読み進んでしまいました。ある意味とってもディヴァインらしい結末だなと思いました。

あと書きを読むと、未訳の作品も翻訳する方針&作風が重ならないように、出版順と翻訳順は変えていく云々。(十分、前回と、重なった気もしますが)

もっとも「悪魔は・・」のほうは年代的には、教養文庫の方に近いので、びっくりしています。
はい、翻訳が出たらまた読むつもりですが。
体力がある時に読むべきか?とも思いました。

あ、本筋とはまったく関係ありませんが、探偵が被害者の過去を調べるためにオーストリアに行くんですが、そこで「おはよう」が「グリュース・ゴット」だったんです。(ウィーンでお店に入るといわれました。グーゴーにしか聞こえないんですが)
オーストリアでは普通に言うけど、ドイツではいわないと聞いていたので(ただし、TVをみていたらドナウ地方のドイツでは言ってました)そう!オーストリアだよ!と妙な納得をしてました。

| | コメント (0)

あれれ?犯人は?「ポジオリ教授の事件簿」

えーと、「ポジオリ教授」の新作がまだ図書館に入っていないので、とりあえず旧作をチェック・・・

「カリブ諸島の手がかり」はインパクトありすぎて、内容を忘れてしまってました。
インパクトのみ覚えています。が、「完全犯罪大百科」などのアンソロジーで時折であった教授は、比較的ふつう・・・・?

今回読んで思ったのは、「あのー、名探偵じゃなかったんでしたっけ?」(名声はつとに高いらしいんですけど)後書きにも名犯人ものと書かれてました。

出てくる人物達が、なかなか鮮やかなタイプが多くて、謎は存在しますけど、それって人間の生活に伴う謎って感じで「ミステリ」じゃないような・・・

教授への認識を新たにした1冊です。
「81番目の標石」は、ちと不思議感ただよう物語ですが・・・・

「靴下と時計の謎」が結構よかったです。いろんな意味で、早く図書感に「ポジオリ教授の冒険」が入りますように・・・

| | コメント (0)

これは恋愛小説(?)「殺しにいたるメモ」ブレイク

ニコラス・ブレイクの代表作は「野獣死すべし」との評判ですが、あの話は(自動車事故で殺された息子の復讐をする父親の話)好きではないので、それ以外の本を最近読み直しています。

ニコラス・ブレイクの小説は「心理分析」を中心にする云々という事が言われていますが、「早い話」がある意味「恋愛」(広義の)なんだなぁと思っています。
たまたま「恋愛色の強い」 「殺しにいたるメモ」を読んだせいかもしれません。

最初のミステリ「証拠の問題」では校長夫人との不倫に悩む友人を助けようとするナイジェルが出てきます。
学校教師と、校長夫人との恋愛(おそらく、女性って校長夫人くらいしかいないのが、「学校」なんでしょうけど)は、「十二夜殺人事件」にも言及されていましたが(?)
校長夫人が、ある事件が起こってから、自分の本当の気持ちに気づくシーンが印象的でした。
つづく「死の殻」は、(これはシリーズの後になって翻訳がでたために、シリーズの重要人物がなにげにでているんですが、当然容疑者からはずれちゃうんです)、動機は ★ 悲しい恋  ★ でした。読み終わったあとになってから、切なくなる話です。

「殺しにいたるメモ」は、ダイレクトの職場の恋愛事件の渦中の女性が死んでしまう。
この恋愛事件がすごくリアルに描かれていて、実生活でもブレイクは長年連れ添った妻と離婚して・・・という話だったそうで、「だからリアルなのか?」と思ってしまいました。

ノン・シリーズの「秘められた傷」でも、ファム・ファタールである「ハリエット」がすごく生き生きと描かれていました。
はた迷惑なほどの生命力に満ちあふれていました。

こう思うと、ブレイクけっこう女性の書き方が良いんじゃないかと思います。
「恋愛からみるブレイク」この後もまた続けてみようと思います。

| | コメント (0)

沢山あるなぁ「新 海外ミステリガイド」

いっぱいとりあげてるなぁ・・・というのが正直な感想です。
さすがプロだけあってまんべんなくとりあげられていました(いや、「プリンス・マルコ」(読んでませんが)なんて活字でみるのすら何年ぶりだろう?)
基本的に読まない、ハードボイルド・冒険ものとかは別として、本格は基本読んでいるものが多いので自分としては安心。

昔の「海外ミステリガイド」とどれくらい違っているかは読んでいないので不明ですが、最近の作品もとりあげられています。

個人的には、○○の代表作はこれじゃないだろうとか!、ホックが亡くなった事とか追悼してほしいなぁとかではありました。

心配なのは、「トリック」について言及している章では、注意とかがあるんですが、普通の紹介で、○○(探偵)は××の作品で、△△する・・・。などと、ここ、未読の人にはマズイんでは?と思った箇所が・・・・

なんてちょっとツッコミながらよんでました。

| | コメント (0)

ついに来るのね「37の短編」復刊

12月に「37の短編」が復刊されるとか(タイトルは違うそうですが)

全集で持ってます・・・はい(複雑な気持ち)

昔、それこそ「絶版」ってことを知らなくて、「37の短編」の存在は知っていたのですが、まだ在庫があった(?)頃には買っていなくて、社会人になって本を買おうとしたらとっくに絶版。

後に古書店でみつけるもセット売りのみ。
結局セットで買いましたが、最初に見つけてから数年たってました。
冊数が多いので、1冊千円いかない計算でしたが、本棚にどーーーんと場所をとってます。

アンソロジー好きとしてはめでたい事です。

これも超有名本だからなんでしょうね。
いろんなアンソロジーの復刊を希望してます。

| | コメント (2)

正直はずしたような「踊るドルイド」

ブラッドリー夫人ものです。グラディス・ミッチェルだから、それなりだろうと思って読んだんですが、「ある青年が、どうも自分は事件に巻き込まれたらしい・・・」と思う。(話の発端が少し分かりにくいような気がしたのは、私の読解力不足でしょう)

で、例によって夫人が乗り出すんですが・・・・

なんか面白くない。謎の失踪事件がある。で調査する・・・
どうも「踊るドルイド」とか脇のストーリーに力が入ってしまって、本筋がおろそかになっている感じ・・・

そこがブラッドリー夫人の持ち味なんですと言われたらそれっきりですが。
最初にブラッドリー夫人に出会った印象がとっても強烈だったからかもしれないと思うんですが、こんかいは個人的には「はずれ」でした。

| | コメント (0)

うーーん ニーリイっぽくない「亡き妻へのレクイエム」

20年前に自殺した妻の遺品のトランクを意を決して開けた私が見つけたのは、自殺の当日妻が私あてに出そうとしていた手紙だった。その数時間後に自殺した人間か書いたとは思えない手紙・・・もしや妻は殺されたのでは・・・

この最初の所、できれば、偶然に手紙を見つけるから行って欲しかったと思います。

うーん、このイントロだと、どっちかっていうとガーヴっぽいような気がします。
謎の提起はまあいいかな・・・と思ったんですが、それからが、たるい・・・

というか、「ニーリイっぽくない」というのが私の感想でした。
私としてはあの「殺人症候群」(ある意味想像がつきながらも、あのラストは絶品!)、「心引き裂かれて」書いた人なんだから(いえ、この作品はそれより前ですが)、もっとものすごい事やってほしいと思っちゃうんです。

その意味では、普通のミステリかも。ニーリイに後味の良さを期待はしないんですが、普通のミステリとすると、「解決しましたね」って感じでした。

最初に読んだのが「いろもの」過ぎたのかもしれません。

| | コメント (0)

もっと前に読みたかったなぁ「フロスト気質」

「フロスト気質」上下・・・ずいぶんと厚くなったものです。
前作の翻訳から何年か・・・という話はさておきまして、厚い分事件も盛りだくさん。
うーん よくこんなに事件をさばける(&作者は考えつくもんだ)というのが感想です。

一気読みしてしまいました。

もっと前に・・・という感想は、もちろん翻訳がなかなかされなかったと言うことに加え、
ミステリチャンネルのフロストシリーズみる前に読みたかったという気持ちが出てきたしまったんです。

本で書かれている事件が、TVシリーズと当然ですが、かぶっているわけで、もちろん微妙に違いますけれど、あー確かこれはこうだったなぁ・・・と、読みながら大筋を思い出したりしました。

違いを指摘できるほどはTVを覚えていないので、よけい犯人だけ覚えている・・・・という状態になってしまってちょっと残念でした。

でも、本自体は、面白くて、犯人分かっているのに読むの止まりませんでした。

| | コメント (0)

課題図書は「ハムレット」

昼休みの会話で、ミレーの展覧会の話からオフィーリアの話となり、ハムレットは本の中で30才オーバーと言うことになっているが(まあ、そこは書き間違いって思うのが一番納得できると思うんですが)、30過ぎて王位にもつけない(しかも政略結婚もしていないようで、恋人のオフィーリアは10代らしいし)ハムレットって????

という話になりました。
で、適当に、ハムレットが父王が死んだ(当時10代)ショックでずーーーっと、記憶がなくて、王位につけないし独身で、体は30代だけど心は10代で復讐に・・・とか
本当の父親はクローディアスでとかって、遊んでみていました。
実は先王は生きていてとか
歌舞伎だったらこれは、こういう筋になるだろうとか・・・

で、ちゃんとハムレットを読んだか?というとまったく自信がなく、
今度ちゃんと読んでから、ハムレット殺人事件として遊ぶ事にしました。

サーバーの有名な「マクベス殺人事件」にもたしか、「次はハムレットを読もうと思っています」ってセリフがあった気がします。

ここで私はシェークスピアよりもサーバーを偉大と思ってしまうのでした。

| | コメント (0)

トニー・ヒラーマン 

トニー・ヒラーマンが亡くなったそうです。
日本では翻訳が出版されなくて久しい状態ですが、たまたまCNNニュースを見ていたら、番組でとりあげていました。
毎年、書店に本が並んで云々。大作家だったんですね。
(ホックが亡くなった時はどうとりあげられたのかが、気になります)

前にも書きましたが、早川のミステリアスプレス(オレンジの背)で出たことが、不幸だったのではないかと思います。
ギデオンシリーズはそのあとミステリ文庫に移行しましたが。

もちろんそれだけではない事は十分に承知しています。

角川文庫絶版の「祟り」→読んだはずなんですが、全く覚えていないです(読みにくかった)

その後のナヴァホものは出版順と作品の順が違っていて、これはよくある事ではあるんですが、作品が二系統:リープホーンとチーの二人が別々に活躍して、そして一緒に活動する・・・というように、時間がとても大切。
チーの成長物語でもあるわけだったので、時系列がけっこう重要だったと思います。

そして、ナヴァホの世界が、やはりなじみにくいのもあって???でした。
DHCから「転落者」の翻訳がでた時には、これで読める(この「転落者」は自分がなれたせいでしょうか、一番読みやすかったですね。)と思いましたが、それっきりになりました。

たしかに翻訳面でかなり割を食ったシリーズだと思います。
ギデオンものは、「古い骨」は確かに名作なので、あれを最初に出版した事は成功だったと思います(ギデオンと奥さんの出会いは別な本で過去にさかのぼって出版されましたが、許容範囲) で、ギデオンシリーズはなんやかんやいいながら私はミステリアスプレス時代のものは買い、最近は借りて全部クリアしています。(時にはぶーぶーいいながら)

トニー・ヒラーマンの作品 たぶん「祟り」以外は図書館で簡単に読めると思いますので、ぜひ作品がかかれた順番をチェックしつつ読んでみてください。

| | コメント (0)

カームジンが一杯「犯罪王カームジン」

ジェラルド・カーシュのカームジンシリーズが1冊にまとまりました。
まだ読んでいる途中ですが、私(カーシュ)が、カームジンの昔話を聞くというスタイルで書きつづられています。

カームジン(カルメシンという名前で昔短編で読みました)がこんなに読める日がくるなんてねぇ・・・それも「カーシュ」の名前のおかげです。

ああ「クレー大佐」も出してもらいたいなぁ(別な作家だけど、きっと面白いはず)
まだ途中ですが、読み終わるのがもったいないような楽しい本です。

表紙に丸顔、太鼓腹のカームジンのお茶目な絵があるんですが、私てっきり、やせぎすと信じでいましたので、びっくりしました。

| | コメント (0)

時代なんだなぁ「エドガー賞全集1990-2007」

ローレンス・ブロックのケラーものが収録されていて、私はケラーなら○○の方が好きなんだけどな、とおもってたら何のことはない、そっちも収録されていたんです(ブロック2回も受賞しているんだ・・それ以前ことはチェックしないとわかりませんが)

名前だけだど知らない作家も、ミステリマガジン(でしょうたぶん)で読んだ作品がのっていたりしました。
作品云々ってより一番感じたのは時代です。
単に作者がなじみがないっていう事ではなく、確実に時代が変わったんだなぁって事です。

もともと古めかしい作品が好きなんですけれど、以前に刊行された本「エドガー賞」はもっと遊び心があったような気が・・・
現実世界を感じさせるけど、ミステリは私にとっては「楽しい世界」であるので、「スゴイですね」って終わってしまう本でした。

| | コメント (0)

「1ドル98セント」から「813号車室にて」まで アーサー・ポージス

アーサー・ポージスの短編集「八一三号車室にて」を読みました。
名前を聞いて、何か聞き覚えがあるなとおもったら、有名なSF短編(?)「1ドル98セント」の作者だったんです。この話すごく好きですが、もしかすると収録本は絶版ばかりかも。

今回は「ミステリ編」と「パズル編」の二部構成。
どっちかっていうとミステリ編の方が好みでした。
短編作家なので、今まではなかなかまとまって読むことができなかった作品が一堂に会すというのはうれしいことです。

表題作ですが、最初にタイトルきいた時には813と言えば、 当然 ★ ルパン  ★ なのに、なんでわざわざ・・・と思いましたけど。
読んで納得しました。  未読の方はご注意下さい 次反転させてます。 ★ 老人の名前が出た瞬間「セルニン公爵」って自動変換してしまいました ★

そんな遊び心もありの短編集でした。

| | コメント (0)

作家はラッフルズがお好き

アンソロジーを読んでいて、ラッフルズもののパロディが多々あること気が付きました。

ラッフルズは「怪盗紳士」としてつとに有名です。
私が最初に読んだラッフルズものが「ラッフルズ、罠におちる」と結構コミカルだったので、ラッフルズは明るいシリーズだと思っていたんです。(ラストは知っていたのですけど)
それが「二人で泥棒を」のシリーズで、意外に泥棒として成功していないんじゃ?とか、意外に内省的では?と思うようになりました。

カー(ディクスン名義)のある作品で「招いてくれた家で泥棒するラッフルズはひどい云々」ってセリフがありますが、ラッフルズそこまで儲けてないと、後々シリーズを読んで思ったんです。

公式にバリイ・ペウロンが続編(?)を書いた訳ですから、かなり人気があったことは確かだと思います。
「犯罪の中のレディたち」にも「ミセス・ラッフルズ」がバニーを使って金儲けするというパロディがありました。ラッフルズは出てませんが。
きっと作家たちはラッフルズが大好きだったんだな&ラッフルズをもっともっと活躍させたかったんだなと思っています。

| | コメント (0)

驚愕?奥付の誤植→300年の誤植(に改訂)

手持ちの古い文庫の出版年をなにげに確認

1959年だと思うんですが

なんと「1659年」となっていたんです。
いやぁ、イギリスものなので、「清教徒革命」の頃・・・と
一人で大受けしてしまいました。

コインとか切手のエラーは「高額」になるってのは、ミステリの常道ではありますが、
奥付の日付ミスじゃ・・・・と思いました。

しかしこの本、ずっと前から持っていたんですが、今日まで気づきませんでした。
ちなみに創元推理文庫 まだ「検印」が実際にハンコの時代の本です。

| | コメント (2)

あ、これ昔に書かれてたんだ「タナーと謎のナチ老人」

「ウィーンとプラハのあいだは直線距離にすると、150マイルちょっとしか離れていない。しかし列車で行く場合、これが約1.5倍の距離になる。」

が「タナーと謎のナチ老人」の出だしです。
前作がコミカルだったので、今回もその路線?でも「ナチ老人?」と思いつつ、読み始めました。一瞬ハードボイルド系かと思ったんですが、このイントロに引き込まれ(ああ、そうなのかあ・・・って)読んでいきました。
スパイもののパロディのような展開。お決まりのユーモアあるストーリーと思っていたのですが、扱っている内容は「重い」です。
後書きを読むまで、私はこれが「昔かかれた作品」という事に気が付きませんでした。

てっきり、「昔を舞台にしている」のだとばかり。
「スロバキアが独立する日が」だとおもっていたのですが、後書きでは「クロアチアの独立」のようです。なんて描写

てっきり、今の国際情勢をふまえて書いているとおもったら、40年以上前に書いているんです。あらためて、ローレンス・ブロックってすごいなと思いました。

えーと、前に書いたか記憶にないのですが、大昔に ロバート・ブロックとローレンス・ブロックを混同してしまい、すごく作風が広いと間違えたことがあります。

でも、ローレンス・ブロックをちゃんと認識した今でもすごく幅広い作風と思っています。

| | コメント (0)

クリスティ(冒険もの)の後継者?「夜ふかし屋敷のしのび足」コニス・リトル

主人公のカリーはお嬢様。
友人のセルマの頼みで、彼女の離婚調停中の夫の屋敷に、離婚の妨げになる「ラブレター」の奪還のため、メイドとして入り込む事になる。
本当はやりたくないんだけど、カリーには親の反対する恋人がいて、セルマはカリーのアリバイ工作をしてくれていて(弱みをにぎられていたから)
私はエレンとしてメイドになりすます(家事能力ないんだけど・・・)
しかし、殺人事件が・・・・

コメディミステリです。
個人的な感想としては、1作目の「記憶をなくして汽車の旅」の方が面白かったのですが、これも楽しめました。
犯人は別として、大筋は(というか主人公がどうなるかは)すぐに察しがつきます。
それも良い点だと思います(笑)

お嬢さんがメイドに化けるというのは、クリスティの「秘密機関」でタペンスが「リタ」のメイドになるのを思い出してしまいました。

クリスティはトミーとタペンスのような冒険小説(?)の方が好きだったけど、本格ミステリの方が売れてしまったと言われています。
そんなクリスティの後継者とも言えるかなと思いながら読みました。

主人公には絶対事件の解決&ハッピーエンドが待っているわけですから。

| | コメント (0)

アンソロジー月間「風味豊かな犯罪」「今月のペテン師」「最後のチャンス

以前、ホウク編(ほんとはホック)のアンソロジー3冊について書きましたが、今回、アンソロジーの再読を自分の宿題としています。すこし感想を書いていこうと思います。

「風味豊かな犯罪」:76年年間ミステリ傑作選。逸品ぞろいだと思います。
タイトルにもなったジャック・リッチイの短編は、コメデイ?とおもわせつつ、きちんとした推理もの(だってバスタブがゼリーで一杯になっているんですよ)になっていますし、ラッフルズのパスティーシュ、ホックのレオポルドもの等がそろっています。
この本は基本的に、楽しくよめる作品が多かったです。

「今月のペテン師」(77年):この本でも一番好きな作品はジャック・リッチイの「お次の番」遠縁から遺産として、「館に滞在する限りの生活費は面倒みる」という権利をもらった「私」もうあくせく働く生活には嫌気がさしたので、それをうけようとする。屋敷には素晴らしい執事もいることだし、しかし、他の親類は、現金が欲しいから遺言を無効にして屋敷を売りたがっている・・・・そんな時、殺人事件が・・・
ストーリーの展開&おちが秀逸です。
この年になると、ちょっとだけ前年より暗い(?)作品が増えてきたかもという気がしました。

「最後のチャンス」この本になると、確実に採用される短編の作風が変わってきていると思いました。水準はもちろん高いのですが、楽しめる作品は減ってきています。
その時々の流行はあるとは思うんですが、時代を感じさせる3冊でした。

みんな絶版ですが、図書館にあればラッキーと思って探してみてください。

| | コメント (0)

「第三の男」がいっぱい

映画「第三の男」のストーリーはもうあのラストシーンを含めて有名で「ミステリ」とは言えないといわれています。
子供の頃、映画のラストシーン特集(著作権とかうるさくない時代)で、ウィーン中央墓地のシーンは、アントン・カラスの音楽と共に見ていたので、映画をちゃんと観る以前から、ストーリーは知っていたいたような気がします。

あの映画は好きなので(母が好きだったため、何度もみていますが)、数年前にメーキングと共に、きちんと観て、今回、旅行に備えて、再度、通しで映画を観ました。
また、たまたま脚本版も買っていたので、チェック、その他の本もチェックしてました。(出版されている脚本と映画ではやっぱり違ったりしていますね)

ウィーンでの町歩きで、ハリーの下宿の場所もちょっとだけさがしたのですが(真剣ではありません)×、例の「暗闇にハリーの顔が」のシーンのあたりには行きましたが。

帰国して、やはり、第三の男博物館とか、ツアーとか行くべきだったのか?とちょっと後悔してます。
で、本がどこにあるか分からないので、文庫を買い直しました。
しかし、本を読んでいても、映画の語り口がだぶって来てしまい、ひろい読み程度になりました。
映画を見なおすたびに、ウィーンに行きたくなる映画ではあります。

| | コメント (0)

カメオ展でおもう「密輸人ケックの華麗な手口」

カメオ展で思ったのは「密輸人ケックの華麗なる手口」の「一万対一の賭け」という作品です。
ケックはプロの密輸人。(泥棒はしません)
依頼品をいろんな手段で税関を通す。もちろん税関には知られまくっているので、徹底的に検査をされますが、それをすりぬけていくんです。

(舞台が戦後まもまく?のヨーロッパなので、ああ、このころは移動はバスだったんだとか、ちょっと今とは違っていて、昔を感じさせる描写とかあります)

「一万対一の賭け」という作品は、ある美術品(カメオ)を持ち出してほしいという依頼を受けるという話です。いま本が手元にないので、詳細を覚えていませんが、カメオの描かれているのは秋の収穫の姿。すばらしい、作品で。
国を追放された独裁者が、どうしてもその手に取り戻したいと思う作品です。

最初読んだ時は、「カメオ」は「顔」を描くものと思いこんでいたのですが、そのカメオは群像を描いているようで、実感が分かりませんでした。
やがて、アンティークを知るようになり(カメオは趣味ではないんですが)
素晴らしい群像があるのも知りました。

あの短編にでているカメオは、カメオ展に出ているような作品なんだろうなって思いました。

| | コメント (0)

甲斐無き夢の果てに-ブランドの犯人-

えーと、「はなれわざ」「自宅にて急逝」の動機に言及します。「はなれわざ」については犯人は明かしませんが、犯人の行動にも触れますので、未読の方はご注意下さい。一応、核心部分は反転させますけど。

ブランド作品の登場人物(とくに女性)は、とても、生き生きとして、良い意味でも悪い意味でも積極的です。
デビュー作「ハイヒールの死」の登場人物は、「職場でイヤなヤツ」をモデルにしたと言われていますが(被害者なのか、犯人なのか?)
脇役の会話も、実際の体験からかなぁと思わせるリアルさでした。

「はなれわざ」と「自宅にて急逝」犯人には共通するところがあると思いました。所謂 「バカな勝負に出て負けた」 ってところです。もちろん殺人は勝負(?)であるわけなんですけど。

★ 犯人は、-えーと ここで性別をばらしてしまいますけど 女です- 欲しいもののために殺人を犯した。でも、それは甲斐のない道だった。自分と「幸せ」にたちはだかる人間を殺す。でも、たとえ完全犯罪が成功したとしても、ほしいものは手に入るのではなかった     ・・・  ★

ブランドは、結構犯人に冷たいと思います。
マクロイの「冷徹な目」とは違う意味で。
犯人に対して「あなたが、バカだったんだからしょうがないでしょ」という気がします。

特に ★ 他人のものをほしがる ★ 犯人に冷たいような  

それがよく現れているのが「自宅にて急逝」でのラストのような気がします。

★ 犯人は、最後命がけで他人を助けます。そして他人が疑われないように自分が犯人の証拠を残します ★ 
 コックリル警部は、犯人の自白をうけとめながら、それで、許させるわけではないと言います。 昔のミステリだと、犯人が分かると、「犯人の悲劇」の方がクローズアップされ、「非難」があまりなかったりする(ような)気がするのですが、ブランドは違いました。

最初に読んだ時は、結構犯人に同情したような気がするんですが、再読すると、そこまで同情できないような感じでした。最初の時はラストが良かったんですが・・・

クリスティのドラマで、犯人が「バカな勝負をして負けた」というような事を言った覚えがあります。ただ、その犯人は、犯罪という点では失敗したのですが、★ 「愛」  ★ は得ていました。
ブランドの犯人は、★ 罪を犯す甲斐のない もののために(自分のものであった事がない男性のために) ★ 勝負して負けたわけです。

| | コメント (0)

こんなに面白かったんだ「ランポール弁護に立つ」

ランポールものは、ミステリマガジンで読んだ気がするのですが、その時は、よくある「ユーモア系ダメ弁護士シリーズ」だと思っていました(確かにそうではあるんですが)

今回、きちんとランポールが、回想録を書くに当たって、来し方を振り返り・・・と、読んでみると、すごい面白いんです。

表紙の絵も効果的。ミステリマガジンで読んだときは、弁護士がカツラかぶっている(イギリス)って記憶がないんですが・・・

「絶対服従のお方」(妻:ヒルダ)と家にいるより、民事よりも下品とされる「刑事事件」を扱っているのが何より好きなランポール。「血液の専門家」であり、「タイプライターの専門家」
弁護に成功するときも失敗するときもあり、でも、刑事事件を手がけていれば元気。
弁護士という神聖な職業への情熱もあり。

楽しい&これからも出るはずのシリーズというのは、ありがたいなぁと思います。
クレー大佐ものが、全然翻訳されていないことに気づき愕然としたばっかりの私にとっては、「読める」ことはとってもありがたいんです。

今回も図書館で借りてしまったので、書店で、カバーのお楽しみをチェックせねばとおもっている次第です。

| | コメント (0)

こちらもちょっと忘れられ「完全犯罪大百科」クイーン編

この本もクイーン編で(これも真鍋博画)、犯罪小説のアンソロジーです。
「犯罪の中のレディたち」に比べると、多少、忘れられてないかも知れません。

私がこの本で出会ったのは、ゴダール:この本で「ホワイト・ルビー」なるものが出てきます。(原書がどうなっているかは別として)読んだ時はそんなものがあるんだと思いましたが、後に宝石に詳しい友人から、ルビーとサファイヤは同じ鉱物で、赤のみがルビーあとは、カラーサファイヤと教わりました。

ラッフルズ、地下鉄サム、セイント、ポジオリ教授(こんなところで最初にであったたんだ)が今の有名どころかなと思います。
個人的におきにいりは「ダイヤのカフスボタン」クレー大佐 グラント・アレンです。

クレー大佐ものは、この短編と、「シャーロックホームズのライヴァルたち」に最初の1編が収録されているだけ、クレー大佐はラッフルズに先駆けた怪盗ものの先駆者だそうで、その意味でも、ぜひ読んでみてほしい作品です。

短編集として(きっと)面白いと思うんで、ぜひ出してもらいたいものです。

クイーン編の「犯罪は詩人の楽しみ」になりますと、作者が「詩人」というアンソロジーのため、はいウォルター・スコット、バイロン、イエーツといった大物がそろっていますが、読む方はあまり楽しめないかなと思います。

私はこの本では、

| | コメント (0)

忘れられた佳人たち「犯罪の中のレディたち」クイーン編

上下巻 クイーン編纂です。
この本は大学時代の友人が蔵書整理にあたって譲ってくれました。
大学の授業の待ち時間に彼女がクロフツを読んでいるところから会話が進んで、今に至ります。お互い、本を譲りあいしました。

この本は友人から貸して貰い、その後探したのですが、当時は絶版。
後に復刊されていますが、真鍋博カバーの旧カバーが私は好きです。

この本で私は「ヒルデガード・ウィザース」に出会いました。
若い頃に読んだので、ヒルディはハイミス(うーん死語)だと思っていました。(実際、当時としてはそうだと思います)
「ペンギンは知っていた」ではイメージが全然違ったんですが、それはそれとして。
この本で出てくるレディ達は、名探偵あり、女盗賊あり、バラエティに富んでいます。
かなりのメンバーが、今は忘れられているようです。
そして、なんと言っても、彼女たちは「レディ」なので、今の感覚からするととっても、古めかしいんですね。でも、そんなところが、味があります。
この本でないと、出会えないレディ満載です。
古いミステリがお好きな方は読んで下さい。

| | コメント (0)

ついでに「暗号ミステリ傑作選」「魔術ミステリ傑作選」

「暗号ミステリ傑作選」は、どうしても「暗号」がキーとなる分、ちょっと小難しいです。
アリンガムの「屑やお払い」で、人名には「意味」があるんだと言うことを知りました。
○○は「見張っている人」とか。

ソーンダイク博士や、ピーター卿といった有名どころの短編も収録されています。

「魔術ミステリ傑作選」には、当然の事ですがグレート・マリーニが登場します。
「ゴダールの冒険」のゴダールの短編も収録されていました。
私がマリーニものと思っていた作品が実は他の作品だったと言うことも分かりました。
レスター・リースものをてっきりマリーニものと思っていました。

すごく久しぶりに読んだので、いろいろ再発見がありました。

| | コメント (0)

再復刊されたのね「毒薬ミステリ傑作選」

創元の秋の復刊リストに「毒薬ミステリ傑作選」があるそうです。
この本は「魔術」「暗号」と三冊セット(?)で持っていますが、たぶん、一番最初に読んだと思います。とても印象に残っています。

最初はドロシー・セイヤーズの「疑惑」
もう、これには参りました。セイヤーズの作品で一番完成度高いんじゃないかと思っています。
夾竹桃に毒があるというのもこの本で習いましたし、「リキュール・グラス」という作品も気にいりました。
シリーズの中では、一番、純粋に「ミステリぽい」気がします。
創元のアンソロジーって調べてみると結構絶版のようで、今びっくりしています。

他のも復刊される事を祈ります。

| | コメント (0)

これぞ真髄「ミニ・ミステリ傑作選」

持っているアンソロジーを読み返す事にしました。
「ミニ・ミステリ傑作選」クイーン編。

ミニイントロダクションに、それこそ数分あれば読める70編を用意しましたよ!って謳い文句があります。はい、まさに、あー続きが気になって!ってことはなく(もちろん次は読みたいんですけど)ちゃんと読み終わる事ができるってのはうれしいんですよね。

今回読み返してみて、あーこれはここにのっていたんだとかいろいろ思いました。
この特色としは、どのアンソロジーにも収録されるような有名どころは少ない(良い意味ですよ)ので、楽しんで読んでいけるって事です。

いくつか好きな作品を紹介したいと思います。
「わたしの目の黒いうちは」:娘の結婚を邪魔する病弱(仮病)な母親に対して、看護婦がとった手段とは。
「月の光」:これは、名詞に性別がある→これ日本人には????だと思うけど、びっくりした話です。
「詐欺師カルメシン」私がカーシュのカームジンに出会った最初の作品です。見事な詐欺師ぶりでした。後にカーシュ作品を読んで、あーこの人はもしかしたら?って思いました。
「青ペンキの謎」」ある日自分の家の内装が変わっていたら?
「壁の中へ」奇妙な味と言って良い短編です。ロンドンにはそこに死後もとりつかれた人間たちが暮らしている・・・
「幽霊屋敷」死んでしまった女性(親友の恋人)の後を追って自殺を計った男性。彼は生死の境をさまよっています。死者の声が聞こえたり、聞こえなかったり。「あなたは、彼女にかわる誰かをみつけなさい」と言われます。まだ、生き返る可能性があると。でも彼は「心臓の鼓動はもうすぐ止まる」と死を選びます。
「ある老人の死」これはアーサー・ミラーの作品です。自殺を図った老人(うーんアメリカだと自殺未遂は精神病院にいれられる?)が、自分を病院に入れないでくれた警官のために、生き抜いて自然死する。それを、昔、老人を助けた警官が知るという話しです。

もう、珠玉の作品が満載です。

| | コメント (0)

駆け足ミステリ感想

仕事が忙しくて更新ができませんでした。
駆け足になってしまいますが、ちょっとだけ読んだミステリの感想を

「タナスグ湖の怪物」
ブラッドリー夫人もの→いつのまにか(というかシリーズのかなり後半なので)ディム・ベアトリスになってました。孫娘も出てきますし、最初に読んだ頃の「魔女?」といったイメージはかなり遠くなりました。
孫娘のサリーが(当然彼女は犯人ではないんですけど)殺人事件に巻き込まれる(第一発見者)という話ですが、その舞台がネッシーならぬ「タナスグ湖の怪物」探索チームでの出来事。本の半分くらいになっても、人が死なないで、多数の登場人物の思惑が交錯。
ミステリとしては、しごくまっとうのような。しかし、一番気になるのは「怪物」でした。

「ケンブリッジ大学の殺人」(扶桑社なので、古いと思ってませんでした・・・図書館には早川、創元の本はすぐに入るんですが、扶桑社ミステリはなかなか入らず)
教授と警視がそれぞれ推理を繰り広げるという、複数探偵もの。
ちょっと掛け合い漫才のようなドタバタ感あり(後書きがかなり詳細で、後書き立ち読みしたら本買わなくても済むような感じです)
ラストの犯人に扱いに不満がありました。犯人が分かったあとのストーリー展開が。
(これから戦争に突入していくんだから・・・→読んだ方は分かると思います)

「七番目の仮説」
アルテは読むんですが、今ひとつ合わないかもしれない・・と思いつつ毎回読んでます。
今回、発端部分 ちょっとやりすぎでは?と思ったりしましたが、途中でいろんな仮説がそれこそ7番目まででます。「やりすぎ感あり」(それは作者の意図したことではあるんでしょうけど) カーを意識していると後書きにありましたが、ちょっと(ミステリの解決ではない部分で)後味が悪かったです。

| | コメント (0)

一粒で20倍「巨匠を笑え」

「巨匠を笑え」はジョン・L・ブリーンのパロディ/パスティーシュ集です。
ミステリマガジンに連載されていたものが、1冊の本になっています。

マグベイン、クイーン、カー、ホック風などなど、20編遊び心満載の作品です。
今も変わらず読み継がれている作家もあれば、出版当時は読まれていたけど、今はあまり読まれていない作家(J・J・マリック:ギデオンシリーズ)や、つい最近まで忘れられていたけど、論創社のおかげで復権したエマ・レイサン風もあったりします。

本家をしっていても知らなくてもミステリファンならたのしめる一冊です。
訳者も作品によって違っていて、それぞれ、本家の訳者に近い文体で訳すなど(雑誌掲載時には、訳者名も遊んだようです)がんばっています。

あとがきを読んで残念なのは、日本の読者になじみのない2編を削ったということで、どんなタイミングで紹介されるか分からないんだからのせてほしかったなぁと思いました。

| | コメント (0)

良い短編に出会いたい・・・

ミステリ・マガジンの古い号には、けっこう有名どころの短編(後にアンソロジーで読む)とか、気の利いた短編が結構載っています。

すごく充実していたんだなぁと思います。
昔は調べるのが大変だった事も、今はかなり調べることができるようになったので、面白い作家の他の作品(翻訳ですねとうぜん)さがしたりするのですが、それ一作だったり、かなり難易度が高そうな雑誌・本にしかなかったりします。

わたしがミステリマガジンをずーーーーーっと読むのも、最初はある作家の作品を読みたいと思ったから→この際、できるかぎりよんでみようとおもったんです。

相互貸借できるからまだ恵まれている方だとは思うのですが、なかなか道のりはきびしいです。でも、自分の好みの作品にであうとすごくうれしいものです。

| | コメント (0)

ピーター卿のその後「桃泥棒」

私は、ピーター卿シリーズは全部読んでいるのですが、どうも、ハリエットがが苦手です。
ハリエットが出てくると、話がミステリから変質してしまう・・・と思っています。

ミステリマガジンの短編「桃泥棒」には、三人の子供の親になったピーター卿とハリエットが出てきます。
長男のブリードンはけっこうわんぱくで・・・などなど。
ピーター卿はあまりかわっていない気がしますが、ハリエットは(作家業も両立させてはいるらしいけど)昔より「奥様然(というか普通の女性(?))」としている気がしました。(あたりまえか)

結婚後のハリエットがでる短編としてはこれが最後のようですが、もっと、子供達とピーター卿を読んでみたかったですね。

| | コメント (0)

謎の失踪「紅茶もまだ温かく」キャンピオンの謎解き

普通に暮らしていた夫婦が、朝食の席から「紅茶もまだ温かい」状態で、煙のように消え失せてしまった。

キャンピオンが話をきいただけで、あっというまに解決します。
(以前読んだことがあったのですが、その時はキャンピオンとは気が付きませんでした)

謎も解決も実に良いと思います。そして、この作品に関しては、邦訳の「紅茶も」の方が断然すぐれています(なぜなら、原題にはある手がかりが・・・)

あー「キャンピオンの事件簿」ってないんですよね。ぜひだしてもらいたいものです。

| | コメント (0)

最初の時には分からなかった良さ「イギリス・ミステリ傑作選」

アメリカ探偵作家クラブ傑作選は、もう最初に読んでトリコになり、新刊で買いそろえました。(友人に貸してなくなったものは古書で入手)
前にも書きましたが、主題を決めてのアンソロジー(質の高い作品ばかり)が、とても、楽しかったんです。

同時期に(?)「イギリス・ミステリ傑作選」も出ていた気がします。
これも結果的には全部あつめたのですが、「年間」なので、好みの作品が少ない本などは最初はあつめていませんでした。
後に絶版になってから、探してみましたが入手できたのは、それこそネット書店でしたから、かなりの時間を要しました。

イギリス・ミステリ傑作選は「全般的に暗い」という感想で、最初に読んだときには、集めなくてもと思ったんです。
今でも文句なしに楽しいと思うのは「アメリカ探偵作家クラブ」だと思いますが、イギリスもすてがたり味があると思います。
いずれゆっくり読まなくちゃとも思っています。

| | コメント (0)

グレアム・グリーン編/ヒュー・グリーン編「スパイ入門」

この本は、グリーン兄弟編のスパイアンソロジーです。

大学の図書館で大昔に読んで、グリーンと「スパイ○○」ということばをたよりに、インターネットで簡単に検索できる時代より前に、探しだした苦労の入手本です。

古典あり(ヒューイットの短編)、実話(?)ありの、アンソロジーです。
技術の進歩がいくらあっても、そこにいる人間達は変わらないスパイの姿です。

| | コメント (0)

なんとなくお薦め「殺人コレクション」

「殺人コレクション」ヘンリー・スレッサーほか、中田耕治編訳 青弓社

青弓社のアンソロジーはこれしか読んでいないんですが、(図書館にあるのはわかっているので今度他のも読んでみます)なんとなく○という感じです。
本格ミステリという感じではないので、本来は私の守備範囲外?というところではあるのですが、ローレンス・トリート「借り」がヤクザな男が命がけで借りを返そうとするところが、ラスト含めてよかったです。

| | コメント (0)

ホウク(ホントはホック)のアンソロジー

アンソロジーついでに、最近実家から(やっと)持ってきたホックのアンソロジー3冊をご紹介します。

年間ミステリ傑作選(76-78)・・・この企画(文庫)つづいてほしかったんですけどねぇ。
「風味豊かな犯罪」(表題作ジャック・リッチーですよ)「今月のペテン師」「最後のチャンス」どれもこれも素晴らしい作品ぞろい。

たぶん図書館にはあるんじゃないでしょうか。
最初の1冊はまだひもしおり付きです→古さが忍ばれます。

これは一度手放してしまって、あとで探して買い直したくらい思い出のある本です。
ホウクじゃなくて、最初からホックってかかれていたら(もっと売れたんじゃないのか?)と残念でなりません。

| | コメント (0)

「世界傑作推理12選(&ONE)」

光文社からクイーン編で「世界傑作推理12選&ONE」「新世界傑作推理12選」という2冊のアンソロジーが出ていました。

私の持っている本は昭和61年の本です。古書でかなりまえに入手したのですけど・・・

有名どころの話もあり、これだけでしか読めない作品がどれだけあるのか?といわれると疑問ではあったりもするのですが。
クイーンの眼鏡にかなった短編集&新の方は日本の読者のために選んだという謳い文句つき(実際に日本の作品が収録)。

私が買おうとした時なもう絶版で(今は不明ですが)、たまたま古本屋で100円でゲットしました。その古本屋さんはもうつぶれてしまったのですが、かなりレアは本(はい、私が好むようなミステリはとにかく古いので、外装がいたんでいたりする)を安く入手したおぼえがあります。

安くみつけたら、どうぞゲットしてください。

| | コメント (2)

「世界短編傑作集」1-5

創元推理文庫の「世界短編傑作集」全5巻は、短編ミステリの定番だと思います。
改めてチェックしてみると、え、こんな人が載っているとか、この短編くらいしかなかなか読むことが出来ない作家もいたりして、とても貴重だと思います。

え、こんな作家がミステリを・・・・アントン・チェーホフ

このくらいしか読めない
アンナ・カサリン・グリーン(長編だと「リーヴェンワース事件」入手困難)
ロバート・バー(一番有名なのが短編「放心家組合」→これ大好きなんですけど)
コール夫妻(長編だと「百万長者の死」が有名→長らく絶版)
「茶の葉」とか「密室の行者」とか有名どころも(古すぎ?)

などと思っているんですが、古典だから読んでね!と共に、やっぱり古すぎ?という気持ちも両方あるのでした。

| | コメント (0)

「処刑6日前」は名作だったラティマー「赤き死の香り」も楽しかった

論創社からジョナサン・ラティマーの「赤き死の香り」(ビル・クレイトンもの)が出ました。

ラティマーは大昔に「処刑6日前」を読みました。姉が何故か持ってました。
それまでは、私は「クリスティ」「クイーン」「ヴァン・ダイン」などを読んでいたので、ハードボイルドものはほとんどはじめてって感じでした。
あの作品は「幻の女」よりも前に書かれた作品だということを、「赤き死の」で知りました。
うーん斬新だったんだなと改めて関心。
「幻の女」は「本棚のスフィンクス」にもあるんですが、いろいろ「それムリじゃ?」というようなつっこみどころ満載の本で、わたしはそこまで「名作」とはおもっていないんんですが。
一番の疑問は(のちに洋書の表紙がエッセーでみ手納得しましたが)どんな帽子だったんだろう?でした。
「処刑6日前」はトリックといい、伏線といい、うろ覚えですがちゃんとしていたと思います。
探偵がやたら女性にちょっかいを出すのに(当時私が読んでいた探偵はそんなことしませんでしたから)びっくりした覚えがあります。

「モルグの女」も一応読んだ気がするんですが、「シカゴの事件記者」との区別が記憶でごちゃごちゃになってます。
「赤き死の香り」は、ビル・クレイトンもののラストで、ちゃんと謎ときあり、アクションあり、妖艶な美女あり、美人探偵ありという楽しいハードボイルドになっています。
シリーズの幕引きにふさわしい作品だと思いました。

ラティマー本人がシカゴで事件記者をしていた事もあるので「シカゴの事件記者」はかなり生き生きと記者生活が描かれているような覚えが・・・

ラティマーはハリウッドで脚本家になったようで「夜は千の眼をもつ」も手がけてそうです。
「刑事コロンボ」も書いたそうです。
そういえば、コロンボをみて、あ、○○が書いていると思った(名前を忘れている)のは、きっとラティマーだったんだと今更ながら思います。

| | コメント (0)

イギリスの法律はミステリで勉強

「13のダイヤモンド」に「コリンズ氏を知っているか?」という短編があります。
ある女性の父親が彼女に「相続で絶交のタイミング」に事故死します。
彼女には法律の知識はないので・・・・というような話なのですが。

私は、イギリスの小説(ミステリ)で、イギリスの(やや古い)法律を知った気がします。
ジェーン・エアで「狂気が原因で離婚はできない」(大昔はそうだと思っていましたが、その後もクリスティの本で出てきたりしましたので、ある程度の時代まではそうだったんだと思います)

「サースビイ君奮闘す」でも「合意による離婚はできない」というのはありますが、(いまはできますが)クリスティにもそんな話がありました。

まあ、私が読むのは古い本なので、今のイギリスとはぜーんぜん違うとは思うんですが、法律の知識は、クリスティにならったといっても過言ではないと思います。

| | コメント (0)

法の悲喜劇・・・「ただひと突きの」シリル・ヘアー

先日読んだ「本棚のスフィンクス」の「犬死にしたミステリ」(忘れられたミステリ)に、「二巻の殺人」ものっていましたがシリル・ヘアーの「ただひと突きの」ものってました。

シリル・ヘアーの代表作は絶版の「法の悲劇」といわれていますが、この本については、まだ読んでいないので、ポケミスで読んだ「ただひと突きの」と「風がふくとき」について書きたいと思います。

「法の悲劇」はペティグルー弁護士ものの最初ですが、「たたひと突きの」を読んだときてっきりシリーズの最初だと思ったんです。彼の人生の転機がこの作品で訪れるわけですので、つづく「ただひと突きの」だと、もうすっかり悠々自適な生活に・・・

「ただひと突き」は、なんというかとても雰囲気がある作品です。
中年のペティグルーが若い女性に心惹かれるところはちょっと笑ってしまいますが。
「風が・・・」も作品としては、優れていると思います。
(「風が・・・」の動機は、中に出がかりはあるのですが、あとにならないと気が付かないと思いました)

シリル・ヘアーの作品は「法」のために人生を左右された人々の話です。
法律というのは国固有の部分があるので、どうしても英国法に詳しくないとムリな話というのはあると思います。

「英国風の殺人」は、シリル・ヘアーだという事を念頭におくと、タイトルがかなりのヒントになると私は思います(→あのタイトルは、もうヒントそのもののような気がするのですが)

| | コメント (0)

「あの人」は「ホームズ」 「荒野のホームズ」

おれ(弟:トール・レッド)と兄(オールド・レッド)の二人は天涯孤独のカウボーイ。
ある日「赤毛連盟」に出会って、兄の人生が変わった。「あの人:ホームズ」と同じように推理していけば、どんな謎もとける。

ホームズへの愛あふれる作品です。
長編はこれが第1作。短編はミステリマガジンで読んでいるはずなんですが、思い出せません。何でもかんでもホームズを引き合いに出すので、いろんな登場人物のモデルも、さがすとホームズものにあるんじゃないかと思ったりします。

ヴィクトリア女王時代のアメリカって、ホームズものから考えると「悪党」がいるところだったなとか、例えに「オスカー・ワイルド」=そういえば、アメリカ西部で大歓迎をうけたとかあったなとか、いろいろ面白く読みました。

ミステリ自体として考えると、これを当時のイギリスに置き換えると、もう使い古されている話になるのではないか?ともおもいましたが、西部劇なので斬新です。
シリーズ読んでみたいと思いました。

| | コメント (0)

まったく恋愛至上主義なんだから「第七の女」

フランスミステリは基本苦手なんですが、ポケミスなんで読んでみました。
主人公の警視はニコ。いきなり、病院で担当医(女医さん)に一目惚れするシーンからはじまります。
職業は?と聞かれて、「離婚してます」(独身です)と答えるオマヌケな一目惚れぶり。
(しかも、彼女はニコの妹夫婦の知り合いなので、もうとんとん拍子)

それだけなら、フランスミステリはどうも「ロマンス」なしではダメなんだなと思うだけなんですが。そういえば、「ポワロのクリスマス」を翻案した「ル・テスク家の殺人」は、もう恋愛だらけだったな。とかミステリチャンネルのフランスものは「愛憎」ばかりだな・・・などなど。

とおもっているんですが、連続殺人が起こります。
女性が惨殺される。どうも母に虐待された息子が母に似た女性に復讐を・・・という分析がされる。
犯人の意識の描写もあります。わざとなんだと思うんですが、意識の描写では「誰の意識か」と言うことを分かりにくく書いているのですが、技巧というより「読みにくさ」を感じました。

感想としては、犯人が全然目立たない。ニコの恋愛がてんこ盛りで、真剣に犯人を追っているのだろうか?という感じです。あと、フランスは女性の社会進出が進んでいるんでしょうけど、責任ある地位の女性を、誉めすぎ。男性は○○だけど、女性は違って、だからニコは女性を尊敬している(ニコは女性にやたらウケがいいんです)などなど。

連続殺人鬼が、ニコ個人を狙っているというのに、一目惚れした彼女に、どんどんアプローチしている。(うーん。彼女が危険だとかって思わないのか、こんな事件の時に、実家で食事するのか?)
ニコの恋愛が強烈すぎて、かすみまくる犯人。なんかおもいっきり映画化ねらっているような気がしました。
そういう意味でインパクトのある作品でした。

| | コメント (0)

そうか、ステフの死後の作品だったのね「漂う殺人鬼」

「処刑人の秘めごと」の時に、前作の記憶がなかったので、確認しました。

はい、読んでました。
ネコのエピソードとか犯人とか記憶がありました。
たしかに、「処刑人」のちょっとなぁ・・に比べるとちゃんとしたミステリだと思いました。
ダイヤモンド警視が、ステフの死を嘆いてはいますが、「処刑人」のように、彼女の死が全面に出ていないので、私、順番を勘違いしていたのかもしれません。

今回、ざっとしか読んでいないので、読み飛ばしてしまったのかもしれないことが、疑問として残りました。★ ★ 反転させてください。(犯人にはふれてません)

★ 目撃者の男性が逃げた理由=どうやって大金をかせいでいたのか?って ちゃんと説明があったろうか? ★

| | コメント (0)

ダブルパンチ キャンピオン「反逆者の財布」

「甘美なる危険」の後書きにアマンダが「反逆者の財布」で活躍しているとあったので、読むことにしました。

いきなり、アルバート・キャンピオンは病院で記憶喪失になっているところから始まります。どうやら自分は警官殺しの容疑者らしい・・・・彼は何とか病院を脱出。
彼の記憶喪失については知らないアマンダが、「仕事の手助け」として彼を連れてある館に戻ります。キャンピオンは初対面(?)のアマンダに好意を抱く。
と思ったら、アマンダが婚約解消を申し出る。

いきなりの記憶喪失に加えて失恋のダブルパンチ!
と言っても、もうこの二人の恋の行方は、当然ながら知っている状態で読んでしまっているのですが。
キャンピオンは自分の記憶喪失を言い出せずに、五里霧中で謎解き(ちょっと都合よくヒントを思い出したりしてます)します。
戦争にまつわる「裏切り者をさがせ」で、スパイが「第5列」と書かれていて、トミーとタペンスの「NかMか」にもあったなぁ(昔、何故か会社の人からきいたんですが、軍隊は4列で行進する。第5列は見えない軍隊=スパイだと習いました)

キャンピオンの窮地にアマンダは例え婚約は解消しても友情は変わらない(あと彼の使命もあるし)アマンダは都合よく現れて助け出します。
「あなたの仕事の事は教えてくれなくていいの」と、彼の記憶喪失についても、何かへん?と思っているけど、極秘任務&もう私の事は愛してないのねと思いこんでいる。

ほほえましかったのは、キャンピオンの執事のラッグが、キャンピオンが自分のことを覚えていないのがショック(当然)。キャンピオンがアマンダをどうやら認識したらしいと知ってちょっと嫉妬するシーンでした。

アマンダ大活躍ですが(もちろん一番は「甘美なる危険」)彼女は、キャンピオンの助けになれば良い&仕事の事は知らせて貰わなくていいという良妻賢母タイプなので、登場が少なかったのかなと思います。

個人的には、アマンダの登場は14才くらいで(まだ、子供で「女性として認められない年頃」で)、再登場の時には20才そこそこでといった感じの方が、二人のロマンスの始まりが納得できるようなきがするんです。だって、「7年間」忘れ去られているわけですから。

アマンダはなかなか「忘れられている」女性ではないような気がします。
もっともキャンピオンが任務で忙しかったのかもしれないんですが。

この本のラストを読んだので、「検屍官の領分」のラストがより印象的になりました。

| | コメント (0)

古書探偵はハードボイルド「古書殺人事件」「殺人詩篇」

「二巻の殺人」の探偵ガーマジは、趣味で探偵をするタイプ。
デイリーの作品自体が、あまり時代性(戦争とか)を感じさせない。閉じた人々の中での犯罪を描いています。

でも、大抵の「古書」関係のミステリは(近年はジョン・ダニングがとっても有名ですけど)どういうわけかハードボイルドなんです。
ウィル・ハリス「殺人詩篇」の主人公:大学教授が知人の死をきっかけに贋作事件に巻き込まれていく(主人公はベトナム戦争帰り)

マルコ・ペイジ「古書殺人」の主人公も、安楽椅子とはほど遠く謎をおいかけています。
古書探偵は大忙しです。

| | コメント (0)

「ヴァルカン劇場の夜」ナイオ・マーシュの幻の作品?

近年の古典ブームでナイオ・マーシュも色々出版されているのですが、この「ヴァルカン劇場の夜」はかなり昔にポケミスで出たきりで、復刊は?の作品のようです。
トリック自体はナイオ・マーシュのある短編と同趣向だったりしているのですが、ちょっとオマケがあるんです。「ランプリイ家の殺人」を読んだあとに、読んでいただきたいです。

仕事にあぶれた女優が、オーディションがあると知ってヴァルカン劇場に行くんですが、女優の口はなくて、衣裳係として雇われます。
彼女が主演の男優によく似ていることから、いろいろな思惑が・・・

ナイオ・マーシュは演劇に長く携わっていたので、舞台の様子はとても生き生きと描かれています。ミステリには何の不満もないんですが、ロマンスの部分が、それはないんじゃない?ってくらい唐突だったような気がします。私がきっと気が付いてなかったんですよね。

| | コメント (0)

旧家には謎がつきもの「二巻の殺人」「ワイルダー一家の失踪」

エリザベス・デイリーの「予期せぬ夜」「二巻の殺人」をざっと再読。
二作ともポケミス(特に「二巻の」は復刊のため訳が古い)のため、「殺人への扉」と随分感じが違うなとは思いました。

トリック的には「予期せぬ夜」の方がスゴイんだろうとは思うんですが、私は「二巻の殺人」の方が好きです。
「二巻」の入手までには思い出があります。ずっと絶版で(近年のリクエスト復刊でやっと入手)とある古書店で数万円の値段がついていました。その古書店で、学生時代に創元の推理全集の値段を無謀にも聞いたら「払えないと思いますよ」と一蹴された事があります。ポケミスには珍しく、表紙が人物画である事もあり、ずっと欲しいと思っていました。

ある旧家に、100年前に失踪した女性が当時のままに姿を現す・・・・というのが事件の発端で。その100年前の女性が表紙に描かれているせいで、ずっと昔の話のような気がしていましたが、よくよむと1940年頃の話(うーん戦争もちらっと言及)だったんですね。なんか、時代を超越している作品です。

旧家にまつわる謎という意味で「ワイルダー一家の失踪」(こちらも好きな作品です)は、「二巻」にとても似ているという気がしました。

旧家に謎がある。旧家の人々は「閉じた世界」で暮らしている。事件が起こる。
そして探偵が・・・
この二作品では、ある同じ事が主人公である探偵に身におこります。探偵の振るまいとしては「ワイルダー家」の方が好感が持てる気がするのですけれど。
主題としては同じ気がしました。

「悪い噂をたてられるくらいなら、死んだ方がまし」というような旧家の女性の生き方も、ワイルダー家の続編にあったような気がしました。
この作品の旧家はとても似た感じがしました。

| | コメント (2)

これはユーモアミステリ?「霧と雪」イネス

アップルビイはお客として招かれた屋敷についた途端銃声が、そして、屋敷の主人が撃たれたと・・・

登場人物みんなが自分の推理を述べあったり、もう喜劇状態。
「毒入りチョコレート事件」は、犯罪のプロと自認する人たちが、自説を主張するのですが、この話は、みーーんな素人。(アップルビイはもちろんプロですが)みんな一癖も二癖もある人たちです。
ああ、それこそ映画「名探偵登場」状態という感じでした。

イネスは難解って江戸川乱歩が言ったために、必要以上に難解として敬遠された云々というのが最近のイネス評だと思うんですが、私には十分難解なイネスです。

| | コメント (0)

ダイヤモンド警視健在「処刑人の秘めごと」

ダイヤモンド警視もの最新作。えーと、シリーズ順番に読んでいると言うことを前提とさせていただきます。

愛妻ステフの死から三年たって、ダイヤモンド警視もやっと(?)調子を取り戻した感が。
実は、私前作の「漂う殺人鬼」の印象が全然ないんです。読んでいるはずなのに?
今回のダイヤモンド警視がちょっとダルジール化しているような気がするのは、単なる私の思い過ごしでしょうか?

連続首吊り事件が起こる&ダイヤモンドに「秘密の崇拝者」からの手紙が・・・・
事件はちょっと違和感がありました。あとで考えると伏線になる部分に疑問が・・・(ネタバレはしてませんが 読む場合は、反転させてください。★ そんなに簡単に他人に言うことだろうか? ★ と思いました。

事件よりも一番疑問に思ったのは ★ 秘密の崇拝者(ストーカー)がいるのに、偶然知り合った女性に、まったく疑問を持たないというのが 一番疑問でした。普通は、疑うはず。→それが一番の疑問でした ★

| | コメント (2)

「二巻の殺人」を読んでから読んでね「殺人への扉」

本来なら第一作「予期せぬ夜」から読むのがお薦めかもしれませんが、「殺人への扉」とは直接関係ないので、「二巻の殺人」から読むと、同じ登場人物が出てくるので、できれば順番に読んで下さい。
殺人の容疑をかけられて裁判で無罪になった夫人が人知れず隠れ住んでいる。彼女は、他人に知られないようにまったく外見を買えて別人として生きている。その彼女に匿名の手紙が・・・・

「殺人への扉」はとてもトリッキーな作品だと思います。
そして、とても映像的な作品とも思いました。

| | コメント (0)

死の香りがする「ポドロ島」ハートリー

ハートリーの作品は「W・S」というのをアンソロジーで読んだ事があります。(今回思い出しました)その作品は、普通のホラー(?)でした。作品は覚えていたのでですが、作者は忘れてました。

このアンソロジーは表題作の「ポドロ島」からして、謎めいた死が描かれます。
私はこの話しを普通の怪奇物と思ったのですが、後書きでは、一種の「藪の中」であるとありました。
その他にも死にまつわる作品が多く、「W・S」はその中でもしごく真っ当な話だったんだなと思いました。
死にとりつかれたしまった人々、不思議な短編集でした。
ちょっとだけ不満を、自殺した男の遺書に「童謡の○○」のように(忘れました)とあったんですが、おそらくマザーグースとか有名な話なんだと思います(調べようとしてメモしたんですが、今見あたりません)今時は、ネットで調べればすむとは思うんですが、どうせなら補足して欲しかったと思いました。(わがままでしょうか?9

| | コメント (0)

名作なんだろうけど「リトモア誘拐事件」

ヘンリー・ウェイド「リトモア誘拐事件」に挑戦。
リトモア家の息子が誘拐され、無事に解放されます。
で、犯人に関して少年の言う事がまずはっきりしない訳です(ここらへんは仕方ないのか・・・)何か、テンポが遅い?とか思ったりしていたら、ちょうど本の真ん中くらいで、突然少年があの人が犯人だと言い出すんです。(えーと、ある登場人物に、目立つ身体的特徴があって、少年はそれを思い出す)

話自体は、一応(?)警察小説で、良く書けていると思うんですが、読んでどうしても
そんなに、身体的特徴のある人間が犯人ならそれを気が付かせる様なことをするんだろうか?って疑問がどうしてもありました。

犯人の一人を捜し出すところは良かったと思います。
で、登場人物達はとっても良く書けていて、普通「あいつが犯人」という人物がでてくると、そのアリバイを崩そうとか、その人物の無実を証明しようとかってどちらかの立場で描かれることが多いんですが、ある程度、中立という感じにストーリーが進みます。

ちょっと淡々としすぎているかな?とも思いましたが。
実はこれウェイドの最後の作品だったことを読んだあとで知りました。
「死の落下」(ああ、教養文庫)は、私個人としては、ちょっとやりすぎ感がある話だったので、「リトモア」のあっさり感は、ああ、最後ならそれもそうかもと何となく納得してしまいました。

| | コメント (0)

拾い物「いぬはミステリー」(「ビッグ・アップル」もかな)

アシモフ編 新潮文庫「いぬはミステリー」は思わぬ拾い物って感じでした。
もちろんこのシリーズは、一定水準を保っているアンソロジーではあるんですが、「クリスマス」(2冊)と「バレンタイン」に関しては、どちらかというとホラー色がつよいような(もちろん、ホックとか載ってますが)気がします。

「いぬはミステリー」に関してはホック(レオポルド警部)は短編の定番ではありますが、M・ギルバート、シャーロット・アームズとロング、Q・パトリック(ダルース夫妻もの、アイリスここではもう大スター)、ヒュー・ペンティコーストというちょっとレアでゴージャスなラインナップ(もちろん、他の作家も)
で、ミステリが中心なので、読みやすい。お得感あり、のアンソロジーです。
ちなみに「ビッグ・アップル・ミステリー」も古典の感はありますが、スチュアート・パーマー(ヒルデガード・ウィザース)、クレイトン・ロースン(グレート・マーリニ)といったなかなか他では読めない短編が載ってました。

アンソロジーは「ネコ系」が多いんですが、珍しく犬が登場するミステリー

| | コメント (0)

「閉ざされぬ墓場」世界推理小説全集

創元推理文庫(ではなくこれは全集ものですが)を頑張って読もうと思った一環で、東京創元社の世界推理小説全集の本を図書館で借りて読んでます。

「閉ざされぬ墓場」F・デーヴィス(作者の経歴はよくわからないそうです)の作品です。
探偵役はサイラス・ハッチ(うーん登場人物で探偵役が最初に来ないのも珍しいなぁ)

ペンシルバニアの田舎町、伯父の新聞社を継ぐことになったサイラスが町に来て騒動にまきこまれる。ひき逃げ事件あり、名誉毀損訴訟あり。そして殺人事件が・・・・

ちょっとドタバタあり、ハードボイルド風味の、そして最後にある人物の切ない人生が浮かび上がるという本です。

| | コメント (0)

著者の経歴が気になる「本棚のスフィンクス」

ミステリマガジンなどを中心に連載されていたエッセーをまとめた本です(書き下ろしもあり)
「第三の男」の映画と原作云々は連載で読んだ記憶があります。その後、出版されている脚本を購入しました。
言及されているミステリも多岐に渡っていて(ハードボイルド・スパイものは範囲外なのでとばし読みですが)なかなか面白かったです。
「アシェンデン」は当時発表禁止になり、廃棄となった短編があるそうです。
出版されたものより当然面白かったんでしょうね。
著者が(商社勤務だったそうで)東欧にいたとか、アメリカにいた云々があり、著者の経歴の方がちょっと気になってしまいました。
ウィーンの空港にスーパーマーケットがあるという記述に、噂には聞いていただけど、実際に空港ではみかけなかった空港の話があり、笑ってしまいました。

色々なミステリの話が書かれているんですが、タイトルに検討がつかないものは気になって、一体どの話だろうとか心穏やかではありません。

「犬死にしたミステリ小説」という項がありました。
読まれなくなった本の事で、古い「リーヴェンワース事件」はともかく。
一応ポケミスで手に入る(?)「古書殺人事件」「二巻の殺人」「ローラ殺人事件」「だたひと突きの」などもあげられていて、日本の方が古典好きなんだなと思いました。

| | コメント (0)

努力家「ポッターマーク氏の失策」

実業家ポッターマーク氏はゆすりに耐えていた・・・・というのが本の紹介でした。
ポッターマーク氏はその恐喝者を殺すんですけれど。

「歌う白骨」のように倒叙物。
このポッターマーク氏はとっても努力家なんです。
まず、彼は無実の罪で牢屋に入れられて脱走→ラッキーにもアメリカに渡る(たまたま他人の死体が彼と誤認される:この脱走部分は、そんなのあり?というか、誤認された死体には身内とかいないのか?等々)そして、アメリカで大金持ちになる。
うーんとっても頑張っている。

そして、彼は、昔の恋人を忘れかねて、イギリスに舞い戻ってくる。(やはり、ソーンダイクものにはロマンスが彩りをそえなくちゃね)
その結果、恐喝されてしまうんですが(恐喝者は、実は彼を無実の罪におとした人間)

彼のモットーは「レ・オルト・スペス デケデンテ・パクス」 「日の出に希望を、日没には平穏を」です。人生の最初は希望に満ちていた(中間はいろいろあったけど)最後は平穏に終わる(終わりたい)なんです。

昔の恋人に再開した彼は(彼女は彼と気づいていない)、失われた幸福を取り戻すために努力をするんです。(証拠を隠滅しようとする彼の行動には、ちょっと笑えます)
そして、そこにソーンダイク博士が現れ、彼に不審をいだいて行くんです。
さて、彼の運命やいかに。

| | コメント (0)

補足「ひらけ胡麻」

何故「ひらけ胡麻」(名作と絶賛する人もいるのですが)私にとって面白くなかったのだろうかと、ちょっと考えたんです。

つかみはOKだし、登場人物のエピソードも面白いんです。でも、そう、犯人がつまらないんです。つまらないというか、普通のミステリと思って読んでたら、犯人の視点が違っていた。犯人は、過去のある事が原因で、ある事をしようとしているんですが、それが私が思っているミステリより、大きな犯罪だったんで、探偵役と犯人側のギャップが読む方としては、なんかずれてると思ったんだなと、思い当たりました。

「大聖堂の殺人」は、私が思う普通のミステリだったから、面白かったんですね。

| | コメント (0)

イントロはいいんだけどね「ひらけ胡麻」

M.ギルバート「ひらけ胡麻」を再読。
以前、あんまり面白くないなと思った記憶がありましたが、今回の感想「つかみはOKだった」でした。

最初は、主人公パデイ(と思ったら真の主人公は別人)が、帰宅途中の電車でピストル自殺をしようとして思いとどまった男を見かけた事からはじまります。パデイはその男(近所に住む)をパブに誘って酒をおごり、説得する。男は長年勤めた会社をクビになったばかりで将来を悲観していた。パデイは説得に成功したと思ったけれど、男は結局、川から死体で発見される。当然自殺と思われるが、パデイは疑問を感じる。
このつかみは結構OKだったんです、で、パデイは男の会社に行って、男の上司に彼が自殺したとは思えないと言う。でも証拠はまったくない。
そうこうしていたら、パデイは突然、会社をクビになる。で、何か自分に対して(男を死に追いやった人物から)圧力がかかっていると感じて調査をはじめる。
ここでパデイの友人のナップが登場。ナップが悪人とおぼしきヤツを尾行するんですが、ナップがあるレストランに行ったら、絶対絶命状態に→突然、マッカン少佐が助けてくれる(これはヘイズルリッグ警部シリーズだという事が判明します)

パデイ・ナップのコンビと彼らのフィアンセ達(ナップの大伯父さんも良い味だしてます)の素人探偵達(彼らのキャラクターは○なんです)が「何だかよくわからないけど、悪いヤツがいる」という感じで調査をしていくんですが、はっきり言って「もどかしいです」

犯人側も、パデイはともかく大物が身内にいるナップにまで手を出そうとするのは、とってもマヌケ&最後まで読んでいくと犯人の動機とか分かるんですが、それがとーーーってもまだるっこしい。
犯人の描写がつねに、探偵(?)側からみた「事実のつみかさね」でしかなくて、犯人側の感情とかが犯人側から描かれていないのも、つまらない原因かも。

訳が分からないうちに巻き込まれるってのは、イギリス冒険小説の典型のはずなんですが、主人公だと思っていたのが二転三転というのも珍しいかもしれません。

ギルバート「大聖堂の殺人」が一番面白かった気がするんですが・・・
(前にも書きましたが「十二夜殺人事件」は、犯人側も描かれていて面白かったです)

| | コメント (0)

ネタバレが一杯「世界の名探偵50人」

「世界の名探偵50人」藤原宰太郎 これも随分前に古本で手に入れましたが、ネタバレ満載の本です。
名探偵と、事件を紹介です。(厳密に言うと、探偵と解決する事件は一致してません。
ホームズが「密室の行者」を解決してますから・・・・

今はもう全然忘れ去られた「お色気探偵:メイヴィス・セドリッツ」「セクシー探偵:ハニー・ウェスト」なんて載っていますから、懐かしい方はとっても懐かしいかも・・・

| | コメント (0)

幻の探偵雑誌傑作選

光文社から ミステリー文学資料館のシリーズが(今も)出ていますが、初期の段階に「幻の探偵雑誌傑作選」のシリーズがありました。

昔にでた「ぷろふぃる」「探偵趣味」といった私は全然読んだこともない雑誌なんですが、その傑作短編集でした。
私が読みたかったのは、「京鹿子娘道成寺」(殺人事件)で、歌舞伎関係の本を読んでいた時に(それともミステリだったでしょうか)、そういうタイトルのミステリがあるとだけ書いてあったんです。(「長唄 勧進帳」(殺人事件)というのもあるというのも書いてあったような)

それで、ものは試しとばかりに買いました。
うーん。離れ業だって感じのトリックでした。

このシリーズがでなければ、絶対読めなかったろうミステリだと思います。

| | コメント (0)

ネタバレが一杯「ミステリ博物館」

間羊太郎「ミステリ博物館」三崎書房バニーブックス。(もしかしたら近年復刊された「ミステリ百科事典」と同一内容かしら?)を大分前に古書市で買いました。
「人体」 「眼」「首」といったような分類で、古今東西のミステリを紹介してます。

結構ネタバレにつながってます。
この本を読んだのは、かなりミステリを読んだあとだったのが幸いした気もしますが、(もっとも子供の時から、いろんな本でネタバレ読んでました)
私は翻訳物が好きなので、この本を買った時にはあまり日本ものは読んでいませんでした。
たまたま古書店で、この本に紹介されていた「断頭台」(時空を越えたミステリ?)が収録されている「月下の殺人鬼」(宝石傑作選集)をゲットしました。マリー・アントワネットと現代が交錯する作品でなかなかディープでした。

| | コメント (0)

多彩・多才 ウエストレイク

ウェストレイクはペンネームも複数ありますが(日本だとウェストレイクで統一?)、芸風が多彩というか、ドートマンダーシリーズ、単発シリーズだと「弱気な死人」(これ結構好きです)「二役は大変」(ミステリアスプレスでシリーズでてましたね)といったコメディや、「斧」「聖なる怪物」といったモンスター(?)もの「殺しあい」:ハードボイルドなどなど

とってもいろんな作品を書いたなぁと思います。
いろんな作品があって何人も作家がいるようです。

| | コメント (0)

続きがよみたい「サースビイ君奮闘す」

ヘンリイ・セシルの代表作(?)の翻訳です。
わたしは 真面目一徹のメルトン先生が、駅ですってんころりんして頭を強打して別人格になり、法律講義をする「メルトン先生」が好きなんですが。

今回のサースビイ君は、見習いのサースビイ君が法廷に立つんですが、まあ失敗というかいろんな法律のそれこそ抜け穴(?)が紹介されてます。
まだまだ見習いなので、法律(ユーモア)ミステリとしては、ヘンリイ・セシルの他の作品の方が機知に富んでいるような気がしますが、なかなか、才気煥発な女性も出てきて、続きが気になるシリーズです。
きちんと覚えていないんですが、セシルの作品には、他のシリーズの作品の登場人物がカメオ出演していた事があるはずですが、このシリーズはどうなんでしょうか?

| | コメント (0)

嶋中書店:グレート・ミステリーズ

もう絶版に(というか会社がなくなってしまった)シリーズです。
昔に中央公論社からでたシリーズを文庫化したもので、「新訳」ではないのですが、表紙が、「探偵」ではなく「作家」の似顔絵という趣向が楽しくて、何点か購入していました。
(本としては持っていたりする「ソーンダイク博士」「アクロイド」などなどでも買ってしまっています)
時々、古書市でも見かけます。

なかなか意欲的なシリーズだったのに残念です。
古書市で見かけたら「買い」だと思います。

| | コメント (4)

年をとると分かる「トミーとタペンス」の良さ

クリスティのトミーとタペンスシリーズは計5冊しか書かれてません。
登場の「秘密組織」(だったか)では二人の年を合計しても45才にみたなかったのに、最後の「運命の裏木戸」では孫が来るのを楽しみにしている70才過ぎの二人になっています。
クリスティの書いた本の量からすると、ちょっと少なすぎるなぁと思ったりします。

トミーとタペンスものは、純粋ミステリというより冒険小説風味なので、ニーズが少なかったという説をきいた気もするのですが、残念です。
昔は、トミーとタペンスはちょっとドタバタで、面白くないと思った事もあったんですが、やはり、年をとったせいでしょうか、長年つれそった夫婦のやりとりがほほえましく思えます。
私のもっているのは昔の真鍋博カバーのシリーズで、ある作品だと重要な手がかりが書いてあったり楽しかったです。
クリスティ文庫は文字が大きくなって読みやすいと言う友人もいますが、やはり、慣れ親しんだシリーズに愛着があります。

| | コメント (0)

ブラッドリー夫人が普通に思える「ワトスンの選択」

いつも強烈なキャラクターのブラッドリー夫人ですが「ワトスンの選択」では、普通に(?)変人でした。
シャーロック・ホームズの登場人物にちなんだ仮装パーティが開催される。
招待されたのはいずれも一癖も二癖もある人物ばかり・・・・
という趣向ですが、「月が昇るとき」「ソルトマーシュの殺人」といったブラッドリー夫人の強烈な印象は今回控えめ。
仮装する登場人物・・・こんなの良く考えついたなぁなどとは思いましたが、全般的に、普通の良質ミステリにしあがってました。
やっぱり、ホームズに敬意を表したんでしょうね。

ミステリチャンネルのシリーズもっと見たかったです。

| | コメント (0)

やっぱ、うまいなぁ「死の扉」レオ・ブルース

先日、創元推理文庫の目録を見たのに触発されて(?)、創元の(昔の)ミステリを読もうとしています。
「死の扉」を再読しました。

これは、キャロラス・ディーンの第一作だったんですね。再読して知りました。
23も長編があるのに邦訳されているのは「死の扉」を含め3作。これから出るのを期待してますが。
さて「死の扉」は、もう第一行から「○○が殺された日」って書き出しですから被害者(誰からも嫌われていて容疑者てんこ盛り)確定です。
その被害者が殺された現場に巡回中の警官が居合わせて、殺されてしまう。というストーリーです。

この警官がまきこまれるシーンが実に巧みな描写なんです。てっきりここから事件が始まると思ったら発見者が殺されてしまう・・・・・

キャロラスと教え子:ルパート・プリグリーのコンビも良い味を(「ジャックは絞首台に」の方がのってますけど)出してます。

この作品が素晴らしいと思うのは、色々な事が無駄なく計算されているという事です。
伏線がきちんとはられていて、きちんと推理が進んでいく。
古き佳きミステリです。

| | コメント (0)

後味が・・・「ねらった椅子」

ジュリアン・シモンズつながり(?)で「ねらった椅子」を読みました。
ストーリーとしては、主人公:デイブ(出版社の推理小説課の編集者)が編集長に昇進すると思っていたところに、同僚が昇進。
やけくそになって夜の女性と一夜を過ごす(デイブは結婚してます)が、彼の代わりに昇進した同僚が殺され、デイブに容疑が・・・・

デイブの一人称で書かれていて、「ぬれぎぬをはらす」ための彼の闘いなので、出版社を舞台とするところなどフィアリング「大時計」やラティマー「シカゴの事件記者」を思い出させる部分があります(うーん例えに出す本が思いっきり古いですね)
主人公の容疑は当然のようにはれるわけです。
普通のミステリであれば、そのあと平和な生活が訪れるわけですが、やはり、ジュリアン・シモンズはちょっと違います。

デイブは、自分の容疑がはれたことを喜んでくれた同僚達をみて、彼ら全員が自分が犯人に違いないと信じていたことを思い知ります。
そして(妻との絆は強まっているのですが)、ラストシーンは、容疑がはれても「人生」はまた別に進んで行く・・・という進行であって、「ミステリを読んでいる間はミステリの世界。本を閉じれば現実世界」というような棲み分けはなく、本の中にも普通の日常が展開していくわけです。

ミステリの趣向自体は、それほど目新しいものではなかった気がしますが、そこは、やはりシモンズ、後味悪いけど、読ませます。
そういえば、シモンズの「二月三十一日」も、解決がついたのか?というラストでした。

| | コメント (0)

クイーンの変貌の謎にせまる(+イラストがカラーで得した気分)「知られざる名探偵物語」

昔のミステリマガジンに連載されていましたが、文庫で一冊にまとまっています(古くて絶版ですが)
「知られざる名探偵物語」作家:ジュリアン・シモンズが、関係者にインタビューor独自に調査をするという形式で、「名探偵達」ホームズ、ウルフ、ポワロ、マープル、クイーンなどなどの隠された謎に迫るというものです。

ホームズの部分に出てくる「指輪」の絵が結構写実的で、かなりじっくり見てしまいました。
ミステリマガジンでは、文中にイラストがかかれていましたが、文庫本ではイラストがカラーというのは、◎ですが、最初のほうにイラストがかたまっているというのが難点ですかね、もっとも、絵のサイズなどありますから、それでいいのかなとも思います。

個人的に一番よかったのは、エラリー・クイーンに関する部分です。
国名シリーズの時のクイーンとその後のクイーンの性格の違いの謎が解明されて、わたしは(ずっと昔によんだんですけど)すっきりしました。

| | コメント (0)

「水平線の男」補足

この作品での中で作者は、被害者の教授に片思いしていた女学生:モリイにかなり思い入れしているようです。

モリイは、被害者に片思いしていた、先生が殺されたの混乱して、自分が殺したと言い出す(それも、病院に記事をとりにきた記者の誘導尋問?で)
そのモリイの描写をみると、作者がこれをかいた動機(と後書きにありあしたが)が少しだけわかるような気がしました。

| | コメント (0)

フェアかアンフェアかって以前のような「水平線の男」

ヘレン・ユースティス「水平線の男」は、私にとってはトンデモの位置づけではあったのですが(大部前に読みました)
バカミス再認識の意味で、再読したところ、認識が改まりました。

発表当時にフェアかアンフェアかと議論を呼んだそうです(あー、こう書いただけで、ネタバレにつながりそうな、でも、これ、入手困難&復刊はされないと思いますので、ネタはばらしませんけど・・・)
きっちり読んでいくと、はい、確かにフェアな記述。伏線も今考えるとちゃんとある。
うーん。発表(1947年)当時に、このトリック分かった人はいないんじゃないだろうか、これを読んだ時は、心底びっくりしましたもの。

えーと、犯人には言及しませんが、★ ★で重要なキーワードに言及しますので、知りたい方は反転させてくださいね。

あと書きによると作者は離婚後(作家活動がもとで離婚)この作品を書き、再婚して家庭に入るにあたって文筆活動を断念したとありました。

★ 作者は、離婚後ノイローゼになり、医者にかかり、その時を事をヒントにしてこの作品を書いたそうです。 現代ですと、何でもありなので、このパターンって考えつくかもしれませんが、当時はセンセーショナルだったと思います 

読みにくいとの指摘が多々あります。たしかに、最初読んだときはとっても読みにくくて、筋を追ってしまいました。今回、もう犯人が分かっているという事をたのみとして読んで、やっと色々な事が分かったわけです。
この驚きを他の人にも味わってほしいような、時代がもう追いついてしまったかもしれないような・・・・・といった気持ちです。

| | コメント (0)

レベッカより恐い「謎の佳人レイチェル」

「レベッカ」で有名なデュ・モーリアの作品に最近「レイチェル」というタイトルで翻訳された作品があります。
男性版レベッカとでも申しましょうか主人公(男性)の、従兄:アンブローズが海外で結婚(私はその女性とは会っていない)そして、急死。
私は未亡人:レイチェルに一目惚れしてしまう。しかし、私の心に、アンブローズの死はレイチェルが原因ではという疑惑が芽生えてしまう・・・・

私がこの作品にであったのは本ではなく、映画でした。見た時はタイトルも分かりませんで、あとで「謎の佳人レイチェル」と分かりました(数年かかりました)レイチェルは:オリビア・デ・ハビランド(「風と共に・・」のメラニー)「私」はあの「リチャード・バートン」です。

その映画はとても印象的で、たまたま私は古書店でみたデュ・モーリアの本が原作であると知りました。「愛と死の記録」というタイトルの本を後に入手しました。
映画を観てから、ずっと、あれは何て映画だったのか?と思っていたので、原作→映画が分かってすっきりしました。

デュ・モーリアはそれから数冊よみましたが、最近「レイチェル」が文庫になり、加えて「レベッカ」が新訳で出ているので、もしかしたら、これからいろいろ出るのかなぁと、ちょっとだけ期待しています。「情炎の海」(世界大ロマン全集)なんか、良いと思うんですが。

私思い違いをしていたのですが、この作品は、「女相続人」ハイミスの相続人であるハビランドが(美人なのに、あまり綺麗じゃなくみせるようにして)、金目当ての恋人:モンゴメリー・クリフトに復讐するという映画の翌年に公開されています。

「レイチェル」の方がずっと前の作品だと思っていました。
モンゴメリー・クリフトは、かつてエリザベス・テーラーの恋人と噂された事もある、テイラーの生涯の友人で、バートンは、テーラーと二度結婚・離婚した相手で、なんとなくハビランドとバートンの共演に因縁めいたものを感じました。

| | コメント (0)

クイーンのライヴァルたち「タラント氏の事件簿」

C・デイリー・キング「タラント氏の事件簿」は、「不可能密室物」=状況だけだと殆ど心霊現象状態をタラント氏がきちんと解き明かすという短編集です。

執事に日本人のカトーがいるのがご愛敬です。
どんなに不思議な話であっても、論理的な解決がある!とばかりに考えるタラント。
でも、不思議な事に、この短編集の最後では、それこそ「不思議なこと」がおこってしまうんですね。

怪奇趣味?というか、よく考えるなぁ~と関心する一冊です。
「オベリスト」シリーズの作者ですものね・・・

オベリストシリーズ「鉄路の・・」はカッパノベルズを図書館でかりた事がありますが、あとでそれは雑誌掲載を抄訳したという話を聞いたのですが・・・・確認してないです。

| | コメント (2)

イモジェーヌもロメオ警部も同じ人がかいたのね:シャルル・エクスブライヤ

「火の玉イモジェーヌ」シリーズ(古い・・・・「推理小説の整理学」にのっていた気がしますが)というイモジェーヌ・マッカーサリーというイギリス海軍情報部員のシリーズがあります。
スコットランドのハイランド出身(スコットランドにも高地と低地(イギリスに近いから?)で、差別がある?のを知ったのはこの作品ですが)

行動力がかわれてタイピストから情報部員に抜擢、はた迷惑な行動をとりつづけながら、事件を解決(周囲が?)するという豪傑でした。
ポケミス3冊翻訳されました。一瞬ロマンスもあったはずなんですが、あっさりそれは次の作品には消え去り、もうユーモアミステリに徹してました。登場人物にものすごいインパクトがあった記憶だけ残っています。

イモジェーヌってなんとなくフランス風の名前だなぁと思いつつも、あまりに「ハイランド」が強調されるので、作者がフランス人という事を失念していました。
エクスブライヤは、ロメオ・タルキーニ警部というもうひとつ強烈な個性の持ち主の警官を登場させてます。「すべての動機は愛である」 教養文庫のミステリボックスで「ハンサムな狙撃兵」「キャンティとコカコーラ」の2冊を読んだ覚えがあります。
とくに後者の方は、警部がプライベートで娘の嫁ぎ先(なんと、アメリカ人と結婚!)を訪れ、その強烈なキャラで周囲を圧倒する(ついでに事件も解決)という話です。

覚えているのは、ロメオ警部の奥さんがジュリエッタで、ヴェローナに住んでいるという「ロマンス」部分だけでした。
ミステリとは思わず、楽しんで読みたい方におすすめします。
現代教養文庫のミステリボックスは良いラインナップだったんですが、消えちゃって残念なシリーズです。

| | コメント (0)

哀しい登場人物たち ヒルダ・ローレンス「墜ちる人形」「雪の上の血」

何年か前に小学館文庫からヒルダ・ローレンス「墜ちる人形」が出ました。
これ自体は、探偵マーク・イーストものの第三作だったようです。
デパート勤務のルースは同僚から、女性専用アパートを紹介され、喜んでそこに行きますが、なぜか入居してからおびえている様子。(彼女がある場所で何か(誰か)を見た。というのが後にキーポイントになるのですが、クリスティの「鏡を横にひびわれて」を思い出しました)ルースが助けを求めて知り合いに必死に連絡しようとするのですが、クリスマス休暇で連絡がとれず。アパートの仮装パーティの日にルースは転落死してしまう。

たまたま彼女を売り子として知っていた金持ちの老婦人ビューラーは、探偵マークに調査を依頼する。びっくりしたのは、ルースが死んでしまった事です。てっきり、彼女がなんとか助かる話だろうと思ったんですが、彼女が何を怖れていたのかも分からないままに、彼女が死んでしまう。
調査の結果分かるのは、ルース自身が起こした事ではなく、彼女は巡りあわせが悪かったという事なんです。哀しい話でした。

ヒルダ・ローレンスの最初の作品(名義:ヒルダ・ロレンス)「雪の上の血」が発表されています。ここで、探偵マークは偶然に、例の老婦人ビューラと出会う事になります。
ここでも、最初に一体何が?というように、謎めいた話が始まります。
マークは金持ちの老人に秘書(身辺警護?)で雇われます。
そこには老人の友人夫婦、執事、数人の使用人がある邸ですが、何か謎があるような・・・そして、暇をとると言っていた料理番が事故死する。
ミステリというかサスペンスといった方が良いような始まりです。

ここに登場する人物達も、巡り合わせが悪い人々・・・という感じでした。
ヒルダ・ロレンスはヘイクラフトなどからも高い評価をうけているのですが、ミステリ作家としての活動期間が短く、また日本では早くに絶版になってしまったために、殆ど知られることのなかった作家のようです。
紹介の仕方が違っていれば、もっと読まれてた作家になった気がします。ちょっと残念です。(しかし、人名はロレンス、ローレンスと違って紹介されているので、Amazonなどで同じ作家として検索できないんですよね)

| | コメント (0)

意外にまとも?ジョイス・ポーター「ホン・コンおばさん」

ミステリマガジンにジョイス・ポーター(だめだめ ドーヴァー警部が有名)のホン・コンおばさんシリーズ「もっとおかしな二人」という短編が載っていました。

貴族の独身女性オノラブル・コンスタンス(渾名はホン・コンおばさん)は、超はた迷惑な女性で、自分の天職は探偵であると信じ、いろんな事に首をつっこむ。

ドーヴァー警部は、「事件が向こうから解決する」パターンなんで、ホン・コンおばさんもそのパターンかと思っていたんですが、この「もっとおかしな二人」は、その「はた迷惑パワー」は相変わらずで、「あいつが悪党」という先入観にとらわれまくっているのですが、それなりに推理している。
うーん。意外にまとも、アプローチの前提がかなり違うけど。今まで思っていたより論理的、「きちんとしていない(人間観察に基づかない)ミス・マープルのよう」とすら思いました。ポケミスも何冊か出ているので、再チェックしてみようかなと、思います。

(あーたしか「なまけスパイ」のシリーズのあったなぁ)

| | コメント (0)

古すぎ?ミステリというよりドラマ「マネキン人形殺害事件」

ステーマン「マネキン人形殺害事件」(かなり古いので、Amazonにタイトルすらありません)は、昔、ミステリ解説書にも紹介された事があるはずなんですが(個人的には「殺人者は21番地に住む」が好きです)
正直、かなり読みにくいと思います。
この本は大昔に何回かトライして挫折したのですが、今回改めてトライしてみました。
トリックは覚えていたんですが、それ以外はまったく覚えていませんでした。

事件は、ベルギー(ステーマンはベルギー人ですから)のある町に、間違った電車に乗ってしまったために警察官が途中下車するという「偶然」から始まります。
そして、翌日、その警官が電車に乗ろうと待っていたところ。
線路にマネキン人形が破壊されて(殺されて)ころがされていた・・・という事件が発生します。
ちょっと解せないのが、警官がなんとなくこの町に好意をいだいていないために(?)、彼は、「マネキンが殺された」事を執拗に調査しようとしはじめるって部分です。
何故、ほっておけないのか?何ですね。

で、まあこの「事件」がもとで、マネキンのモデルとなった人間の病死について、あれは「殺人事件」だったのか?という展開になっていくのですが。
まあ、当然ですが、病死ではなく、殺人事件だったんですね。
で、犯人は相手を憎むあまり、せっかく完全犯罪(?)が成立したのに、マネキンを殺して、犯行が露見するような事をやってしまう。
探偵役の警官にあまり魅力がない気がするのは私の偏見かもしれないのですが・・・・

決着の付け方も実に「演劇的」で、すごく「横溝的」(勝手に命名)でした。
舞台とか映画にしたら、きっとうけたろうにな・・・という「ふるーーーい作品」でした。

| | コメント (0)

爆笑「ピンク家殺人事件」 ヘイクラフト「ミステリの美学」

ミステリ評論集の大御所 ハワード・ヘイクラフト「ミステリの美学」
所収の評論には、どこかで読んだなってものもあるのですが、大収穫(?)は

クリストファー・ウォードが書いたパロディ S・S・ヴィーンダム著「ピンク家殺人事件」
ヴァン・ダインのおもいっりきパロディで、この作品読んだだけで、もう元をとって気持ちになりました。
お薦めします。

| | コメント (0)

原作があったのね「黒い絨毯」

映画:「黒い絨毯」…蟻の大群が人間を襲ってくるパニック映画&チェールトン・ヘストンとエリノア・パーカーのラブロマンスあり。
TVの洋画劇場で大昔に見たんですが、結構好きな映画でした。
朝日ソノラマ「魔の創造者」を読んでいたら、原作「黒い絨毯」があったんですねぇ。
原作は短編で、もう「蟻が来るぞ。俺は闘うぞ」って感じではじまってます。
ラブロマンスはなし。

もう蟻との闘いの恐怖という短編でした。
原作をみつけてちょっと得した気分です。

| | コメント (4)

脱帽・・・フィルポッツ/ヘキスト

「名探偵たちのユートピア」の紹介で、フィルポッツを読んだ話を前に書きましたが、フィルポッツ(ヘキスト)名義の、「医者よ自分を癒せ」「怪物」も読んでみました。

「医者よ・・・」は、主人公(私)が、イヤなヤツなんです。(死後その手記が発表されるという形式の小説なんですが)こんな勝手なヤツが、医者として成功して行くんですが、「悪党小説」として読むという事が「ユートピア」で指摘されてました。
単なる成功じゃないんです。自分の思いこみで、本当は幸せになれたかもしれない生涯をぶちこわしてると読者は思うんですが、本人はそうは思っていない・・・・うーーん。これってトンデモかもしれないという気がします。

「怪物」の方は、大昔に「このパターンで来ましたか」という作品なので、歴史的価値はとってもあると思います。
フィルポッツの作品は、単なる「ミステリ」ではなく、「こんなの書きますかぁ」という脱帽(脱力?)系のような気がしてきました。
この2冊はポケミスなので、まだ読むことができると思うんですが、有名な「誰が駒鳥を殺したか」は、今図書館でさがしているところです。

| | コメント (0)

マンガの方に思い入れがある「レディに捧げる殺人物語」

フランシス・アイルズ原作のこの本はマンガ(名香智子)で先に読みました。(おそらく、粗筋は知っていたと思います。or 映画「断崖」を見ていたかもしれないです)
私にとっては本の方は旧題の「犯行以前」で、マンガが「レディに・・」といった感じです。

このマンガは、とても、原作に忠実で、しかも、恋愛マンガとして体を成しているというとても素晴らしい作品だったと思います。
私の持っている文庫は、表紙がマンガと一緒なんですが、現在の文庫は、違うようです。
ミステリの表紙がマンガと一緒って当時としては結構画期的だった気がします。

マンガなので、原作のサイドストーリー部分を多少変えたりもしているんですが、それが、すっきりとしているので、本当に原作→マンガが巧くいった例ではないでしょうか?

ひとつだけ???なのは、主人公の夫が原作はジョニー(たしか黒髪)、マンガはランディ(金髪)という名前だったんです。
まあ、「ランディ」の方がいかにも・・・なんでそうしたのかなぁと思ったりしました。

原作を越えたと言ってもいいんじゃないかなって思っています。

| | コメント (0)

クイーンのライヴァルたち「ペンギンは知っていた」ヒルデガード・ウィザース

ヒルデガード・ウィザースが登場する作品はアンソロジー「犯罪の中のレディ達」などで知っていました。オールドミスの教師という設定で、けっこうは迫力があったと思います。

で、数年前に長編(第一作)が翻訳されたんですが、あらまあびっくり、若い(短編のイメージだと、白髪の先生だったきがするのですが)、長い髪をハットピンでまとめている。(アンティーク屋さんで、そんなハットピン見たことあるんですが、はい、十分、凶器として使用できると思いました)
実に楽しいストーリー&推理だったんです。
ヒルデガードも短編のイメージとはちがって、ちょっとハイミス(当時のね)ではあるものの、基本的にはロマンチックな女性だったりして・・・

本当に面白い一冊でした。
で、ラストのエピソードがすごく、ぐっと来たんです。(あーぜひ読んでいただきたいです)

しかし・・・・・シリーズして成功したためらしいんですが、(それとも長ーーーーーく書き続けられたため?)どうも、ヒルデガードのキャラが変わってしまったらしく、「ペンギンは知っていた」のラストシーンが好きな私としては、残念なキャラ変更だったんです。

長編・短編それぞれ、独立した世界として考えると、両方のキャラともとっても楽しいと思います。

新樹社からクイーンのライヴァルたちのシリーズが出た時、すごく喜んで買いました。
他の本の紹介もしたいと思っています。
最近シリーズが続いていないので残念です。

| | コメント (0)

ちょっとバカミス?ノックス「まだ死んでいる」

ロナルド・ノックス「まだ死んでいる」は、スコットランドの旧家にまつわるミステリです。
その家には、代々、長男が若死にするとか、一族のものが死ぬときには前兆があるという言い伝えがある家です。

跡継ぎのコリンは船旅に出ているはずなのに、道で死体が目撃される。あわてて、医者を呼びに行くと、死体が消えていた。
そして、三日後、また死体が(死んだばかり)出現する。
この前出てきた死体は、「前兆」なのか?
コリンの死んだ日によって、保険金がでるかでないかが、違ってくる。

動機のある人間にはコリンを殺す機会はないが、保険会社の探偵が調査に乗り出す。
死体が現れ&消えるのは1回限りですが、登場人物の思惑がいろいろ交差するところは、映画「ハリーの災難」を思わせます。
しかし、ノックスちょっとこればバカミス入っているような気がします。
いえ、英国風のユーモアってもんなんでしょうね。

| | コメント (0)

一番探偵っぽい「アプルビイの事件簿」

創元版ホームズのライヴァルたちシリーズシリーズの最後になりますが「アプルビイの事件簿」は、一番ミステリっぽいような気がします。
アプルビイズ・エンドを彷彿させるような、不思議な一族(?)が出てきたり、夫人とけっこう一緒に車に乗って出かけて事件に巻き込まれる・・・ってパターンが多くて、仲良くすごしているようですね。

ホームズのライヴァル達は、どちらかというと、「探偵」なんですが、アプルビイは「警察」なので、事件も解決もきちんとしているようです。

尚、アプルビイの短編には、ちょっと子供向き(?)「アップルビイ警部の事件簿」の事件簿があります。アプルビイの最初(少年時代)の事件が紹介されてます。こちらも読むと面白いと思います。

| | コメント (0)

創元推理文庫海外ミステリ・チェックリスト

ホック追悼の「ミステリーズ!」を読んでいてそこに、バックナンバーの記事があって、17号の特集が創元推理文庫の海外ミステリチェックリストでした。
で、チェックしてみました。(チューダー女王の事件のってました)

昔に出た本で図書館にもない本などは、最近のブームの復刊を待つしかないんですが、とりあえず、気になるアンソロジーは一応確保している事が分かり安心しました。

| | コメント (0)

犯罪も真面目・・・「ランドルフ・メイスンと7つの罪」

アブナー伯父で有名なポーストのもう一つの作品:弁護士ランドルフ・メイスンもの。
「法の抜け穴」を知り尽くした悪徳弁護士が七人の犯罪者を無罪にする。
今回出版された本に収録されているのは当然7編なんですが、個人的には半分近くが既訳なので、ちょっと残念。
そして・・・うーん。何かきまじめなんです。
アブナー伯父シリーズももともと苦手なせいでしょうか。このシリーズも悪人ものというより、「真面目に法の抜け穴」を検討しているって感じで、その意味では、面白くありませんでした。最初の短編「罪体」をすでに読んでいたせいかもしれません。
昔にこれを読んだときはかなりびっくりしたんですが・・・

| | コメント (0)

ホームズのライヴァルに入れてあげてほしかったなぁフィッシュ「シュロック・ホームズの冒険/回想」

「殺人同盟」シリーズのロバート・L・フィッシュのホームズのパロディは、いつも失敗しているホームズで、当然のように創元推理文庫のシリーズのライヴァルたちシリーズには採用されませんでした。
もっとも、作品がかかれた時代が新しいですし、なんですが、きちんとパロディしているので、(芸達者だし)けっこう楽しく読めるんですが、フィッシュ自体が忘れられているようで、残念です。

楽しいんですが・・・

| | コメント (0)

女王違い「チューダー女王の事件」

ブッシュの「チューダー女王の事件」を再読したのですが、そこで「チューダー女王」について大きな勘違いをしていた事に気が付きました。

おおよその筋は覚えていました。舞台で「チューダー女王」役を演じている女優が死体で発見される・・・・探偵役のトラヴァースは偶然のことから事件に関わり・・・・

役の「メアリ女王」だったんで、わたしてっきりスコットランドのメアリだと思ったんですが、よーく考えてみると、彼女はチューダー王朝(血筋はひいているけど)じゃないから、その女王ってエリザベス1世の姉の「ブラッディ・メアリ」の方だったわけで、そうすると、その小説の中での彼女の容姿とか年齢とかあるていど連想させるので、美人で有名だったスコットランドのメアリか、そうじゃないかったのは、大違いなんだなあと思ったわけです。

この本はたまたま手に入れる事ができてラッキーでした。
ブッシュはめちゃくちゃ面白いって訳ではないんですが、なんとなる気になる作家です。

| | コメント (0)

余技が売れたところはよく似ている「マーチン・ヒューイットの事件簿」

マーチン・ヒューイットの作品で有名な事件はアンソロジー等に収録されている「レントン館盗難事件」と「スタンウェイカメオの謎」です。

ヒューイットは、どうも最初の「ホームズの後継者(?)」だったようです。
ヒューイットは、他のライヴァルシリーズに比べるとちょっと地味な気がします。
探偵ではありますが、普通に(?)自分のところに来た仕事を、きちんと解決していく。
「レントン館」が有名なので、もう少し派手なのかなと思いましたが、「ごく普通」の探偵で、「人間観察」で地道に事件を解決していきます。
作者のモリスンは、ヒューイットで有名ですが、本人は他の作品が主だったそうです。
コナン・ドイルと同じく余技が流行ってしまった作家だったそうです。

| | コメント (0)

探偵としては影が薄いから有能?「フォーチュン氏の事件簿」

本の表紙は、ちょっとピーター卿系の(解説にもありまsがう)美食家の紳士。40過ぎても25才にしか見えない。「ケルビム天使」って渾名をつけられちゃう童顔・青い目のお医者さん。で、その専門知識で警察に協力する。

最近、論創社から「フォーチュン氏を呼べ」が出ましたが、それまでは「フォーチュン氏の事件簿」といくつかのアンソロジー(有名どころは「黄色いなめくじ」)でしか読むことができませんでした。

この「事件簿」は、実際は多数ある短編集からの収録のために、やっと婚約したフォーチュン氏だったり、夫人同伴で、イタリアに行っているフォーチュン氏だったりします。
フォーチュン氏は、いままでに紹介してきた「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」と比較すると、「普通で目立たない」感じがします。
医者であり、既婚者であるところから、どんな場所にいても自然であり、また、社交界でも受け入れられている。

でも、彼は周囲を観察しているわけです。些細な事・不自然な事から事件を解決していきます。「見ているから分かる」という探偵です。扱う事件は「子供」がよく出てきます。子供は弱いから、事件に巻き込まれたり、事件の遠因になったりという「ライヴァルたち」としては、異色な事件が多い気がします。
なんか、書かれている外見と、事件にかなりギャップがあります。
12もの短編集がでているそうで、後期の作品の評価も高いとのことです。
それって凄いことですよね。

これからまた短編集がでると良いと思う1作でした。

| | コメント (0)

映画「第3逃亡者」原作「ロウソクのために一シリングを」ジョセフィン・ティ

映画「第3逃亡者」は評判は結構よいのですが、残念ながら私は見ていません。
この原作を読むと、たしかに「巻き込まれ&逃亡」というヒッチコックの大好きなパターンの映画になったんだろうなぁと思います。

これって、グラント警部の登場(ティ名義では)のはずなのに、なんか影が薄いような気が・・・だって、女優のマータ(昔「時の娘」を読んだときはてっきり恋人と思ったんですが、いま思うと「仲良し」なだけ?)との事も、彼女のネックレスがなくなった事件を調査した時からの知り合い云々ってあっさりかかれているし。

と思ったら、事件の容疑者となる「青年」、グラント警部のファンで容疑者を助ける少女(これが実は警察署長の娘)エリカとか、脇役(?)が実に生彩があるんですよね。
ティは教師をやっていて、それが「裁かれる花園」に結実しているわけですが、ティの作品にでてくる「若者」って素晴らしいということに気が付きました。

「魔性の馬」の主人公や、「歌う砂」の冒険家達、そう思うと、この「ロウソク・・・」のグラント警部の位置づけって当然主人公であり、かつ狂言回しで、併行して「若者達」が描かれているんだなと思い至りました。
話の骨組みとしては、ある作品と似ていると思うのですが、トリックという点ではこれってティで一番だと思っています。

| | コメント (2)

ブランドの恋人たち「はなれわざ」「ゆがんだ光輪」「自宅にて急逝」

クリスチアナ・ブランドは子供の頃に「ふしぎなマチルダばあや」を読んだのが最初だとは思うんですが。(当時は作者なんて気にもしてなかったです。)

ミステリを読んだのは、「緑は危険」でした。私にロバート・L・フィッシュやダールを押してくれた同僚が、ブランド作品を貸してくれました。
で、わたしは、ブランド作品は、かなり(全部?)読んだと思います。
「心の闇」系の作品は苦手なので、どちらかというと「コックリル警部」があっていると思います。(コックリルものでは後味悪いのはありますけど)

ブランドが最初に書いた「ハイヒールの死」は、彼女が職場でいじめられてその仕返しに相手を作品のモデル(加害者でしょうか、被害者でしょうか、あの作品とっても、登場人物が生き生きしていますよね)にしたとか。
ブランドの作品の特徴として当時としては「許されない恋愛」を真正面から取り扱っていると思います。

もちろんクリスティでも「不倫」は扱われていますが、それは暗示されたり、「許されない行為」として悩んだりと、ある程度「道徳」の中で登場人物は苦悩して行きます。で、クリスティの恋人達は、基本的には、「幸せ」が用意されています。そこがクリスティの人気でもあるわけですが。

ブランドの恋人達は(恋人という描写が適切かという疑問もありますが)、一人の男性を恋する複数の女性の心の動きが実に巧みに描かれていると思います。
最高傑作は、「はなれわざ」だと思います。旅行者の一団が地中海のしまうサン・ホアン・エル・ピラータ島に観光に訪れる。その中には、コックリル警部を含めいろいろな人たちがいて、恋と憎しみが生まれていく。
メインとなる事件以外のストーリーもなかなか秀逸だと思います。
「ゆがんだ光輪」は数年後の島を舞台に、コックリル警部の妹:ハットが素人探偵となる物語で、前作とはうってかわって「殺人」はないけれども、ハットが謎を解き明かし、恋人たちは結ばれるという「お楽しみ版」になります。この2作で一作をなしていると思います。

「自宅にて急逝」は「白鳥の湖」邸にする富豪のサー・リチャードが親族達が、邸に集まる。彼らには財産だけではなく恋愛もからんだ反目がある。そしてサー・リチャードが急死する。例によって登場人物たちは、実際にモデルがいたごとく生き生きとかかれています。最後に、コックリル警部が謎解きをする犯人は、利己的ではあるけれども、切なくむなしい努力をした人間でもありました。このラストはかなり好きです。

登場人物が生き生きしているだけに、現実感があって、ある意味読後感が悪くなるというがブランドの特徴なのだと思っています。

| | コメント (0)

ライヴァルってより従兄弟(?)「ソーラー・ポンズの事件簿」

オーガスト・ダレスはどっちかっていうと普通は「ホラー」で有名だと思うんですが、ホームズのライヴァル(?)「ソーラー・ポンズの事件簿」も書いてます。
でも、ライヴァルというよりはっきり言って「従兄弟」(兄弟だと、お互いのファンに怒られそうです)のように似ています。
ホームズへのオマージュなんだと思いますが(大ファンだったそうで)、そっくり(良い意味ですよ)なんですよね。

なんか、それこそ、ブリキの箱から手稿が出てきたんじゃないの?状態でした。
イギリスには一度も行かずに書いたとか。さすがだ・・・・の作品です。

| | コメント (0)

これが(有名な)「ライノクス」だったのね。ゲスリン出ないんだ。

やっと、あの有名な「ライノクス殺人事件」読了しました。
噂でしかきいた事のない。あの有名な作品。
先日の「検屍審問」が◎だったので、期待は増すばかり・・・

最初に「結末」があって最後に「発端」がある。きっと発表当時は斬新な手法。
読んで思ったのは、もっと昔に読みたかったなぁ。自分がすれっからしの読者になる前に・・・・。
ライノクス社の登場人物達とかパブにいるただの登場人物に至るまで、生き生きと書かれていて、楽しいんです。「ある事」は、もしかすると(しなくても)気が付いてしまうかもしれませんけれど。

で、読み終わって思い至ったのは、この作品の根底に流れるのはユーモアとスポーツマンシップなんだって事でした。
そういう意味ではとてもイギリス的な作品なんだなと思いました。

| | コメント (0)

もう一人のジャック・ザ・リッパー「下宿人」

ベロック・ローンズの「下宿人」は作者が晩餐会で聞いた会話をヒントに書いたと後書きにあります。何かの話で、ローンズが、ある家に切り裂きジャックの頃(?)謎の下宿人がいたという話を実際に人から聞いた事から書いたと読んだ気がするのですが、単なる噂話だったのか、ただのヒントだったのかは分かりません。

ロンドンで下宿を営むバンティング夫妻のもとの大人しい「下宿人」がやってくる。
彼は金払いもよく、家を貸し切ってくれた。夫婦にとってはありがたい「お客様」
当時、「復讐者」となのる殺人鬼が夜霧のロンドンに出没していた。。。

夫婦とは全然無関係の事件であったが(夫の先妻との間の娘の恋人が警官なので多少の繋がりはあるともいえますが)、やがて、二人は事件に巻き込まれていく。

もしかして、この下宿人は・・・・・夫と妻はお互い別々に疑惑を抱き、それを相手に悟られまいと苦しんでいく。
疑惑を抱いていく過程が実に自然に描かれていて、(もとネタがある云々から)なにか、どこかの家で実際に語られてきた実話なのではないかとすら思ってしまいます。

ヒッチコックで映画化されたそうです。
ちょっと面白かったのは、親戚にあるお屋敷の女中頭の伯母さんがいて、彼女は、ご主人様が旅行中に留守をまかされているのですが、食器の手入れはともかく、風をいれるために(?)、あるじ一家のベッドに順番に寝ていくという記述があって、はぁ~そうなんだ。と思いました。

ここは絶対に実話だと思いました。近年復刊されたので、たぶん入手可能。あ、今しらべたら絶版。でも書店でみたことがあるような・・・

雰囲気のある作品です。

| | コメント (0)

運命はいつも残酷「迷宮課」シリーズ「罪なき者を捜せ」ロイ・ヴィカーズ

ロイ・ヴィカーズの迷宮課シリーズ:スコットランドヤードで他の部署がお手上げになった事件を担当する部署が担当(解決する)事件シリーズです。

「百万に一つの偶然」は有名な非常に有名な短編だと思います(私は読む前に「トリック」知ってました)刑事達の忍耐強い捜査や、偶然から事件が解決していきます。
しかもこれは「倒叙もの」なので、一見完全犯罪に見えるたはずが、ふとした事から崩壊していくのは、運命の残酷さをものがたっています。(もっとも彼らは犯人であるからには、法の裁きが下るべき存在ですけれども)

印象的な「ワニ皮の化粧ケース」 犯人である(心理的には従犯)である男性が、破滅の原因である女性をかばって自分だけがやった彼女か関係ないと主張するラストです。
刑事は、彼女がそそのかしたのは分かっているんだから、自分一人が罪を着ることはないと言いますが、彼は、紳士として自分だけだと言うわけです。
最初に読んだ時は、最期は紳士として死にたいという気持ちの表れと思ったんですが、今では、「あんな女」のために殺人を犯した事を認めたくないという気持ちだったのかもと、すれた考えをしています。

ヴィカーズの短編集「罪まき者を捜せ」ここに所収の作品がクイーンの「黄金の13」に掲載されているので、てっきり「迷宮課」だと思いこんでいたのですが、これは短編集ですがノン・シリーズでした。でも、迷宮課といっても良いような質の高い作品です。
ヴィカーズの短編集は読後感が良いとは言えないものが多い気がします。
それは登場人物が生き生きと描かれて、そして、確実に破滅(被害者と加害者)だからだと思います。被害者にとっても加害者にとっても運命はいつも残酷です。

| | コメント (0)

シャーロック・ホームズのライバル達「マックス・カラドスの事件簿」

アーネスト・ブラマ作品の主人公「マックス・カラドス」は、事故で失明した盲目の探偵です。カラドスに忠実で写真のような記憶力をもつ召使:パーキンスンや、職業探偵であるルイスの力をかりて、頭脳と、指先の感覚で、謎をとく。
半分安楽椅子探偵(のわりには行動的かも)しています。

「世界短編傑作集」にも作品が収録されています。これは定番なのでいつでも読めますが、「事件簿」の方は絶版状態です。(創元のこのシリーズは、近年ではかなり絶版が多くなってしまい残念です。復刊フェアとかでそのうちやってくれるのでしょうか?)

事件の関係者達が生き生きと描かれているのがとても面白いです。ある事件などは、その犯人二人がおそらく、当時のイギリスの実際の事件の犯人を連想させるはず(似たような話を「連続殺人紳士録」で読んだ記憶が・・・)と思ったりしました。

ところで、話は違いますが、ある作品に、コインをロウでかたをとって贋作をつくる云々という記述がありました。彫金をやる知人が、ワックスで型をとっても「縮む」から、そっくりなコピーをつくるのは大変だと教えてくれました。

| | コメント (2)

ギデオンでも「ギデオン警視シリーズ」

ギデオン博士から、ギデオン警視ものという安易な連想ですが。
J・J・マリック(この人がクリーシー名義で「トフ氏」ものを書いていると知った時は、ものすごくびっくりしました)のギデオンシリーズもなかなか忘れがたい作品だと思います。
警察小説もあまり読まないのではありますが、これも「失踪当時の服装は」と同様「推理小説の整理学」で「ギデオンと放火魔」がお薦めに載っていたので、たまたま図書館にあった「ギデオン警部と暗殺者」「ギデオンの一日」を読みました。

翻訳当時の謳い文句(?)は「イギリスの87分署シリーズ」とありました。
色々な事件が併行して発生して、ある一瞬に向けて各人の人生が交錯して、事件が結末を迎えて行きます。
「ギデオンの一日」は映画化されているそうですが、たしかにとても映像的だと思いました。

昔、読んですごく驚いたのは、「解決しない事件もある」(分かっているけど逮捕できない)という事がミステリとして書かれているという事でした。
私が好きな昔の本格物では、犯人が法の裁きをうけるかは別として、犯人は分かり、登場人物達は、それなりの(たぶん)ハッピーエンドを迎えて、ミステリは終わるというのが常套だったので、とてもびっくりしました。
そして、脇役の警官達が、職務のために殉職して行くシーンも・・・
昔の本格ものでも、警官が死ぬという事がないわけではありませんが、基本「死ぬのは主要登場人物orまきこまれ」であって、あくまでも、「ミステリという虚構の世界」をお約束としているのですが、警察小説という性質上、とても現実感のあるものになっています。

再チェックするまでは、けっこう昔の設定だと思っていたのですが、なかに「マーガレット王女の結婚式」の時の話題がでてきたり、あ、そうか、最近(?)の話だったんだなと再認識しました。
翻訳も1960年代で終わっているので(短編が「16品の殺人メニュー」に近年紹介されていますが)なかなか探すのは大変かものシリーズですが、探す甲斐はあると思います。

| | コメント (2)

ヒラーマン「転落者」読みやすかった・・・

チーの恋愛問題が気になったのでヒラーマン「転落者」を再読しました。

自分の記憶にあった事と本での出来事がずれていましたが、まあ大筋はあっていたような。
たまたまこの1冊のストーリーが独立性が高いのか、それとも過去にシリーズを読んだのが助けになっているのでしょうか、読みやすかったです。
山で遭難死体(白骨化)が発見される。身元は十数年前に失踪した白人男性。
リープホーンは警察を引退している(死体は彼が過去に失踪事件を調査した人物と判明)一方チーは地元で起こる事件を調査して・・・

「法のルール」と「ナヴァホのルール」とが並立する世界が、違和感なく描かれています。
チーの付き合う女性はいつも、上昇志向ある女性で(うーん。そのタイプに弱いのは分かるが、結果は目に見えているのでは・・・)この先どうなるんだろう(シリーズは続いているんだけど)

DHCも「アメリカミステリ傑作選」とか出したいたんですが、うーん。気が付くとあのシリーズも2003で終わってました(新進作家傑作選:内容不明は2006まであり)
ミステリからは撤退したのかも・・

| | コメント (0)

ミステリアスプレスが残っていたら、トニー・ヒラーマンは出版されてたのかしら?

ミステリアスプレスではいくつかシリーズものがありましたが、中でも異色だったのは、トニー・ヒラーマンのナヴァホ族シリーズ(リープホーン&チー)だったと思います。
ヒラーマンの「祟り」角川文庫(「推理小説の整理学」に掲載されていたような気がしてチェックしたのですが見つからない)は、その時すでに絶版。何とか読みましたが、正直すごく読みにくかった記憶しかありません。

ミステリアスプレスでも発表順と翻訳順は例によって違ってましたし、あのシリーズはミステリであっても「文化」を描く部分が多いため、謎解きを楽しむには不向きでした。
ミステリ部分もあるナヴァホ族の話と思っていれば問題ありません。

シリーズ自体は数年前にも書かれているようです。主人公の一人のチーの恋愛問題はどうなったんだろうなと思いますけれども。

ミステリアスプレスがなくなって、その後 DHCから「転落者」が翻訳され、その時はこれからヒラーマンが読めるのかと喜んだのですが、DHCもヒラーマンはそれ1冊だけのようです。(本自体は絶版になってますが、結構面白かった記憶があります)
ちょっと取っ付きにくい部分はあるのですが、単発でも読んでいくと味のあるシリーズだったので、消えてしまったのが残念ではあります。

| | コメント (0)

ミステリアスプレスの勝ち組:エルキンズ「骨の城」

ここ何作かエルキンズは私にとっては低調だったのですが、今回は復活と思いました。
舞台はイギリスの孤島の古城。うーん。舞台装置がありがたみがあったのかしか?
博物館にある「骨」を鑑定してもらえませんか→どうして、海辺の骨が殺人事件の被害者とまでいってしまうんだ。
というはた迷惑(?)な仕事熱心さで事件を見つけ出してしまうギデオン教授。
安心して読める一冊です。

しかし、エルキンズの本で思い出すのはミステリアスプレス「古い骨」オレンジの背表紙に、モン・サンミッシェルの写真が表紙。
あの本を読んで、もともと行きたかったモン・サンミッシェルに行ったわけなので、思い出が沢山ある本です。
ミステリアスプレスって一体どういう主張でラインナップを決めていたのかが疑問なんですよね(ミステリ文庫と明確な路線が違うってのは無かった気がします)

で、ミステリアスプレスがなくなった時でもエルキンズはミステリ文庫で読めるようになったのですが、かなりの本が消えてしまった(まだ古本で読めると思いますが)と思います。

まあこれだけ続くシリーズであり、それなりにコンスタントに面白いのでミステリ文庫でも続くのだと思いますが、割をくった本が沢山あるようで、ちょっと寂しいです。

| | コメント (2)

ちょっとさびしかったミステリマガジン「ホック追悼号」

えーと。発売日を勘違いをしていて、ミステリマガジンのホックの追悼特集をやっと読みました。翻訳者:木村二郎さんの追悼エッセーとか、初登場の短編などいろいろあったのではありますが、「追悼特集」というと、たしかスレッサーなどは、作品リストが掲載されていたりしたような気がするのですが、今回はリストはありませんでした。

もちろんホックの作品量は1000作を超える短編といわれているので、リストというのも理不尽という気持ちもあるのですが、せめてミステリマガジンに掲載されたホックの一覧があればなぁと思いました。

| | コメント (0)

手袋が気になる「灰色の女」A・M・ウィリアムスン

黒岩涙香、江戸川乱歩も翻案をした「灰色の女」です。
あたりまえですがとても古式ゆかしい感じです。
主人公のテレンスは伯父が買い戻すことになっている一族の館:ローン・アベイを訪れますが、そこで謎の美女(灰色の服を着ていたので「灰色の女」になるわけです。「白衣の女」をもじっているので本来は「灰衣の女」とでもなるんでしょうが、灰色=白黒決着がついていないという意味もあるのである意味正解かもしれません)
謎の美女は、彼の伯父に会わせてほしいと懇願する。彼女に会った伯父は動揺して心臓発作を起こす・・・・
この屋敷には過去に殺人事件が起こっている。

謎の美女は、不思議な手袋をして(小さい真珠で飾られている)いつもそれをはずさない。
過去の殺人事件の犯人も女(獄死)は、手にケガをしていた。
ミステリというよりサスペンスとして楽しみましょう。ある程度、予想がつくことがいろいろありますが、時代を考慮すれば、良い作品だと思います。発表当時はベストセラーで、今は顧みられていない作家になってしまったそうです。
屋敷の構造がよく分からない(うーん図面ほしい)などなどでしたが、一番きになったのは、「どんな手袋なんだぁろう」でした。

| | コメント (0)

時代を先取りした恐怖「刈りたての干し草の香り」ブラックバーン

1958年発表のブラックバーンの作品です。
ソ連のある村が軍によって焼き払われ、住人が収容所に入れられた。

そんな情報が、イギリスにつたわってくる。何が起こったのか・・・・・
第二次世界大戦で、ドイツが戦況を挽回するために、ある天才科学者が「残酷な兵器」を開発していた・・・・

昔の作品とは思えない怖さを秘めた作品です。
早すぎた登場だったのかもしれないと思いました。
これを機に他の作品も翻訳・復刊されるといいのにと思いました。

| | コメント (0)

ヘン!とってもヘン!「道化の町」ジェイムズ・パウエル

短編集「道化の町」を読みました。感想は「ヘン」の一言です。

最初の「最新のニュース」は、すごくツボにはまって、「ミスター・ニュージェントへの遺産」「プードルの暗号」と、面白いじゃん!と思っていたのです。
このくらいの「ヘンさ」はOKだったんですが、その後、「ヘン」が加速していって、面白いんだけど、わたしには行き過ぎかも・・・という感じでした。

というものの絶対に読むのをお薦めいたします。
その「ヘンさ」は「異色作家短編集」系でもなく、ちょっと、ファンタジーも入り交じっての、「パウエルという「メガネ」を通しての、ゆがんだ世界」という感じです。

わたしは、合わない作品もあるなりに面白かったのですが、買う前には、ちょっと中くらいに出ている話をチェックしてからがよいと思います。(最初の話は、あの本にしては。かなり普通ですので)

あと、ある「公国」がでてくるのですが、(4代にわたる探偵vs悪漢など)、後書きをよまないと???な部分が残念でした。

| | コメント (2)

ホームズの香り「延原謙探偵小説選」

ホームズ全集の訳者として名高い延原謙の探偵小説(短編)+エッセー等々集めた本です。
良い意味で「古めかしく」それでいて(ご本人が趣味で原書を読む→翻訳者になるというところがあったからだと思いますが)「西洋の香り」がする作品が多く。
何か、ホームズものを日本に翻案したような感じのするものもありました。文体のせいでしょうか・・・

評論も(昔のミステリ評論だと当たり前ですが)、「これは今○○という題で翻訳されてる」「これは、入手できないなぁ」とか思う作品がありました。
クリスティに関する評論が面白かったです。

この本の問題点は、分厚いことです。ハードカバーなのはともかく。
両手を使わないと読めない→通勤で読めないことです。
面白かったんですが、読むのは苦労しました。

| | コメント (0)

懐かしのシリーズ:シャーロック・ホームズのライヴァルたちから二人のプリンス「プリンス・ザレツキー」と「ピーター卿」

「プリンス・ザレスキーの事件簿」M・P・シール
プリンス・ザレスキーは「史上初の安楽椅子探偵」だそうです。
ロシア貴族の出身で、「あまりにも一途な、あまりにも不幸な恋に殉じ」国を追われ、隠棲してしまっている。で、作者のシールが話す事件を聞くと解決してしまう。

作品数も少なく、4つの短編しかありません。うち1つは50年後に書かれたにも関わらず紛失し、発見されたという小説のようなエピソードがあります。
すべてこの本に収録されています。というかその他の推理ものモンクシリーズ(当たり前ですがTVシリーズとは全然関係ないです)も収録されています。
表紙も、オリジナルの初版のデザインを踏襲していて、なかなか優れものと思います。

「ピーター卿の事件簿」セイヤーズ
こちらは、その昔に1冊でて、セイヤーズの長編が創元推理文庫で出版されるに及んで、2冊目が刊行されました。
そのため1冊目は茶色ベースの、「ライヴァルたち」シリーズの表紙。2冊目は長編と同じピンクの背表紙になってます。

私はピーター卿シリーズはハリエットが出てくる前の、きざったらしい推理マニアの時代の方が好きなので、短編集の方が楽しめます。
(ハリエットファンの方ごめんなさい)
いろんなパターンのピーター卿が2冊にまとまっていてたのしめます。

| | コメント (0)

古き佳きミステリ「或る豪邸主の死」コニントン

主人公(?)はイギリスの田舎の村に住む治安判事の大佐。
大佐は金持ちではないけど立派な人物で村の人々の尊敬を得ている(これで領地があったら良かったんだけど)で、近所の豪邸に「イヤな感じのヤツ」(金持ち)が引っ越してくる。
けっこうすぐにそいつは悪人(恐喝者)と判明するんですが。

そして事件が・・・知人が事件に関係してるんじゃないかと思う大佐は気が気じゃなくて・・
大佐にとっては「恐喝者は殺人者より悪い」というわけで・・・・

殺人光線あり、読者への挑戦ありという。(そうですね、きちんと手がかりはありましたから)
もう昔のきっちりとしたミステリです。

| | コメント (0)

懐かしのシリーズ:シャーロック・ホームズのライヴァルたちから「思考機械」「ソーンダイク博士」「隅の老人」

創元の「シャーロック・ホームズのライヴァルたち」シリーズを読み返しました。

大昔の版では表紙がホームズの帽子・パイプ・銃などといった写真のシリーズです(古い)シリーズ一覧に「ラッフルズの事件簿」が載っているのですが、後にでたシリーズにはなく、この本は一体でたのだろうか?などと思っています。

ミステリファンなら誰でも知っている有名なシリーズもあれば、最近では「そういえば、名前はきいたな」とかアンソロジーにあったなというくらいの知名度の探偵もいると思いますが、再読したものを少し紹介したいと思っています。

「思考機械の事件簿」フレットル
「2+2は常に4である」が口癖のヴァン・ドゥーゼン教授、「13号独房の問題」でとっても有名だと思います(作者のフレットルがタイタニック号で亡くなった事もふくめて)
創元だとトータル3冊ものになってますが、傑作集の早川文庫(とっくに絶版)もすてがたいと思っています。

「ソーンダイク博士の事件簿」フリーマン
最近、結構翻訳されているフリーマンの原点とも言える短編集です。
フリーマンは「歌う白骨」が有名ですが、個人的におすすめなのはちょっとロマンチックな「落ちぶれた紳士のロマンス」です。
しかし、ソーンダイク博士って昔はすごい年だと思っていたのですが、読み直すと、(老人ではなく)もしかして若い(中年?)などと発見がありました。

「アブナー伯父の事件簿」ポースト
アブナー伯父は説教くさくてにがてです。有名なトリックの作品とかありますが、いつもアブナー伯父さんの説教の印象がつよくて、ミステリとしては楽しめなかったです。
でも作者はちゃっかり悪徳弁護士(?)ものも書いているので、本人はバランスとってるんですよね。その弁護士:ランドルフ・メースンものも今度翻訳でるんで、読んでみようと思ってます。

「隅の老人の事件簿」バロネス・オルツィ
私は、ずっと隅の老人がいつも事件を解決しているんだと思っていたのですが、今回読み直して気が付いたことは、隅の老人は女性記者ポリーに語っているだけで、その後、(ポリーも含めて)何もしていないということです。
新聞に載っている記事から事件を再構成するけれど、犯人に法の裁きをって事は言ってない気がします(証拠があるかってのも疑問ですし)

ポリーも聞いているだけで、何もしていないような・・・・?
「最後の事件」(実際の小説はその後も書かれているというホームズ形式ですが)から考えると、隅の老人がある種の情報を知っていた可能性もあるし、まったく、新聞記事から適当(もちろんポリーを納得させる)な話を作っていた可能性もあるんだなぁという事まで考えてしまいました。

子供の頃から知っていたシリーズではあるんですが、新しい発見(?)でした。
この他「事件簿シリーズ」の残りをチェックしてみようと思います。

| | コメント (0)

リー・スローカム閣下最高!「検死審問」ワイルド

長らく復刊が待ち望まれていたパーシヴァル・ワイルド「検死審問」をやっと読みました。
もう 検死官のリー・スローカム閣下のファンになってしまいました。このシリーズ(?)は続刊が出るってことで、もう今から期待は増すばかりです。

法廷もの(?)のパターンで、公判の様子がずっと語られていきます。
ドラマの遣り手弁護士だと「異議あり!」の連発になりそうな、笑いにみちたやりとりがつづいています。
しょっぱなでは誰が死んだか分からないというパターンで、それぞれの登場人物達が生き生きしてすごく面白いです。

ミステリとしては、もしかすると・・・という点があったとしても、それは全然問題ではなく、もうユーモア(?)小説として、人物を楽しむことに徹ればいいんだと思います。

ワイルドは本業が劇作家だそうで、この本もドラマにしたらずいぶん楽しいだろうなぁと思いました。お薦めの1冊です。

| | コメント (2)

クェンティンの本格「死を招く航海」

実際はQ・パトリック名義の作品ですが、日本ではパトリック・クェンティン名義で出版されています。
「グリンドル・・」でも触れましたが、この作品、私はてっきり「若い頃=まだ、あのスタイルを確立していない頃」の作品だと思ってました。
形式としては、クェンティンが友人から、友人の妻が彼にあてて書いた日誌をもらい、それを個人が分からないように加工してミステリとして発表という形式をとっています。
主人公:メアリ(この手記を書き、無事に結婚しているということが冒頭からあきらかになっているので、犯人ではないという前提です)は、新聞記者で、盲腸の手術後の療養のため船旅をしている。(婚約者はアメリカに残して)

で、気晴らしをかねて、彼に日誌をかいている。そして、殺人事件が起こる。
船旅=密室。足長おじさんのような「書簡」(?)形式。
消えた容疑者などと趣向は満載。
クェンティンの登場人物にしては、みんな比較的ノーマル。犯人だって、ごく普通の本格小説っぽいです。

「グリンドル」の場合は、そう来たの?(えーと、「グリンドル」には、あるフランス語が出てくるんですが、それを検索したら、いろんな事例をが結構でてきました。・・・・読んでいらっしゃらない方にはまったく????だと思うんですが、そのフランス語に出会ったら検索かけてみてください)

しごく真っ当な、「エラリー・クイーンのライヴァル達」シリーズの名に恥じない名作だと思います。個人的には、いつものクェンティンよりずっとお薦め。

| | コメント (0)

ケルンには動物園もあったのね「グルメ探偵キュッパー」

ドイツのケルンを舞台にしたグルメ探偵(刑事)キュッパーが主人公のミステリです。
私ケルンには行った事があるんですが・・・・

後書きにもあるように、駅→駅前の大聖堂→ホテル→大聖堂の周りの博物館くらいしか行かなかったので、なんか、読んでいて最初のライン川の橋の遊歩道のシーンは実感として分かったんですが、あとは、この街どこ?という感じでした。

ケルンの駅には何でもそろっていて、駅のソーセージとか(当時はカレーソーセージが流行)とてもおいしかったです。レストランを探すのが面倒だと、駅の食事で十分でした。

もうケルンに行くことはないだろうと思うんですが(観光的には大聖堂が中心)、ケルンでとてもおいしいアイスクリームを食べました。近所にあったら毎日行きたいとおもうくらいおいしかったです。種類もすごーーーくあったんです。

| | コメント (2)

トルコ料理が食べたくなる「イスタンブールの群狼」

「主人公はイスタンブール」と友人に貸して貰いました。
19世紀(クリミヤ戦争とか出てきますもんね)のイスタンブールを舞台にしたミステリです。
主人公:ヤシムは白人宦官。スルタンの母后はフランス系(ナポレオンの皇后ジョセフィーヌと幼なじみ)などという設定で(母后がフランス系という噂はあったそうです。後書きより)
実際のトルコの歴史をふまえての、ミステリです。
でもミステリというより、そこに描かれる風俗:ハレムとか、バザールとかを楽しむ本だと思います。
作者:ジェイソン・グッドウィンはケンブリッジでビザンツ帝国を学び、イスタンブールに魅せられたと作者紹介にありますが、よく調べたなぁと思います。

主人公がやたら料理をつくる描写があって、実においしそうです。そういればトルコ料理は世界三大料理でしたよね。

昔(湾岸戦争前)に、友人がトルコに行ってすっかりトルコが気に入ってました。
最近の中東情勢からはなかなか旅行にも行きにくいんですが、バザール行ってみたい。(これは前々からなんですが)

せめてトルコ料理食べたいと思いました。

| | コメント (0)

講談社文庫(黒背)のミステリを復権させたい

ルマーチャンド「螺旋階段の闇」は講談社文庫のに「黒背」(かってに命名)のシリーズでした。
このシリーズのアンソロジーはかなり充実し&有名でもあります。(アンソロジーに関しては、またいろいろと書きたいと思っています。)
しかし、残念なことにミステリ:長編に関しては、「忘れられたシリーズ」となってしまっていて大変残念です。
黒背の翻訳ミステリ(本格もの)は基本みかけたらゲットするように心がけています。
このシリーズは、何があったのかがよく分からないのが難点なんです。
私が持っているもの、ラストの目録部分に掲載されている内容から考えるとかなりバラエティに富み、かつディープなラインナップと思っています。

もちろん、クリスティ、カー、フィルポッツと言った(訳者は別として)その後、比較的入手可能な作品は当然のようにありますが、「犯罪王モリアーティ」シリーズ(モリアティ教授の手下から見た話)これかなりレアだと思います。
ゴシック小説「オトラント城奇譚」があると思えば、「スパイになりたかったスパイ」ミケシュ(ミステリか?という視点はありますが)もあります。
「螺旋階段の闇」と設定が多少にているけど、対比すると面白い「さらばいとしのローズ」(アメリカのある田舎町でローズという女性が事故死して・・・)

タイトルが当て字(陰画応報とか)を使う「エイブヤード警部シリーズ」このシリーズはイギリスの田舎をモチーフにしています(いま考えると、この黒背にしては飛躍的に4冊も出ています)。ミス・マープルのような人間洞察はないんですけど。
「白背」のほうには、私のご贔屓のサーバー「空中ブランコに乗る中年男」とかオハラ「親友・ジョーイ」など、文学(?)系なのでしょうか?
黒と白の分類がどうだったかは不明です。(アポリネールは確か黒背だったと思います)

今は講談社文庫のミステリといえば「青」
D・ハンドラーのホーギーシリーズは結構贔屓だったんですが、シリーズが終わってしまったこともあり、講談社文庫のミステリはどっちかというと読まなくなってしまっています。
うーん一体いつから「青」になったんだろう?

黒背のミステリは知名度が低かったので(たぶん。もちろん知名度が高いのは、他からでてますんで)1冊こっきりになってしまい、それっきりになってしまったんだろうなと思います。復刊.comで得票を集めるには、それなりに有名(支持者がないと)無理ですからね。
版権とかいろいろとあるから復刊って難しいとは思うんですけど。
水準が高いものが揃っていたので残念です。
しかも、例えばマクロイ「絶版三部作」とかだと、いつも、読みたいと思っている人がいて、実現するかは別として、復刊してほしいという声があがるわけなんですが、ここらへんの本は、マイナー(?)なために、声もあがらないんですよね。
そりゃ、マクロイの三部作と比較するのはちょっと違うと自分で突っ込んでしまいますが。
早川や創元だと、定期的に(最近不本意な事がおおいんですが、今年は違うかも)復刊がありえるんですけどね。

| | コメント (0)

主人公は図書室?「螺旋階段の闇」ルマーチャンド

古典の翻訳ブーム「推理小説にみる古書趣味」で言及した「螺旋階段の闇」ルマーチャンドについてご紹介します。
この作品、古めかしくて(って誉めているんですが)とても好きな作品です。
作者のルマーチャンドは教職(校長先生までやってます)引退後60過ぎで推理小説を書き出したという異色の作家です。
この作品は67年に書かれたのですが、まるで黄金期の味わいの作品です。
主人公のイーヴリンは名家の出身ではあるけれども実家にお金がなく、大学に行けずに就職。独学で学び、ある程度お金をためて故郷に戻ってきた。中年女性。
彼女は祖父の蔵書をもとに作られた文芸協会で本を読むのを楽しみにしている。
(本家は金持ちで、手広く事業をしているけれどイーヴリンを相手にもしてくれない)
調べ物をしていた彼女は、助手のローラの不審な動きを(何かを抜き取っている)のを見つけそれをこっそり奪い返す・・・

ルマーチャンドが愛読していたであろう黄金期の作品を自分も書いてみた。そんな作家です。これが翻訳された時点で、ポラード警部もの11作が書かれているとあるのですが。
翻訳作品はこれ一作。これからも翻訳されるかってのは無いような気がします。
もう一作くらい読んでみたいんだけどなぁという作家です。

| | コメント (0)

アマンダのモデルは?

たまたま、アリンガムの記事を見つけました。
妹が語るには、キャンピオンのモデル:性格の部分は、アリンガムの夫のフィリップの暢気で明るい性格を反映しているそうです。
マージェリーは子供の頃は家庭教師がついていたお嬢さんだったそうで、二人の出会いはマージェリーが十代後半。で、結婚まで6年かかったそうで、二人のエピソードが反映されているそうです。

| | コメント (0)

アマンダ最高!「甘美なる危険」

ちょっと前に読んだんですが、感想を書くのを失念していました。
一言で言うと「あっぱれ、アマンダ」です。
返す返すも順番に読んでみたかったなぁ・・・

「屍衣の流行」でのアマンダがすごーーく唐突に思えてたんですが、その前振りである「甘美なる危険」を読んでいれば、ここはとっても納得できたような気がします。

よくを言えばアマンダ「甘美なる危険」で、もう少し子供だった方が(年齢に比べると、子供っぽい部分が大ありではあるんですが)、ラストのセリフが決まると思うんですが。

アマンダがこんなに活躍するのは他にはないと後書きに書いてあったのが、残念です。

| | コメント (0)

私の見る目は正しかった「あなたに不利な証拠として」

ローリー・リン・ドラモンド「あなたに不利な証拠として」がもう文庫化されます。
ポケミスで出て(近年、ビッグネームじゃなくて短篇集が出たってだけでもすごいけど)すぐに「表紙つき」別バージョンまででたと思ったら、もう文庫化。いやぁ、すごいは。

ドラモンドのこの本自体は「うまいか?」と聞かれれば「うまい」と、「好きか?」と聞かれれば「苦手(読むけど)」というタイプの本です。
たまたま、表題作になった短編をミステリマガジンで読んで、すごい筆力だなと思ったんです。そしたら、あれれ。もしかして、スゴイ人だったね→私、見る目あるじゃん。と思ったわけです。
好きかと言われると、うまいし読みたいけど、好みではないと答えますが。

古いミステリマガジン読んでいて、あ、この人いいなと思って調べてみると、結構ちゃんと書いていたりすると。ああ、良かったと思ったりします。
近年、何かのアンソロジーを読んでいて、うまいなと思った作家がいました。で、調べてみたら、ダグ・アリンで光文社から短篇集まで出ていたんです。その時も、自分で喜んでしまいました。

| | コメント (2)

うーんその手できましたか「グリンドルの悪夢」

パトリック・クェンティン(面倒なので、以下「パトQ」・・・ひどいヤツ)のイメージって「二人の妻を持つ男」とか「愚か者達の失楽園」とか(あーー内容憶えていないけど)くらーーいイメージが残っている作家です。

Q・パトリック(以下、「Qパト」という名前を見たときには、たんなる誤植と思いました。
実は別名義なんですよね。でも別名義っていってもこの人は、合作作家で、あーーややこしい。なんですが。

「死を招く航海」(エラリー・クイーンのライバル達シリーズ)を読んだとき、その本格ミステリぶりにまるで別人のようだと思いました。実は別名義のQパトの作品だったことを、後で知りました。
前置きが長くなりましたが、「グリンドルの悪夢」「うーーんその手で来たか。って誰が分かるんだこの犯人という気持ちで一杯でした」
時代を考えるとかなり斬新だったかも。

えーと多少ヒントになる事にふれます。★ ★の間の部分を反転させて読んでください。

正直読み終わって思ったのは、これってある実際の事件 ★ ヒッチコックで映画化されています  カメラワークが有名   ★ がなかったら考えつかなかったんじゃないのか?って事です。
最初はもっとおどろおどろしいのかと思ったんですが、主人公二人の多少ボケとツッコミ風の息のあった(?)やりとりが、最後の結末が分かってみると、ちょっと面白いです。

あと、まあ、犯人の事はおいといてですね。
ストーリーにロマンスが出てくるんですよ。それはある意味、ミステリの常道でもあるわけですが、冒頭の主人公達の「素晴らしい独身生活」が周囲の既婚者達の憧れのまと云々って箇所と、パトQの(いや、別名義の作品ですけどね)描くミステリの結婚生活の恐ろしさを思うと、「君君、惚れられたからって(相手の女性がすばらしくたって)、快適な生活を送っているなら、何も・・・」って思っちゃうんですね。
だって、パトQに出てくるカップルって、結構悲惨なんですもの。

前に書いた ホープの「恋の謎々」は実に、そこらへんをうまく描いていたんですよ。
満ち足りた学問に没頭する生活をしている学者に片思いを気づいてもらいたい女性。
学者は、完全に第三者の問題として、そんな充足している生活をしてたら、家族は必要ないし、万一騎士道精神で一緒になったらお互い不幸だと。

今回は、1.犯人は分からないよ。2.パトQが「真っ当なロマンス」を書くと、つい、疑っちゃう。と思っただけのような気がしました。

最後に、個人的には「登場人物一覧」がないとミステリという気持ちがしないので、ちょっと居心地が悪いという感じがしました。

| | コメント (0)

「松風の記憶」中村雅楽シリーズ最終巻

前回の「劇場の迷子」が面白かったので、かなり期待したのですが、今回は、ミステリ(長編2作)は、あんまり・・・・でした。
代わりに、巻末付録というか雅楽シリーズに関するエッセーとかいろいろ載っていて、そっちの方が面白かったです。

「松風の記憶」は新聞連載の作品だそうです。
私にとって雅楽シリーズは、歌舞伎のこぼれ話などの「お楽しみ」が主眼であって、ミステリを重視していないところがあります。もちろん謎解きは楽しいんですが。

「松風の記憶」は、その中に色々な趣向がつめこまれていて、短編何本かかけるのに。。と思わせる部分があります。
問題は(あくまでも私にとって)、主要な登場人物に共感できない事です。あと、いくら何でも(どんなに練習したって)日本舞踊を踊るのにはもっと時間がかかるんじゃなどなど、つっこみどころが満載だったんです。

前作では、雅楽のお気に入りの女性編集者が、結婚して・・とか、昔の初恋の女性の孫に会うとか、いろいろと雅楽の人生の彩りが描かれていたのですが。
そっちが事実上の最終巻だったんですね。

巻末エッセーは江戸川乱歩の思いでとか、本当に楽しめました。
「団十郎切腹事件」の元ネタになったきっかけとか。

| | コメント (0)

思考機械+ミス・マープル=「九マイルは遠すぎる」

ご存知とは思いますが、「九マイルは遠すぎる」というものすごーーく有名な短編があります。同名の短篇集を読み返しました。
作者のケメルマンはのこニッキィ・ウェルト教授もの以外に、曜日ではじまるタイトルのラビシリーズも書いています。(その話は別として・・・)

巻頭をかざるこの短編があまりに有名なために、もう「九マイルは読んだ」気になっている方が多いのではないでしょうか?
私もちょっとそんな感じはありました。もちろん、「論理」を重んじるという主旨なので、警察が捕まえた容疑者=無罪&犯人は意外な。というように展開するので、ある意味、証明はどうやるんだろう?というのが主眼になる部分はあるんです。
教授という職業柄ちょっとだけ「思考機械」に通じる部分もあるとは思いますが、ニッキィはもっと人間味あるれる先生という感じです。前に読んだときはすごーーく年配かとおもっていたんですが、語り手のわたしとは年齢はそんなにはなれていない云々ということから中年くらいかなとも思いました。新たな発見です。

ピーピー鳴るケトルの音から犯罪を未然に防ぐなんて(「おしゃべり湯沸かし」、まるで、ミス・マープルのような感じです。
もし「九マイル」しか読んでいないかたがいたら、ぜひ、1冊読んでください。

尚、昔、夫に「九マイルは遠すぎる」の話をしたんですが、それから私がTVとか、出来事とかで「○○かな、△△かな」と考えていると(決着のつくミステリとかではないことですね)
「九マイルやっている」(考えてもムダなことをしている)と言われます。

| | コメント (2)

2時間ワイドじゃなくて冒険小説だったガーヴ「ギャラウェイ事件」「遠い砂」

「ヒルダよ眠れ」は学生時代に読んで(はい、人生経験浅いですね)友人と共に、つまらない。ヒルダの性格(モデルは絶対に実在している)の描写がすごいってみんな(きっと世の男性)が絶賛しているけどねぇ・・・・
と話あった覚えがあります。何か、ミステリとしてはつまらなかった(あくまで記憶)覚えがあるので、その後も再読せず(持ってますけど)まったく、範囲外です。

好きな作品は「ギャラウェイ事件」
主人公の青年は旅先で素敵な女性と巡りあい恋に落ちるが、彼女は突然姿をけしてしまう。彼は必死に彼女を探しもとめる。
これって、彼が彼女を探しあてるところまでは、息をもつかせぬという感じで素晴らしいんです。私も友人も大絶賛。しかし、その後、彼女が彼の前から消えた原因と、それを解決するための話になると。なんかふーーーん状態だったんです。
この前半部分は「ロマンス&サスペンス」として捉えると素晴らしいものがあります。
(カックー線事件はイントロは普通の家庭が描かれているので、あてはまらないんですが)

カーヴの「いきなり感」=つかみはばっちりというのはさすがなんですよね。
といつもおもってました。「つかみはOKなんだけど、ある事件が起こってからがなんとなく・・・」これ「ギャラウェイ事件」を読んでの正直な感想。
彼女を探しあてる前半部分と、それかの後半部分は、気持ちは別の話のようです。
もっとも、後半部分もそのトリックは素晴らしいと思います。(「犯人」が分かると安心しやすいタイプの小説ではあります)

しかし、ですね。「遠い砂」(これも好きなんです)を再読して分かったんです。
今更ながらですが、主人公は「僕」なんだと。
「遠い砂」のつかみ、主人公が後の妻となる女性:キャロルに出会うシーン&恋におちて結婚する所は本当にぐいぐい読ませます。
「ギャラウェイ事件」は彼女を見つけるのがものすごい山場だったので、その後が、気持ち的にはもりさがった部分がありますが、「遠い砂」はいきなり感が持続したまま事件に進展します。
主人公は外交官、旅行先でキャロルに出会い一目惚れ、ロンドンでの再会を約束。で、もう、出会ってすぐにプロポーズ。(夢中になるのは分かるけど、ここらへんすごーく唐突だったなぁ。「百万ドルをとりかえせ」でも主要人物の貴族が、女性にひとめぼれして、あっさり結婚するシーンは唐突だったな)
良家の子息の結婚ってこんなに簡単なのか?
彼女には一卵性双生児の姉:フェイがいて、年上の金持ちの男性と幸せな結婚生活を送っている。しかし、その姉が夫を殺して自分も事故死したような状況で発見される。
フェイとそっくりなキャロルも財産目当てなのか・・・・彼の心に拭いきれない疑惑が。
姉の無実を証明してみせると言う妻。姉の無実=自分の無実である。自分を愛しているなら姉の無実を信じることができるはず。妻のために彼は、調査をはじめる。

「カックー線」ってそういえば、真相に近づいた所で、トンデモない事件が起きて、主人公達はもう絶望的になるんですが、それでも闘いぬくわけです。
「遠い砂」も真相が分かってきてからが、肉体的にとっても大変になってくるんですね。

最後は当然のように解決&ハッピーエンドなんです。
最後を読んでわかりました。あ、これは冒険小説だったんだ。
男の物語なんだ。だから、「ギャラウェイ」をロマンスもののように読み始めるとヘンに思うんだ。
これって騎士が愛する姫のために、ドラゴンを退治する話だったのね。とそう思いました。
この2冊は、ロマンスの色合いが濃いので特にそう思うのかも知れません。
どの本だったか忘れましたが、ミステリの書評で、「メグストン計画」をはじめガーブをほめてました。ガーブを誉める人は基本男性のような気がして、やはり冒険ものだからでしょうか。

サスペンスと思っていたら、おっとどっこい冒険小説のガーブですが、映像にはぴったりの作家。「遠い砂」も(未見ですが)サスペンス「渚の女」:浅岡ルリ子主演になっているようです。

| | コメント (2)

映画「それでもボクはやってない」から「カックー線事件」ガーヴを思う・

たまたまTVを見ていたら、映画「それでもボクは・・・」をやっていたのです。
途中から観ました。映画の決着のつけかたには、心底びっくりしました。

この映画から「カックー線事件」ガーヴを思い出しました。
事件は、主人公の父が、列車の中で女性にいかがわしい振る舞いをしたと(目撃者あり)逮捕される。その後、女性が自分にも誤解されるような行動があったと訴えをとりさげる。
しかし、父は自分には非がないのだからと相手を名誉毀損で訴えるという(弁護士はかえってスキャンダルになるととめる)
そんななか「その女性」が殺される・・・・・

何故父がまきこまれたのか、彼女は何故ころされたのか、主人公と兄、主人公の婚約者達は真相をみつけようとします・・・・

海外の列車はコンパートメント(当時?)なので、密室になってしまう。
若い娘がおびえるというパターンの話はそれまでにもありますが、それまで普通の人生を送ってきた初老の男性が被害者となるというガーヴの着眼点はすごいと思います。

最近これ以外のガーヴを読み直していたのですが、いままでサスペンス「2時間ワイド」の原作にぴったりと思いこんでいたのですが(いや、実際、ヒッチコック劇場とか原作になってますが)私が思いこんでいたのは、「まきこまれるヒロイン」彼女を救う男性という図式だったんです。ある意味それは正しいのですが、実は、ガーヴって冒険小説だったんだと思うに至りました。
それについては、次回に書きます。
しかし、ガーヴ、Amazonで調べると(中古では入手可能ですが)けっこう絶版ですね。

「ヒルダよ眠れ」より他の作品の方がずっと面白いとおもっているんですが・・・・

| | コメント (2)

私の原点「世界短編傑作集」1-5

実家に行ったついでに「世界短編傑作集」1ー5とその他古い本を持って帰ってきました。
まだまだ持って帰りたいアンソロジーは沢山あるんですが・・・・・

もちろんこの本は何度も読んだし、タイトルみただけでほぼ内容を憶えているものも多いかと思っていますが、自分の原点でもあり、また、最近の古典ブームでその他の作品を読めるようになった作家(ウォルポールの短篇集がでるなんて思いもよらなかったなぁ)もいますが、おそらく、この短篇集の他には(絶版本)読めない作家もいると思います。

きちんとこの短篇集を再読して、他の作品などいろいろ紹介したいと思います。

| | コメント (0)

「ミステリ十二ヶ月」

子供向き(?)にミステリを楽しんでもらうための連載を一冊にまとめた本です。
これからミステリを楽しんでもらうという事を主旨としているので、クイーンの四部作だと、まず「Xの悲劇」を読んで順番に四部作をという風になっています。

いろんな発見がありました。
浜尾四郎「殺人鬼」は、二度読むと面白い→読みかえしてみようと思いました。
とか、この本を読んでとりあえず図書館に予約をしたものもあります。

挿絵にも趣向があって面白いです。

| | コメント (0)

「ビーコン街の殺人」もあった「探偵小説のプロフィル」

ちょっと過去の翻訳について調べ物(?)をして、井上良夫の「探偵小説のプロフィル」をチェックしました。
井上良夫は戦前に自分で洋書を取り寄せて読んで翻訳をしてといった活動をして、乱歩とも交友があり・・・・と古典の翻訳では必ず出てくる人ですが、病気で昭和20年に亡くなりました。

井上良夫が翻訳した作品は、当時の時代のせいで抄訳が多く、現在では他の人の翻訳で本は出版されています。先駆者ではありますが、その翻訳は今は目にする機会があまりないようです。
「探偵小説のプロフィル」では、井上良夫が読んだ海外の作品が多く紹介されています。
「ビーコン街の殺人」が出ていたのにはびっくりしました(過去に翻訳しているそうです)
紹介されている本は、時代のせいで、「Xに対する挑戦状」がマクドナルドの本ではなかったり(ただし、よく作風が似ていると言及していたり鋭いところがあります)
フィルポッツとヘキストは(クイーンが同一人物ではと指摘しているものの)その時点では、まだ別人になっていたりします。

現在読める本のタイトルが違ったり、紹介されているけれどおそらく読むことはできないんじゃないと思う本があったりします。
今の翻訳ブームではもしかすると翻訳されるかもとも思いますが、あまりそんな可能性はないのではとやはり思います。
過去の本を知るという意味でも、読むと為になる本です。

| | コメント (0)

あ、読んでない短編「猿の足」新青年傑作選(翻訳編)

「猿」つながりで思い出した事が。
新青年傑作選(翻訳篇)を読んだときです。「マイナスの夜光珠」とかそれまで名前しかしらなかった短編が目当てで入手しました。
「猿の足」という短編が、あ、こんなの読んでない!と喜びいさんでよみはじめたところ・・・・がっくり。「猿の手」でした。

おかしいと思ったんですけどね。名前に聞き覚えが・・・とか、いや、しかし、「猿の足」が「猿の手」になるんですよね。
その時の喜びから、急転直下の失望。
うーん。プチジェットコースター状態ではありました。

| | コメント (0)

ソーンダイク博士シリーズ「猿の肖像」人間性とは・・・

ソーンダイク博士もの:長編がこんなに翻訳されるなんて・・・・ちょっと感慨にふけるのでありました。
ソーンダイク博士と言えば、実験キットを持って、物的証拠を推理する「短編集」が中心で、「赤い拇指紋」だけが翻訳されたのみという印象が強いんです。あ、「ダーブレイの秘密」も近年重版されてますね。
で、わたしの先入観(ペンローズ失踪事件の時にも書きましたが)では、どっちかというと、危機に陥った女性を博士の周りの人物が助けようとする騎士道的な事件が多いのだと思っていました。

で、それが「ペンローズ」であれれ、とおもい。
「猿の肖像」では、あ、違うと思ったわけです。
事件のきっかけは、博士の弟子にあたるオールドフィールド医師が代診(あー、ワトスンみたい)に行った先で、事件にまきこまれる。正確には、泥棒に襲われた警官(すぐに死亡)を見つける。→第一発見者だけど疑われないのはまあOKとしましょう。(彼には争った形跡もなかったし)で、それはそれとして、別な土地に医師として出向いて、そこで、原因不明の病気に苦しむ患者がいて・・・・・

そこからが、ソーンダイク博士の出番になります。
話の展開としては、ある程度は予想がつきます。そして、「物的証拠」をつきつめていくと真相に行き着くわけです。
この話から(ちょっと、ヒントになってしまうので★ ★ で反転させます) ★ バリンジャー「歯と爪」 ★ を思い出しました。

つまるところ、ソーンダイク博士シリーズも「物的証拠」だけではなく、人間性の物語だったわけですね。

| | コメント (2)

あ、「時の娘」の表紙はリチャード3世じゃなくなってる

書店で文庫をチェックしていて、なにげに「時の娘」の表紙をチェックしました。
まさか変わってないよねと思って。
そしたらなんと私が持っている「リチャード3世」が表紙版ではなく、ロンドン塔の絵が描いてある表紙でした。

あーー舞台はロンドン塔なんだけど、などと思ったんですが、中はチェックしてないので分からないんですが、あの話はリチャード3世の「顔」に、グラント警部の「勘」が・・・という話なのですから、表紙はリチャード3世であってほしかったなぁと思いました。

名前としては有名ですけど、イギリス人とちがってリチャード3世の顔はそうすぐに日本人には思い出せないはず。(いや、グラント警部だって、すぐにはピンとこなかったんだから、イギリスでもマイナーなのか?)

例えば、イギリスで日本の歴史ミステリが出版され「源頼朝」の顔が重要なキーになっているのに、それが表紙になっていないようなもんではないのか?(織田信長とかの方がたとえとして適しているのであろうか?)

などと思いました。
まあ、ナショナルポートレイトギャラリーにある絵ですので、最近は著作権とかうるさいのかもしれません。
しかし、本の表紙って、それで記憶してたりするので、変えないでほしいなと思います。
(一番のショックはクリスティ文庫ですけど)
黒後家やアイリッシュ短篇集が変わったのはショックでした。

「ビロードの悪魔」は2パターンの表紙で持ってます。

近年はけっこう「可愛い」表紙になったものも多く、記憶と違う・・・・と老人状態です。

函つきのポケミス(いつの時代?ビニールカバーなし)
函付き世界ロマン全集(創元)、世界推理小説全集(創元)などなど、時がとまっているような本が・・・・

| | コメント (0)

地下鉄のルパンと銭形警部「地下鉄サム」

先日、古典の翻訳ブームのところで言及した「地下鉄サム」をご紹介します。

しぇんしぇいさんは、戦前版を読まれたとのことでしたが、私が読んだのは当然ながら、創元文庫版(もう絶版ですね)ちょっと読み返してみました。
早い話が、スリのサムと彼を捕まえようとやっきになる刑事(翻訳では「探偵」となっていますが)クラドックのいたちごっこ。

私の記憶では、サムがクラドックのために何かをしてあげるという話もあった気がするのですが、創元版ではどうもクラドックが一方的にやられているような感じです。

もっとも、マッカレーは180ものサム物を書いたとのことですし、アンソロジーか何かでよんだのかもしれません。(誰かがこれはまるで「捕物帖」と書いていた気もするのですが、分かりません)

昔読んだときは、単純にスリと刑事と思って読んでいたんですが、社会人にもなると(この本の時代はクレジットカードとかない時代なんでしょうねぇ)、カード無くしたら大変だと思うと、「サム悪いヤツ」と思ってしまいます。

持っているアンソロジーとかチェックしなくてはと思いました。
短篇集なので、すぐに読めます。

| | コメント (2)

元祖騎馬警官「ノヴェンバー・ジョーの事件簿

主人公のジョーは24才の美青年でカナダの狩猟ガイド。
足跡やいろんな痕跡を注意深く観察して、謎を解決する。自然が大好きな好青年。

うーーん人気TVドラマ「騎馬警官」のようではありませんか。
短篇集ですが、後半は数編で中編の体を成すと言った感じです。

すこしだけ、「ターザン」第1巻のラストを思わせる部分もありました。
何を言っているかは、よめばおわかりだと思います。

すらすらとあっさりと読める作品です。
あと書きをよんだんですが、「その後」の話はなさそうなので、色々考えさせられる終わり方でした。

| | コメント (0)

「ゼンダ城」だけじゃないホープ「恋の謎々」短編

ミステリマガジン(88年6月号)にホープの短編が載ってました。
「恋の謎々」
内容は、旅行先で同宿になった哲学者に女性が心をよせている。彼女には彼女に結婚を申し込むでろう申し分のない崇拝者(古い)がいるけど、哲学者(本に夢中)が好きでしょうがない、彼が私の気持ちに気づけば・・・彼を学問から家庭に目を向けさせれば・・・と思い悩んで、(当然、学者は全然気が付いてません)、そろそろ帰るかという時、彼に哲学的命題として、ある女性がいてA(彼)とB(崇拝者)がいる。と相談するんです。

で、彼の回答は、Bと結婚するべきだ。(まったく気づいていません)
Aは学問が好きなんだから、家庭は必要と感じていない(自分もそうだし)、万一Aが騎士道的精神を出して結婚したとしても、不幸になるばかりだというんです。

騎士道精神にあふれる「ゼンダ城の虜」のホープがこんな作品を書くんだなぁと思いました。似たような事は(男性にとっては仕事が大切で、女性にそれを邪魔されたくないとか、夫に夢中すぎる妻は夫を不幸にするとか)クリスティにさんざん書いてあるんですが、今回は意外でしかも面白い短編でした。

ホープの翻訳はこれだけのようですが、気のきいた作品だったので、もっと読めればなぁと思いました。

| | コメント (0)

こんなことも出来るんだぞ「ロジャー・マーガトロイドのしわざ」アデア

趣向を凝らすのが得意なギルバート・アデアが今度はクリスティへのオマージュとして「黄金期本格派」を書いてみました・・・という感じです。

もちろんアデアですから、そこかしこにいろいろとパロディというか蘊蓄(?)というか仕掛けがこらしてありますが、ミステリとしては一応正攻法で書いています。

ある意味、昔の埋もれた名作として出版されても、、(ちょっとすれっからしの部分はありますが)大丈夫かもしれません。

雪の山荘の密室殺人、招待客にはミステリ作家(女性)がいるというサービスぶり。
アデアだという先入観があるせいでしょうか、「こんなことも出来るんだ」とばかりに「本格派」書いているという気がします。

たとえて言うと(えーと古すぎる例えかもしれませんが)、フィギュアスケートで、いつもフリーでものすごい派手な演技しているけど、大昔で言えば「規定」(昔のです。後ろ向きに円をきっちり描くとか・・・最近の方は知らないでしょうけど)もそのきになれば、ダントツなんですよって感じ。
基礎があるから、イロモノも書けるんですよ。いや、それじゃなくて、私にはイロモノとして古典もかけるんですよとやられた気持ちです。

最後の文章は気に入りました。

| | コメント (0)

個人的にはちょと・・「ミステリ講座の殺人」ナイト

「ミステリ講座の殺人」ときけば、作家の卵達があつまった講座での、殺人事件。
(場合により連続?)と思ったんですが、ある高名な女流ミステリ作家の屋敷に、人々が集まっている(この設定は週末のパーティに来た客と同じだ)で、事件が起こる。

「売り」は巻末の「手がかり索引」ってことでしたが、もともと、伏線を細かくチェックなんかしないので、かるーく読み飛ばしてしまいました。
ある意味すらすらと読めますが、個人的にはふーんそうなんだぁで終わってしまいました。

インパクトに欠けるというのが感想です。もっと他にスゴイ作品はあるのだろうか?

| | コメント (0)

古典の翻訳ブームから・・

最近の復刊・古典の翻訳ブームは私のような「昔のミステリ好き」にはとてもうれしいことです。そんなブームが起こる前に(まあ、ほそぼそと復刊フェアをたのみにしていた頃)に、「こんな本があったんだ」とか「この本に載っていたから読んでみよう」と参考にした本についていくつか紹介します。

長谷部史親(4連発くらい)

「海外ミステリ歳時記」・・・海外ミステリを四季にわけて(?)紹介していました。講談社文庫なので、比較的入手も簡単でした。手持ちの本には、読んだとか○とか×とか印が色々ついています。
「欧米推理小説翻訳史」明治・大正期の翻訳小説の紹介です。昔、「本の雑誌」で読んでました。クリスティ、ヴァン・ダインなど今でも名の通った作家が多いです。

ちょっと忘れられた感があるのが「地下鉄サム」(結構面白いとおもうんですけどね)のマッカレー。フレッチャー、マシャール(うーん。全然分からない)ですね。
昔のフランス、ドイツ語圏の作家、短編作家(新青年などに翻訳された作家)にも言及しているのはすごいと思います。
ちなみにこれを読んでいた時には「正義の四人」なんて読めないと思ってました。

「探偵小説談林」は翻訳小説のことではなく(ちなみにこの本「六興出版」です)、昔の日本の事情を中心としたエッセーになります。
「小泉喜美子さんの急逝を悼む」というエッセーもあり、時代を感じました。

「推理小説に見る古書趣味」
ミステリには当たり前のように古書が重要な役割を占めているものが多く、その本の紹介になります。「二巻の殺人」なんてこれを読んだ当時は、ものすごい古書価格で読める日が来るなんてと、復刊に喜んだものです。

話題は広く、「鞍馬天狗」まで登場します。
ハードボイルド系は不明なのですが、この本で言及していていて絶版・続巻なしで最近新刊では読めなくなっているものを紹介しておきます。
ウィル・ハリス「殺人詩篇」。ネヴィル・スティード(古書ではなくブリキのおもちゃ)のシリーズ。ルマーチャンド「螺旋階段の闇」などです。
ここに書いた本はラッキーにも全部よみました。
みんな面白かったので、続きがなかったのが残念です。
古書趣味云々を抜きにしても面白いのでおすすめしまs。

「ミステリの辺境を歩く」はミステリマガジンで読んでいたので、きちんと「本」で読んでいません。今度ちゃんと読もうと思います。「本」になるとボーナスついているかもしれませんので。

| | コメント (2)

アン・ブーリンの恋文「城館の殺人」S・T・ヘイモンとアントニア・フレイザー「恋文」

私にとってのアン・ブーリンのイメージは映画「千日のアン」なんですが、ちょっと違うイメージのアン・ブーリンのミステリがあります。

S・T・ヘイモン(女性作家、歴史書もかいたらしいです)「城館の殺人」です。
主人公はラテン系の外見を持つ(あだながバレンチノ)ジャーネット警部(彼には、ユダヤ人女性の恋人がいて、ユダヤ教にならないと結婚しないと彼女にいわれている。でも、それだけで改宗するってのはラビが許さないし・・・しかも彼女は移り気でさっさと彼をおいてバカンスに行くようなヤツという、恋人以外の女性なら夢中にさせるという美男子)

事件の舞台は、アン・ブーリンの実家(アンと姦通の罪で処刑された兄ジョージ・ブリン(この本の中ではブリンという表記になっています)が建てた城ブリン・ホール(実在してません)そこにはブリン家の庶子の子孫が住んでいて、城を観光客用に解放してます。
いかにも有りそうな設定。
そしてそこで、アン・ブーリンの兄にあてたラブ・レターが発見されます。
その中でアンは生まれてくる子供の髪が黒ではなく赤であることを切に願っています。
アンの兄の髪は黒、ヘンリー8世は赤毛です。エリザベス女王は赤毛でした。
当然の事ながらこのラブレターは虚構。ただし、その他語られる(ブリン・ホール以外の)歴史的エピソード(アンと兄の埋葬についてか?)はあったらしいです。(後書きより)

ミステリですので、当然殺人事件がおこるのですが、主人公はどっちかというとブリン・ホールであって、アンと兄ジョージの面影が強いです。
ミステリとしては、犯人の動機は分かるんですが(って、どうして、今まで誰も気が付かないんだろうというのがとても疑問ですが)、容疑者を増やすために、不自然すぎる部分あり&登場人物がエキセントリックすぎとうのが難点だと思いました。

印象的なのは、ジャーネット警部がある人物に言うセリフです。大意としては、「まんまと罪をのがれている犯人は、あなたが最初でも最後でもないし、それを白紙にもどせるなら何に代えてもおしくないと思っているのも、あなたが最初でも最後でもない」
ありがちなセリフではありますが、印象的でした。

ヘイモンの翻訳はポケミスで2冊のみだと思います。
ジャーネット警部ってハンサムなだけでインパクトないような感じで、事件の起こる場所ばかりが目立つような気がしました。

しかし、この歴史うんちく系ミステリだったとしたら他の作品もよみたかったです。

--------------------
アントニア・フレイザーは確か貴族の出身だったと思うのですが、ミステリとしてはジマイア・ショア シリーズを書いていますが(ポケミス)、近年は歴史作家として名高く、「スコットランド女王メアリ」や「マリー・アントワネット」の伝記を書いています。

その彼女が編纂したアンソロジー「恋文」にヘンリー8世からアン・ブーリンへのラブ・レターがあります。(これは事実)まだこの本はちゃんと読んでいないんですが、驚くことに「木村重成」あての妻からの手紙まで収録されています。夫の討ち死に前に自決する覚悟をつたえた手紙です。
一体どこからそんなのを知ったのかしらというのが、びっくりです。

エリザベスⅠ世の映画も公開されるのにさきだって、千日のアンでもまた見なおそうと思っています。

| | コメント (0)

主人公は大自然?「サファリ殺人事件」ハクスリー

エルスペス・ハクスリー「サファリ殺人事件」を読みました。
舞台がアフリカと言うことで、ちょっととっつきにくい部分(狩りなんてわかんないよぉ)もありましたが、読み始めるとすらすらと読めました。

イギリス貴族一家&使用人の一行で起きる殺人事件。
ある意味「マナーハウスの殺人」に通じる部分もあります。
しかし、女主人、3万ポンドもする宝石を持って狩りに来ないでほしいなぁ。
いや、そんな人間だから・・・なのか。

などと思いますが、アフリカならではの小道具(大道具?)というか舞台設定。
第二次世界大戦前の作品ですから、「植民地」が舞台(架空の国ではありますが)なので、日本人には雰囲気とか分かりにくい部分もある気がします。

冒険小説入っているような、主人公が影が薄い気がするのがちょっと残念です。
犯罪の結末部分は別として、ロマンス部分が安易かもと思う箇所がありますが、とても映画的な作品だと思います。

| | コメント (0)

早川に収録されてない?戯曲版「五匹の子豚」「殺人をもう一度」ポワロは出てないのね。

クリスティはミステリは基本旧版(早川・創元とりまぜ)で持っていますが、戯曲は苦手なので、集めていないんですが。
光文社からでた「殺人をもう一度」(五匹の子豚の戯曲版)は持っています。

大枠の筋は同じなのですが、探偵はポワロではなく、若い弁護士、彼が依頼人である女性に秘かに一目惚れして(過去彼女の母親(二役)の裁判を傍聴していて、憧れていた)、彼女の婚約者がどうしようもないヤツと思って、彼女のために・・・

というパターン:早い話がメロドラマ。
クリスティ自身が脚本したということで、ミステリの方は当然ですが、ロマンスの方もあたりまえのようにうまくまとまっています。

ミステリとしては、ロマンス意外は原作を基本踏襲しているので、きちんとまとまっています。版権の関係でしょうか、早川のクリスティ文庫に収録されていない事を発見しました。
ちょっとびっくりしました。

| | コメント (0)

フィッシュ:続き 復権しないかなぁ

フィッシュを昨日あわてて書いたので少し補足いたします。

フィッシュは近年、光文社で短編集がでたので、もしや復権か?と思ったのですが、「異色度」がないためか、それっきりでした。

確かにフィッシュは「楽しい&しゃれてる」のが主眼だと思います。
ちょっとキャッチフレーズを考えました。

「殺人同盟」シリーズ・・・「恐るべき老人達。友情は永遠に」
「ケック」・・・「盗まない怪盗ニック:運ぶだけ」(ケックは価値あるものを、密輸する)
「シュロック・ホームズ」・・・「クルーゾー警部がヴィクトリア朝に?」
シュロック・ホームズは、とっても原作をふまえて、色々考え抜かれたパロディで素晴らしいと思いました。

異色ではない短篇集の復権を望みます。

| | コメント (0)

これを読んでなかったら?フィッシュ「殺人同盟」シリーズと「密輸人ケック」

職場のミステリファンからは、スレッサー「快盗ルビイ・マーチンスン」を貸して貰いました。(ルビイものも最近の短篇集に未訳が収録されていて懐かしかったです)
スレッサー自体はそれまで読んでいたはずなんですが、そこから「うまい殺人、しゃれた殺人」といったヒッチコック系の短篇集を読むようになりました。
スレッサーは短編の大御所で先日も短篇集が出たので、まだまだ入手は簡単だと思いますが、彼女が紹介してくれたフィッシュの方は軒並み絶版みたいです。

フィッシュは「シュロック・ホームズの回想」と「冒険」が一番有名なのではないかと思います。お馬鹿ホームズの誤解に満ちた推理は捨てがたい味があります。

でも、今回ご紹介したいのは、「殺人同盟シリーズ」と「密輸人ケック」です。
まず、「殺人同盟シリーズ」えーと、シリーズ化されていると言うことで、1巻のある事件がある解決をみるということが予測されるのではありますが(まだるっこしい書き方)
ミステリ作家クラブ創立者3名(もうご老体)が、今はすっかり売れなくなって、老後の資金たのめに殺し屋をはじめる、結構順調に・・・という話です。
どんな犯人でも金を払えば、という凄腕の弁護士ピュー卿など強烈なキャラクターも出てきます。

3作どれも味があります。1作目「懐かしい殺人」は非常にお薦め、3人の作家達の友情&浮き沈みが面白いんです。2作目の「お熱い殺人」は豪華客船が舞台ですが、その中に出てくる「ビルマ式トランプ一人遊び」が忘れられません。
3作目「友情ある殺人」はシリーズ最後のしめくくりですが、この三人は一筋縄ではいかない強者です。
1,2作目はぜひとお薦めしますが、できれば3作読んでください。

「密輸人ケックの華麗な手口」は、どんな税関も突破してみせる「密輸人ケック」の物語:短篇集です。
一番有名なのは「一万対一の賭け」だと思いますが、それ以外にも、スーパーの組織的な万引き対処方法の話や、いろいろ機知に富んだ話が沢山あります。
「ケック」には思い出がありまして、古書店で、レジの側のまだ棚に並んでいない山から、かき分けてゲットしたんです。
内容も、ケックはポーランド出身なのでヨーロッパが舞台になることも多いんですが、ベルギーのブリュッセルのグランプラスとか、今、仲間はガン(ゲント)にいるから電車だと「北駅」につく、など、昔読んだ時には全然分からなかったけど、いまだと分かるようになった地名が出てきて楽しいです。

フィッシュもちょっと忘れられた作家になりかけていて、寂しいです。
尚、別名義 パイクで、映画「ブリット」の原作も書いているそうです。

| | コメント (0)

初春はおめでたく「コミカルミステリーツアー」いしいひさいち

初笑いというわけではないのですが、ちょっと読み返したらとまらなくなってしまいました。
ご存知いしいひさいちのホームズ・ワトソンを中心とした(?)ミステリのパロディ(?)シリーズです。
読み返したきっかけは、夫はどちかというとハードボイルドの方が好きでコナリーなどを読んでいます。最新作でボッシュが私立探偵から刑事に戻るという設定で、私立探偵は無理があると思っていた云々という会話がありました。
で、なんか、「コミカルミステリツアー」にそんなのあったはずと、そのページを探して夫に見せたら大笑い。で、そこら読み始めてしまいました。

いしいひさいちがとりあげた時には読んでなくて、その後読んだ本とかのオチも分かった部分があったり、でも分からない部分があったり等々、いろいろ楽しめました。

いしいひさいち作品で困るのは、過去の作品をうまく編集しなおして文庫にしてしまうので(オマケつけたりして)つい買っちゃったりすること&買おうかと思ってもかなり読んでいるので買うのをためらわれてしまう事があるなどなどです。

近所の書店では「マンガコーナー」がはっきり別れているのですが、創元のいしいいさいちがマンガコーナーにあるのは????と思っています。これはミステリの棚においてほしいなぁ。

| | コメント (0)

もう大晦日・・・

あっとゆうまの大晦日といった気持ちです。

ここで今年のベスト10など発表できると良いのでしょうけど、順位付けって考えずに読み散らかしていました。
最近の古典の翻訳ブームが嬉しい限りで、これが続いてくれることを祈っています。

皆様にとって来年が良い年でありますように。

| | コメント (2)

「フランチャイズ事件」と同じ事件を扱った「消えたエリザベス」

「木曽のあばら屋」さんからジョセフィン・ティについてのコメントを頂きました。
今は「フランチャイズ事件」を読んでいらっしゃるとのことで、同じ事件を扱った「消えたエリザベス」リリアン・デ・ラ・トア
18世紀の中頃エリザベス・キャニングという娘が失踪し、1ヶ月後、ぼろぼろの姿になって帰ってくるという事件がありました。

リリアン・デ・ラ・トア(通常は「デ・ラ・トーレ」の表記が多いと思いますが、「消えたエリザベス」では「トア」になっています)は、この事件をもとに「消えたエリザベス」創元「世界推理小説全集」(文庫じゃないです)を書きました。
「消えたエリザベス」はノンシリーズです。
彼女のシリーズ探偵は歴史上実在のサミュエル・ジョンスン&ジェイムズ・ボズウェルです。基本的に歴史物が好きなんだと思います。アンソロジーで読んだことがありますが、面白かったです。
「消えたエリザベス」は歴史の謎を解くという趣向で書かれています。
ジョセフィン・ティの「時の娘」も歴史ミステリですが、「フランチャイズ事件」は実際の事件を翻案して、エリザベス事件の容疑者とされたフランチャイズ親子を助けようとする弁護士ロバートの姿が描かれています。
(グラント警部は「追う側」です)ミステリとしては、ちょっと「主張」が先立って、あとラストもちょっと安易だなぁと思うところがあって、純粋なミステリとしては「消えたエリザベス」の方がしっかりしていると思っています。

| | コメント (2)

「スイート・ホーム殺人事件」クレイグ・ライス

サイバラの奮闘ぶりから「スイート・ホーム殺人事件」を連想していまいました。
これは、作家クレイグ・ライスが自分と子供達をモデルにして書いたと言われる作品です。

未亡人のミステリ作家マリアンには三人の個性的な子供達がいます。
ある日、隣家で殺人事件が起こり、子供達はママがこれを解決すれば、本が売れるようになると、事件を調べはじめます。
一方、独身のハンサムな警部とママを結びつけようと、ママを綺麗にみせなくちゃとも必死です。
ライスの、「大あたり」「大はずれ」等とくらべるとハチャメチャ度は低いようで、でも、要所要所にユーモアがきいている。楽しいミステリです。

子供が主人公というふれこみだったので、たぶん高校生くらいの時に読んだのではないかと思いますが、その時は「ドタバタ感」が強かったんです。でも、年齢がいってから読むと、ドタバタだと思っていたのが、違ったんだなぁと思いました。
脇役で9人の子供を育てた巡査部長が出てくるんですが、良い味出してます。

クレイグ・ライスは複雑な家庭環境に育ち、度重なる離婚などからアルコール依存症になり若死に(自殺ともいわれています)した作家です。
日本ではユーモア・ミステリ作家として紹介されました。家庭が複雑だったからこそ明るい作品が描きたかったのかもしれません。

| | コメント (4)

これを読んでなかったら?「黒後家蜘蛛シリーズ」

会社の同僚(3ヶ月しか一緒の職場ではなかったんですが)に、ミステリ短編好きの友人がいました。わたしは彼女からダールを教えて貰ったような気がします。もちろん「おとなしい凶器」は知っていたんですけど。
彼女のお薦めは「あなたに似た人」より「キス・キス」でした。

その彼女から、教えて貰った短篇集の一つが「黒後家蜘蛛シリーズ」です。
あまりに有名なアシモフのシリーズなので紹介は不要だと思います。
同趣向の「ユニオン倶楽部奇譚」ともに、アシモフが死んでしまったために文庫化されていない作品があるのが残念です。
たしか創元は両方まとめて1冊で出すとか言っていたんですが、もう忘れられてしまうんでしょうか。

創元はある時期カバーを一新して、このシリーズはアシモフの肖像になってしまいましたが、昔のグレーのカバーに黒後家蜘蛛の表紙の方が風情があったと思っています。

シリーズもので途中でカバーが変わってしまうと大ショックですよね。
黒後家蜘蛛シリーズから、アシモフの短編でSF(といってもあまりSF色が強くないもの)ものとか読むようになりました。
アシモフ編のアンソロジーもいろいろ読みました。
当時はなかなか読めなかった色んな作家が収録されていて楽しかったです。

| | コメント (0)

「赤い館の秘密」だけじゃないミルン「パーフェクトアリバイ」

ミルン→普通は「くまのプーさん」を連想ということになるんでしょうけど、ミステリファンの場合は「赤い館」です(きっぱり)
あの話、結構好きです。のどかな時代って感じで。トリックもちゃんとしてるし。

ミルンは他にもミステリを書いていて→「四日間の不思議」は読んでるんですが今、全然憶えていない事に気が付き愕然。

さて、「パーフェクトアリバイ」は戯曲です。
最初に、若いカップルが出てきて、ミステリ自体は倒叙モノなので犯人さがしはありませんが、若い二人が「自殺」として片づけられそうな事件を調べるというおきまりのきちんとしたパターンを踏襲しています。

読んでいて楽しい(?)です。ミステリなのであたりまえですが、殺人が起きますがそれはそれとして、楽しく読めました。
先日のブランドの戯曲「ぶち猫」と比べると「話」としてはあちらが上で、でも読みたい(舞台を見たい)のは「パーフェクトアリバイ」という感じです。

オマケの短編2編(1編は初訳だと思います。1つは読んだ記憶があるので)も気が利いててよかったです。
お薦めの1冊です。

| | コメント (0)

ちょっととっつきにくい「道化の死」ナイオ・マーシュ

国書刊行会のシリーズもこの本で最後だそうで、ちょっと感慨にふけってしまいます。
こんなに続くとは思っていませんでした。このシリーズに関しては今度じっくりとふりかえらねばと思います。

ナイオ・マーシュも結構読んでいます。
「ヴァルカン劇場の夜」は読んでみたいと思っていたらたまたま100円古本のワゴンで見つけました。登場人物が楽しい「ランプリイ家の殺人」と「アレン警部登場」が好きです。

マーシュは「劇場」を舞台にした作品が多いためでしょうか、内容がとても視覚的で(うーんきっとドラマにしたら良いんだろうな)ちょっと、「読んでいく」のは私には苦手な部分があるようです。先にあげた2作品はどちらかというとマーシュにしては、やや「マナーハウス系」と言えるんではと思っています。(「死の序曲」もある程度マナーハウス系かな?と思っていますが、あれはある描写で分かる事があるので、私の中では今ひとつです)

「道化の死」はつかみはとってもOKなんですが、何分にも登場人物が多い&「5人息子衆が踊るモリスダンス」とが今ひとつ(ふたつ)イメージしにくくて、大変でした。

なんか最初の部分では映画「ウィッカーマン」(昔の方の映画)を思い出してしまいました。

| | コメント (0)

面白かった「大聖堂の殺人」ギルバート

ギルバートはそれなりに読んだはずなんですが「十二夜殺人事件」は大部前に読んで面白いと思いました→これは最初に読んだので、結構印象に残ってます。
「スモールボーン氏は不在も面白かった(はず)→印象に残っていない。「ひらけ胡麻」うーん読んだ時は面白かった気がするのに、どういうわけか憶えていない。

「愚者はおそれず」→社会派をテーマにしていたので好みではなく。
「空高く」途中まではすごく面白かったです。ちょっと最後の決着のつけかたが・・・

という評価でした。もっとも短編になると◎だと思うんです「世界鉄道推理傑作選」の「ダックスワーク氏の夜の外出」なんて最高だと思います。
ちなみに「世界鉄道推理傑作選」はとーーーってもお薦めだと思っています。

など、ギルバートは合わないかもしれないと、あまり期待しないで読んだんですが、実に面白かったです。
大聖堂の教区内で起きた殺人事件=容疑者は限定されて。
司祭達ののどかで知的な生活が一変してしまう。

なーんだギルバート普通のミステリ書いてたのね。と思ってしまいました。
連想したのがミス・マープルの「動く指」だったか、牧師の奥さんが夫は「罪を許す」方を担当しているけど、私は教区の悪(小さな悪)の方を担当する(夫は立派すぎて、日常生活の悪が分からない)みたいなセリフがあったんですが、ちょっとそれを連想しました。

一気に読んでしまいました。
あとがきに、ギルバートは作風の範囲が広すぎたので、人気がでにくかった様な事がかいてありました。最初にこれが出てたら、イメージ絶対にちがっていたと思います。

ギルバートは苦手かもと思っている方でも十分大丈夫です。

| | コメント (0)

セイヤーズ(ちょっと続き)

大学の図書館には六興ミステリのセイヤーズもあったようで、かなりディープな品揃えでした。「死体をさがせ」が最初に読んだセイヤーズになったので、創元から「誰の死体」(シリーズ1作目)が出たとき、てっきりあの本だと思って読み進めていったら違うというはめになりました。
最後まで出版するという話だったので(「忙しい蜜月旅行」は早川が版権を持っているから未定ですがと当時言われましたが)、浅羽さんの訳を楽しみにしていましたが「学寮祭の夜」まででお亡くなりになってしまい。「忙しい蜜月旅行」は結局創元からはどうなるのでしょうね。

10年以上前にロンドンに行った時、パブシャーロック・ホームズに行き。(記憶では)近くの書店に行ったら、結構ミステリがあり、一瞬、当時翻訳がでるとは思っていなかったセイヤーズの本を買ってみるという誘惑にかられましたが、幸か不幸かハリエットとの出会いの”Strong Poison”が無かったので買わずに帰りました。買って帰っても読めないので、ただのバカですが。

ただ、イギリスでテニスンの詩集を買いました。ミス・マープルの「鏡は横にひびわれて」に出てくる「シャロットの乙女」の詩が知りたかったんです。

遠い昔の思い出です。
今では、ネットで洋書も簡単に手に入る時代ですものねぇ

| | コメント (0)

大学の図書館に宝石(ミステリ)がたぶんあったような・・・「ナイン・テイラーズ」とかありました。

大学の図書館には分室(?)のような開架式の図書室があって、なぜか(おそらく寄贈だと思いますが)ミステリも結構あったんです。
私はそこでケメルマンの「ラビシリーズ」をよみ。クリスティ「暗い抱擁」(違うタイトルだったような)を読み、バウチャーの「ウルスラ尼」を読みました。で、しらべてみるとどう考えても雑誌「宝石」があったはずなんです。「死体をどうぞ」(その時はたぶん「死体をさがせ」を読んでいるんですが、「宝石」なんです。それが、ピーター卿との出会いで、どうもその前に「ハリエット」という女性にであったらしいが。。。と、どんなシリーズなんだろうと思いました。

ちなみにミステリチャンネルの「バーナビー警部」ものに、「鳴鐘」を競技としてやっている人たちが出てました。あー、こーゆーものなんだぁとしみじみしちゃいました。

「ナイン・テイラーズ」も読んでいるんですが(あれは、トリック/犯人分かりました。どういうわけか)、調べてみると「世界推理小説全集」だったのかもしれません。

とにかく、あるいみディープな品揃えでした。
社会人になって、たまたま勤務先が大学に近い時があったので、その図書館に行って本を借りようとしたんですが、開架式だったために、「宝石」類がごっそりなくなったと司書の人がなげいてました。
ショックでした。

セイヤーズは一体どんなシリーズなんだろうと、その時思っていたんですが、まさか、全部翻訳されるとはおもってもいませんでした。
(前にも書きましたが、ハリエット自体はちょっと苦手ですが、最後まで読むと、ハリエットの存在というのは理解でしました)

あの大学の図書館というのも、私のミステリ生活に寄与しているんだなぁと思います。

| | コメント (0)

どっちも映画の原作なんだけど「盗まれた街」と「五人対賭博場」フィニィ

「盗まれた街」が最近数度目の映画化されて、新装で文庫がでているようです。(昔、ドナルド・サザーランド主演の「トンデモ系」の映画をみてます)

私はフィニィは一応「本」はコンプリートしているので、あんまり「映画」を全面に出した表紙じゃないほうが趣あるとおもっているんですが。
「完全脱獄」も新装で出ているんですね。(和田誠のカバー持っているのは今や自慢してよいのかも)

「五人対賭博場」は、シナトラ一家の(古い!)「オーシャンと十一人の仲間たち」の原作→ひいては、近年の「オーシャンズ11」の原作であるはずなんですが、あんまり「原作」扱いされていないような気がします。
もっともかなり雰囲気が違うのですけど。

「マリオンの壁」もグレン・クローズ主演の映画がありました。これは原作の方が面白かったです。映画版は映画版の良さはあったんですが。!(って「マリオンの壁」はTV放映でたまたまみただけなんです。)

うーん。フィニィ意外に映像化されているじゃないかとおもいました。
角川で色々翻訳が出たときは嬉しかったんですが、この映画化を契機に復刊されるといいんですが。

って昔に比べるとかなり入手可能だとも言えます。昔は「レベル3」と定番「ゲイルズバーグ」しか入手できなかった時代もあるんですよね。

| | コメント (0)

せっかく出版されたのに「ナツメグの味」

コリアの「ナツメグの味」が出版されました。で、喜びいさんで読んだんですが。
殆ど既読だったのですごく悲しかったんです。いえ、サンリオ文庫もちくま文庫版も入手困難な現在、これは、筋違いかもしれないんですけどね。

サンリオ文庫は、けっこうロマンチックに訳していたのかもしれないと思いました。
「ある恋の物語」・・・マネキン人形に恋をした青年の話(サンリオのタイトル)は、「特別配達」(実際は原題はSpecial Delivery)となっていました。(調べたところ、過去に早川では「特別配達」というタイトルになってました。サンリオが意訳してしまったんですけど、サンリオのタイトルで憶えてしまっていたんですね。)
原題がそうなっているから、私の不満は筋違いなのは分かっているんですが、そのギャップに結構びっくりしたというのが感想です。

「千の脚を持つ男」でも読んだばかりの「船から落ちた男」が収録されていたのも、ちょっとがっかりでした。どうせなら、せめて最近出たモノじゃなくて(理不尽なのは十分に分かっています)

ものすごーーく期待してしまったために、「読めてありがたい」という気持ちが少なくて申し訳なくなってしまいました。

あとがきに初出一覧があるのですが、(原題つき、サンリオには原題なかったみたいですが)、どれが初訳なのか既訳なのかって書いてくれると親切なのになぁと思いました。(うーーん。八つ当たりかも)
「宵待草」ははじめてよんだせいか、とてもコリアらしい短編だと思いました。

これをきっかけにどんどんコリアが出版(復刊)されるといいなぁと思っていますが

| | コメント (0)

ミステリマガジン400号の思い出「埃だらけの抽斗」

一番記憶にあるのは「埃だらけの抽斗」です。
この話は、銀行員トリットにに金を誤魔化されたローガンが、銀行の個室にある「埃だらけの抽斗」に気が付いた事から、完全犯罪をなしとげる話です。「謎のギャラリー最後の部屋」(北村薫編)に収録されていますので、興味のある方は読んでください。(ってこれが本に収録されるとは思ってもいませんでした)

「誰でもない男の裁判」とか今なら読めるようになった短編もありますね。
本当に素敵な一冊でした。

| | コメント (0)

「劇場の迷子」中村雅楽シリーズ

シリーズ4作目。
なんかこれが一番読みやすい気がしました。(「グリーン車の子供」「団十郎切腹事件」などは前から読んでいたので、ふーーんと流してしまったからかもしれませんが)

役者の芸談などのエピソードも面白く、無理に事件をつくっていない感じがして良かったです。全5巻だそうなので、あと1冊と思うと寂しいです。

戸板康二には「小説・江戸歌舞伎秘話」という歌舞伎のエピソード&推理仕立ての本もあるようなので、こちらも読んでみようと思います。

| | コメント (0)

これを読んでなかったら?「アメリカ探偵作家クラブ傑作選」

「あの手この手の犯罪」~「新エドガー賞全集」までのアンソロジーです。
調べたら10年かかって出ていたんですねぇ。

いつ買いはじめたか憶えていないんですが、ある時たまたま手にとってあまりに面白かったので、シリーズをまとめ買いした記憶があります。
友人に貸して、ぼろぼろになって返ってきたものもあります。全巻そろってます。

もう昔のことなので、記憶がさだかではないんですが(笑)、アンソロジーって創元推理文庫では実は出ていたはずなんですが(その後で頑張って集めました)、気が付かず。
このシリーズが私にとっては「アンソロジー」という気持ちです。(あ、「世界傑作推理」とか「怪奇傑作選」は別格ですから)

一時期、気持ちが疲れていたせいもあって「短編」は、読み切ることができて、とっても気持ちが楽でした。しかも、質の高いものが山盛りだったので、アンソロジーの復活を望んでいるですけど。版権が難しいんでしょうか?

それから、創元のアンソロジーをかなりあつめ、ホック(ホウクと表記されているのが笑える)「風味豊かな犯罪」など、年間傑作選も探してかいました(あの企画続いてほしかったです)当時は、早川のイギリスミステリのアンソロジーはちょっと暗めだと思ってそんなに真剣にあつめなかったんですが、最後はネットで探して買いました。昔かっておけばよかった。

今に至るまで「びんづめの女房」をゲットしていないのが、悔やまれます。(読んでますけど)今回の異色作家シリーズで出ないと知ったときは、ショックでした。
荒地出版のミステリアンソロジーも結構楽しかったですが・・・

アンソロジーから知って本をかったのが、コリア、エリン、ホック、スレッサーなどですね。
アンソロジーって、色んな作家の作品を知ることができる、お楽しみ袋みたいなお得感がありますよね。

| | コメント (2)

これを読んでなかったら?「ミステリマガジン400号記念」

たくってもうすでにミステリ好きではあって方向は決まっていたんですが
その頃は「本」は買っても「雑誌」は買ってませんでした。(今も雑誌はこれ以上は増やさないようにしようと思っていますが→先日の「雑誌問題」からどうしようかという課題を抱えていますけれど)

新聞の書評でミステリマガジンの特集号を誉めていたんです。短編特集でした。(今も大事に持ってます)で、そんなに良いなら買おうと思ったんです。
ここですでに間違いが、書評がでるのって結構あとだったんですね。地元の書店では売り切れ。で、神田の書店に電話しまくって、やっと一冊残ってました。
私は、その時、友人と旅行に行く約束(2ー3日)したので、書店に、いついつ取りにいくから絶対に取り置いてくださいってお願いしたんです。
戻ってきてからすぐに取りに行きました。最後の1冊だったそうです。

この号には大好きな「埃だらけの抽斗」(今度説明しますね)とか載っていて、本当に素晴らしい号でした。冷静に考えるとその頃には短編の良さに(特にアンソロジー)目覚めていたような記憶があるんですが、この400号は私にとっては、短編小説とのかけがえのない出会いでした。

| | コメント (2)

「ぶち猫 コックリルの事件簿」

一番面白かったのが、最初のブランドが2千語で描いたコックリル警部の紹介(?)という気がします。もちろん、他の作品が悪いというのではないんですが、コックリル警部って、「冴えてる」タイプじゃないので(ファンの方ごめんなさい)、どっちかっていうと「長編」向きのような気がするんです。
「屋根の上の男」は公爵夫人とのやりとりとか良いんですけどね。「アレバイ」も○。
タイトルの「ぶち猫」は脚本で、いかにもブランドらしさ満載なんですが、ある意味ト書きでネタバレしている(脚本ですから)ので、小説にしてくれた方が読みやすいだろうなと思いました。

「コックリル警部」への不満はですね、色んな作品や登場人物に言及しているんですが、えーとどの作品だっけ、誰だっけと思っちゃうわけで、できれば注釈つけてほしかったなぁと思いました。そこまで、ブランド憶えていないんで、「ジェゼベルの死」「緑は危険」とか読み直さなくては、あ、サンピラータだったけ(?)島に行くシリーズも「はなれわざ」はちゃんと憶えいているんですが、その続編(?)「ゆがんだ光輪」とかはうろ覚えだぁと思いました。

しかし、私が影の常連と思っているある人物は言及されなかったので、ちょっと悲しかったです。(名前を空かすと、容疑者からはずれちゃいますね→2度目からは犯人から除外できますね)

ブランドも読み直そうと思いますが。コックリル警部ものでないと「くらーーい&おもーーい」という事が多々あるような気がします。
悪女かかせるとうまいですよね。

「コックリル警部」を読む前に、できればコックリル警部シリーズを読み返すとより理解が深まるかも。

| | コメント (0)

「ペンローズ失踪事件」フリーマン

私(弁護士:ロックハート)が偶然骨董屋で不思議な人物ペンローズ氏と出会う・・・
つかみはばっちり。最初に思ったのは例によって、フリーマンの脇役(?)達のロマンスか?でも、困っている美女がでてこないなぁと思ったんですが。

ロックハート弁護士はあっさり退場して、こんどは、例によってソーンダイク博士の事件となっていきます。ペンローズ氏が失踪してしまった。
たぶん(あくまでもたぶんですが)、展開はある程度予想がつくと思います。

私は今回は、ミステリよりもペンローズ氏の収集品の方が気になってしまいました。
秘蔵の宝石がでてくるんですが(えーと、勘違いがあるかもしれないんですが、オパールのカメオが出てくるんです。オパールはもろいのでカメオなんか作れないというのがアンティークでは常識なのですが、男性だから知らなかったのか、そこの部分の記述を私が勘違いしたのか)、ああ、人の欲ってもんはと、ミステリとは全然違う部分を考えてしまいました。それと宝石の描写の部分に「ああ、ここらへんはもっと解説をつけてほしいな」と思いました。あと、言葉遊びが多々出てくるんですが、これは英語を解さないと面白さが分からないようで・・・

個人的にはミステリとしては、「短篇集」とか、「赤い拇指紋」などの方が良いような気がしてしまいました。ものを集める云々という事はと考えさせられちゃいましたが

| | コメント (0)

「推理小説の整理学」&「世界の推理小説総解説」

母がミステリ好き&姉が5才年上で、雑誌:中1コースなどの付録に、ミステリの抄訳がよく載っていて、「サイモン・テンプラーシリーズ 奇跡のお茶」で母は「セイント」のファンに。→大人になって本を入手するのが大変でした。

あと、トリック集を集めた付録とかもあり、「Yの悲劇」は、ストーリーも知りませんでしたが、重大な手がかりを知っていました。「密室の行者」もトリックは知っていました。(例えが古くてスミマセン)

昭和52年「推理小説の整理学」→これをいつ買ったのかもおぼえていないくらい昔から持ってまして、これに載っている本を読もうと図書館に行ったりしたのを憶えています。
私はハードボイルとは好みではないのですが、この本に「警官嫌い」とか「ファイル7」とか載っていたはずで、一応読んでみました。

「世界の推理小説」の方は、85年刊。今からすると古典が(ハードボイルド・警察小説関係も)多く。読もうにもなかなか入手できないで、読んだ本に印をつけて頑張ってました。

この本がなかったら、こんなにミステリにはまらなかったのかなぁとも思います。
もっとも、大学で、私とどっこいどっこい(微妙に範囲が違いますが)のミステリ好きと出会い、本の貸し借りを今に至るまでしています。